先日、取締役会設置会社が代表取締役の選定機関を株主総会にすることができるか???についての記事を書きましたが、本日はその続きです。
前回の記事はコチラ↓ http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/ca87ec69255a000deaa9214e93807c0e
その後、会社の方から定款変更案送られてきました。「ふむふむ。。。」 問題なさそうだな~と思っていたところ、「これは。。。。??」というモノがありました。
会社からの定款変更案は、(要約)①代表取締役は株主総会の決議により選定することができる。②代表取締役の選定は累積投票によらない。
とされていました。
どうやら、取締役の選任の条項と同じような規定の仕方をしたようなのですけど、どう思われますか?
って、累積投票についてです。
確かに累積投票の趣旨を考えてみますと、これって、代表取締役にも当てはまるような気がします。取締役会非設置の会社が取締役を選任するということは、すなわち、代表権を持った取締役を選ぶことですよね~。この場合は、代表権を持っている「取締役」を選任するので、累積投票はできます。これとパラレルに考えると、今回のケースでも代表取締役についても累積投票ができるという結論も成り立つような気がしました。 クライアントさんは、ワタシが思いもしないような色々なことを教えてくださいます(感謝)。
定款規定の考え方としては2通りあるのかな。。。と思います。
一つは、会社法の規定上、累積投票が出来るのは取締役の選任に限られているので、代表取締役の選定で累積投票を行うことはできない⇒定款に累積投票排除の旨を定めても意味がない。
もう一つは、会社法ではそこまでのことを想定していないから、類推適用により、代表取締役の選定も累積投票を行うことができる⇒定款に累積投票排除の旨を定める必要がある。
今回の会社の場合、そもそも累積投票排除の定めを置かなくても、累積投票するような株主構成ではなかったため、前者といたしました。
会社法の規定もありますが、取締役会においてはモチロン累積投票はできません。とすれば、取締役会における代表取締役の選定と株主総会におけるソレは、同等に考えられるべきではないか。。。という理由です。クライアントさんには、「ハッキリした結論は分かりませんけど、ワタシはこのように考えています。」とご説明しましたら、納得してくださったので、今回は累積投票排除の規定は置かないことにしました。
こんなことを論じていらっしゃる方はいないのでしょうね~。。。考えさせられる一件でした。
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