司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

略式質?!

2011年03月04日 | いろいろ

会社法の手続、特に組織再編の場合なんかは、登録株式質権者への通知が要求されていますよね。
そうは言っても、実際に登録株式質権者が存在するケースというのは、非常にマレなことなわけです。そのため、質権者が存在するのかどうかを確認するのを忘れそうになりますが、たま~には「いますよ♪」ってこともあるので要注意です。

そして、質権者以外には、新株予約権者と社債権者の存在なのですが、新株予約権に関しては登記されているはずなので、ダイジョウブかな?と思います。 社債権者(新株予約権付社債を除く)は登記がないし、忘れそうですよね~。

実は、先日、合併案件を受託した際、決算公告の原稿を作成しておりましたら、BSの負債の部に「社債」の項目がありまして、慌ててご連絡した。。。なんてこともありました。当事会社はあまり気にしていないかもしれないし、やっぱりBSの内容も良く見ておかないといけませんね^^;
普通社債に関しては、承継の問題がなければ単なる債権者として扱えば良いのですけど、たまに出てくるとちょっと驚きますね~。ちなみに、社債権者に関する債権者保護手続ですが、無記名社債であれば誰が債権者かわからないため知れたる債権者には該当せず、記名社債であれば知れたる債権者に該当し、さらに、社債管理者が異議を述べられる場合には社債管理者にも個別催告が必要、とされているようです。

ハナシが横道にそれました。 失礼!

株券を廃止した会社の場合、いわゆる略式質の方法で質権を設定することができなくなった、というのは、有名なハナシですよね。
略式質というのは、株券の占有を質権者に移転しておき、発行会社にはナイショ♪ というものです。 質権者としての権利行使(剰余金の配当を受けるなど)は必要ないけど、イザ!というときには、実行(株式を他に売却)できて便利だったんでしょう。

しかし、肝心の株券がないとなると、もはや会社に知られずに質権を設定することは出来なくなってしまいました。
でもね。。。実際、上場会社以外の株式に質権を設定することはほとんどないので(価値が把握しにくく、譲渡しにくいため?)、実務上の支障はさほどなかったのではないかな。。。と思っております。

そして、上場会社の株式も廃止(不発行化)されましたが、こちらはちょっと違います。
実質的に略式質と同様の制度が用意されているんです。

上場会社株式の株主名簿は、株主名簿管理人の管理下に置かれていて、発行会社といえども、自社の株主名簿をいつでも見られるわけではありません。
これを利用して、質権用の口座というものが用意され、株主の口座から質権用の口座へ書換の手続が行われるのだそうです。そして、質権が設定されたことは会社には通知しない、ということが可能になるんですって♪
つまり、株券がなくても略式質と同じようなことが出来るってワケです。

株主さんというのは、会社との信頼関係で結ばれていることも多く、質権を設定したことは秘密にしておきたい、という需要は多いんですね~。

先日、上場会社株式に質権を設定した、という会社がありまして、「どういう風にするんだろ。。。?」と思い、調べてみました。
やっぱ、需要に応じて色々工夫されているんですねぇ。

もしかして一般常識だったかも

コメント (2)
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