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世界の流れは、EV化(20)

2021-12-06 00:00:00 | Weblog

欧州では事故車をプールに沈めて搬送

 大量の水でバッテリーを冷やし続ける方法は、EVの火災事故の対応として有効な一方で、完全に火を消し止めるまで時間を要する。18年3月23日に米国カリフォルニア州の国道101号線でテスラのEVが中央分離帯に衝突して炎上した事故では、101号線の6車線が6時間も閉鎖された。

 この事故に対処した消防隊はEVに触れて感電する危険性についての判断がつかなかったため、テスラに助けを求めた。消防隊は道路の真ん中から動かせないテスラ車が再燃しないように水をかけ続け、現場に来たテスラの技術者が損傷した電池セルを1つずつ取り外し、バケツの水に沈めていった

 消火に時間を要することに加えて、消火に使った水の処理の問題もある。スイス連邦材料試験研究所(Empa)などは、EVの消火に使った水は燃えるバッテリーから出る化学物質で汚染されているため、そのまま下水に流すべきではないと指摘する。

 そこで、新たな対処法が生まれた。例えば、デンマークの消防署は事故を起こしたEVなど電動車を運ぶ特別なコンテナを開発。コンテナはレッカー車に載る大きさで、中に水をためられる。小型のクレーンを使って事故車をつり上げて、プールのようなコンテナの中に沈めてから搬送するのだ。

 このコンテナを使えば、大量の水を消費せずにEVを冷やせる上に、冷却に使った水を管理できる。事故現場からEVを動かすまでの時間も短縮できる見込みだ。実際に、オランダの消防隊はショールームで煙を出したドイツBMWのプラグインハイブリッド車(PHEV)「BMW i8」を、水をためたコンテナに沈めて冷却した(図3、図4)。

図3 煙が出たBMW i8を水が入ったコンテナの上までつり上げる様子
(出所:オランダの中央および西ブラバント消防隊) 画像のクリックで拡大表示]


図4 コンテナの中の水に漬かったBMW i8
(出所:オランダの中央および西ブラバント消防隊) [画像のクリックで拡大表示]

 ところが、テスラはこの消火方法を勧めない。同社はモデルSの緊急時対応マニュアルに、「水の入った大きな容器に車両を入れることは推奨しない」と記載している(図5)。代わりにバッテリーに直接、大量の水をかけて冷却する対処法を提示する。ただ、必要だと定義する水の量は約3000~8000ガロン(1万1356~3万283L)で、前述の実際の事故で使用した約2万8000ガロン(10万5991L)とは大きな開きがある。

図5 テスラ「モデルS」の緊急時対応マニュアル
EVから火が出た場合、車を水に沈めず、約3000~8000ガロン(1万1356~3万283L)の水で冷却するように指示する。(出所:テスラ) [画像のクリックで拡大表示]

 同社は、容器に車両を入れる方法を推奨しない詳細な理由は説明していない。消火に要する時間や水の量、使用した水の処理などの点でどのような消火方法が最適なのか、まだ不明な点が多いと言えるだろう。

メーカーの事故対応マニュアルは不十分

 NTSBはEV特有の火災事故が増えつつある状況に警鐘を鳴らす。同機関はEVの火災への対処法を考えるために、17~18年に起きた4件のテスラ車の火災と、リチウムイオン2次電池を搭載した車を造る自動車メーカー36ブランドの緊急時対応マニュアルの内容を調査し、20年に調査結果を安全報告書として発行した。その中で、ほとんどのメーカーの緊急時対応マニュアルはEVの消火に関する明確な情報を欠いていると指摘したのだ。

 例えば、大半のマニュアルには、燃えている高電圧バッテリーのどこに水をかけるか指示がなく、水をかけるのをやめても安全かどうかを判断する適切な温度のしきい値などについて具体的な情報がなかった。高電圧バッテリーを車両から切り離す手順は全てのメーカーが記載していたものの、再燃を防ぐための手順について具体的に説明した企業はなかった

 カーボンニュートラルを目指す世界的な潮流の中で、EVをはじめとする電動車はさらに普及が見込まれる。安全性をしっかりと確保していくためには、従来車と違った電動車特有のリスクを十分に把握し、いざ事故が起きたときに対処できる態勢を万全に整えることが求められる。

参考文献
1) Angelo Verzoni, "Battered Batteries", April 22,2021. Retrieved from https://www.nfpa.org/batteredbatteries
2) Jesse Roman, "Stranded Energy", January 1, 2020. Retrieved from https://www.nfpa.org/stranded
3) National Transportation Safety Board. "Safety Risks to Emergency Responders from Lithium-Ion Battery Fires in Electric Vehicles", 2020. Retrieved from https://www.ntsb.gov/safety/safety-studies/Documents/SR2001.pdf
4) National Transportation Safety Board. "Preliminary Report (HWY21FH007)", May 10,2021. Retrieved from https://www.ntsb.gov/investigations/AccidentReports/Reports/Forms/AllItems.aspx
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/06034/?P=3


テスラのEVの火災事故は、衝突などでバッテリーが損傷して短絡を起こし、その結果発熱して火災に至ったものである。だからEVの場合、事故は怖いのである。
(続く)
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