司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

代表取締役の予選 その6

2013年02月20日 | 役員

おはようございます♪

早速昨日の続きです。

Bサンを代表取締役に予選するコトが出来るかどうか。。。ってトコロからでした。

今回のケースは、結論から申し上げますと、「Bサンが取締役に就任することを条件として、代表取締役に予選することはできない」ですね。

代表取締役の予選と言っても、すべてが出来ないというわけではありません。
取締役であるヒトを期限付きで代表取締役に選定するようなケースでしたら、可能なんです。
今回ダメなのは、代表取締役の被選定者であるBサンが、まだ取締役に就任していない状態で決議をしているから。。。。
代表取締役は取締役の中から選定しなくてはいけませんので、Bサンが取締役に就任してから(取締役会のメンバーになってから)でないと代表取締役の選定決議ができない、というワケです。

つまり、今回、取締役会は4月1日にBサンが取締役に就任した後に開催しなければならないんですね。
Bサンが取締役に就任していれば、Bサン本人が取締役会に欠席していても構いません。

そして、4月1日以降に取締役会を開催する場合、代表取締役を選定した取締役会議事録には、Aサンが会社の届出印を押印することが出来ませんから、原則通り、出席取締役及び出席監査役全員の個人の実印を押印し、登記の際は印鑑証明書を添付しなければなりません。(←いわゆる「代表者交代担保」ってヤツです。)

会社の印鑑を届け出ているAサンが、出席権限を持って取締役会に出席し、かつ、議事録に会社の届出印を押印した場合は、例外的に他の出席取締役・監査役は個人の実印を押印する必要はないのですけど、今回、4月1日にはAサンは取締役で無くなっているので、当然、取締役会への出席権限はありません。
なので、残念ながら、原則どおり、議事録には出席役員全員の個人の実印を押印しなければなりません。

ちなみに、Aサンの辞任後すると代表取締役に欠員が生じてしまいますが、取締役という前提資格を失った場合は、「権利義務代表取締役」にはなりません。
なので、権利義務代表取締役として、Aサンが4月1日の取締役会に出席し、届出印を押印することもできない。。。。(~_~;)

さらに、規模の大きな会社サンの場合、そう簡単に取締役会を開催することはできない。。。という事情も障害になります。
通常ですと、その手の会社サンは、毎月1回定例取締役会を開催されていることが多いのですけれども、臨時取締役会はよっぽどのコトがなければ開催されません。なので、取締役会の決議事項は、定例の取締役会のスケジュールに合わせて付議されています。

デッカイ会社が組織再編などをしようとすると、結構時間がかかってしまいますが、それは、「定例取締役会の開催日程とタイミングが合わない。。。」ってことも多いです。
「え~っと。。。今月の取締役会には間に合いませんね~。。。来月は○日ですから、そこからスタート。。。」ってコトで、効力発生日が1か月くらいズレたりすることもございます。
。。。というわけで、ちょうど良く「このためだけに」4月1日に臨時取締役会を開催するのって、なかなか難しいんです。

ただ、だからと言って、例えば、4月10日の定例取締役会において代表取締役を選定するとしたら、10日間の間、代表取締役が不在になってしまいますからね~。。。それはそれでチョットマズイ。

じゃ、取締役会を4月1日に開催するのはムリだから、これ、書面決議(取締役会の決議の省略)でやるとしますと、4月1日に代表取締役を選定するのなら、提案日は4月1日、同意日も4月1日とする必要があります。しかし、それも「それってなんだか嘘っぽ~い。。。どうも抵抗感があるな。。。」と思われるようです。

アチラを立てればコチラが立たず。。。^_^;

しかし、こういうコトって、本当に多いんですよ。しつこいですケド。。。

なので、優先事項を決め、何かをあきらめなければならないんですよね。
具体的には、また明日♪

コメント
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