世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

番外編・プリウス急加速問題(117)

2012-05-17 11:10:04 | Weblog

注目ポイント④
採用した蓄電池の種類と充電方式


「SIM-WIL」が搭載する蓄電池パナソニック社製で、一般的にパソコン用電池と称される「18650」(直径18mmx高さ65mm)の円筒形リチウムイオン二次電池だ。パナソニック社が同電池単体のセルを、温度管理等のバッテリーマネージメントシステムを含むモジュール化し、そのモジュールをSIM-Driveが車輌床面に1層として空冷の電池パック化した。

 電池容量は35.1kWh。「18650」の使用本数は今回、情報開示されなかった。なお、同電池を採用している米ベンチャーのテスラ「ロードスター」が電池容量53kWhで搭載するパナソニック社製の電池セル(単体)は合計6831本、それを621本づつ11個のモジュール化している。それを基準に考えると、「SIM-WIL」では4000本強の「18650」が必要となる。

交流100V、200Vから直流に変換し、CHA de MO方式で充電する、SIM-Driveオリジナルの持ち運び可能な充電装置。
Photo by Kenji Momota

 また、「SIM-LEI」では、東芝製のリチウムイオン二次電池SCiBを使用している。今回、「18650」を採用してことについて、前出の同車の車輌開発統括本部部長の眞貝氏は「現時点では(電池セルの)購入コストや性能について一長一短がある。そのなかで弊社は様々な事例を紹介している段階」という見解を示した。つまり、量産化に移行した場合、自動車メーカーなどの製造者が、使用する蓄電池の種類を選ぶ可能性が高い。なお、「SIM-WIL」のインバータについて眞貝氏は「(同社内製ではなく)外部からの購入品である」と語った。

 また充電方式については同社は今回、直流急速充電の「CHA de MO」方式を採用した。充電時間は直流充電で満充電まで3時間、200Vの交流充電で同12時間とした。また今回、小型で持ち運びが可能なオリジナル充電器も発表した。これは、交流100V/200VからCHA de MOの直流方式に変換する装置だ。

 本連載でも紹介(※)したように最近、欧米メーカーが「CHA de Mo」を差し置いて、直流・交流双方の充電コネクターを一体化したコンボコネクターの世界標準化を推進する動きが目立つ。こうした現状については「コンボコネクターについては(現物が市場に出回っていないこともあり)まだ十分に検討できていない。今後は非接触給電を含めて様々な充電方式の可能性があると考えている」(眞貝氏)という。

 この件について、清水氏は記者会見後半の質疑応答のなかで、筆者の質問に対してこう答えた。「先行開発第3号のなかで住宅メーカーを含めた参加企業のなかで、さらには今後数年をかけて、送配電などエネルギー供給のあり方全体を踏まえて、今後の充電方式の標準化について考えていきたい」(清水氏)

EVベンチャーは生き残れるのか?
見えてきたその本質と、今なすべきこと


 以上見てきたように、SIM-Driveの事業計画、事業目的は、フレキシブルであることが分かる。創業当時から最近まで、自動車技術系メディアの間では、「SIM-Driveはインホイールモータと低床フラットフロアにこだわり過ぎて、今後の事業の広がりが分かりづらい」という声があった。この意見に筆者も同感だ。

 しかし、今回発表された先行開発車事業第2号、同3号について、関係者と直接意見交換した結果、同社がEVベンチャーとして現実的な路線を歩み始めたと感じた。それは、より量産化が近い状態の技術開発を進めていく上で直面する様々な現実、さらには多くの参加企業からの要望を受け入れていく過程で、必然的に形成されていく最大公約数的な事業達成目標などが絡み合った結果ではないだろうか。同社には日本の代表するEVベンチャーとして、さらなる飛躍を期待したい。

 ただし、いま、EVについてまだまだ多くの課題があることを、同社を含め自動車産業界全体で再認識する必要があると思う。それは、充電方式の標準化、リチウムイオン二次電池のコストなど技術論だけではない。最大の課題は、世界市場において現時点で「EVの明確な市場性が見えてこない」ということだ。

連載第104回「電気自動車の充電方式標準化で世界大戦争勃発! 牙をむく欧米メーカーvs迎え撃つ日産・三菱連合軍 トヨタは援護射撃するのか、しないのか? 」
(2012.4.2,NO.92参照のこと)

 それはいつの時点で見えてくるのだろうか。欧米勢が急速充電器をコンボコネクターでデファクトスタンダード化した時なのか? それとも、日本が官民一体となって国家戦略として「CHA de MO」の世界標準化を実現した時なのか? あるいは急激な原油高による超ガソリン価格高時代が到来した時なのか?電気自動車の充電方式標準化で世界大戦争勃発! 牙をむく欧米メーカーvs迎え撃つ日産・三菱連合軍 トヨタは援護射撃するのか、しないのか?

 最近、日米欧のEVベンチャー各社を取材していると、どの企業もEV本格普及期に向かう階段の“中二階の踊り場”にいるような雰囲気がある。そうした“待ちの時間”に財務的な体力を消耗し切ってしまう企業も多い。そのなかで、“ニセモノEVベンチャー”は自然淘汰されていく。

 EVベンチャーにいま必要なことは、各社独自の基礎技術をジックリと蓄積することである。または、事業のゴールを新規株式上場であると割り切り、徹底的な合理的経営戦略を推し進めることである。少し前に言われていたような「EVはコンポーネンツビジネスなので、他業種からでも参入し易い」などという、第三次EVブーム初期のお題目は、もう通用しない。
http://diamond.jp/articles/-/16942



電気自動車としての市場は、どうもまだはっきりとした姿はない。まだ海のものとも山のものともわからない、と言った状況のようだ。全体として電気自動車は、まだまだ詰めなければならない技術的な問題が山積している。

まず第1が、(リチウムイオン)2次電池のコストだ。簡単に言ってしまえば概念上一ケタか二ケタ程高すぎる状態にある。リチウムイオン2次電池(これだけが電池とは限らないが)は、まだ発展途上にある技術なのであろう。そのうちに一皮も二皮もむける時が来ることであろうが、それは近い将来とも思えない。

そして第2が、電気自動車の航続距離だ。電池を沢山積めばそれなりに航続距離は伸びるのだが、その分コストが極端に上がってしまう。これは2次電池との関係が深い。先ずは、この二つが解決しなければ、電気自動車の発展は頭打ちとなろう。

第3が充電方式の開発である。現在日本では「CHA de Mo」方式が標準化されているが、欧米ではコンボコネクターを世界標準にしようと企んでいる。この標準化の問題もさることながら、急速充電方式でも30分から3時間も掛かるようでは、機動性にかける。これもバッテリーとの関係である。バッテリーとの関係でもっとスムースに充電できる方式が開発されれば、それが世界標準となろう。

第4がモーターの性能向上である。もっとも効率的だと思われている「インホイールモーター」でも、量産型の電気自動車などにはいまだに採用されていないが、トヨタが開発している次期「スープラ」には、FRにインホイールモーターを採用する四輪駆動のハイブリッド仕様らしい。「インホイールモーター」では、ばね下重量が大きくなり乗り心地に問題があると言われているが、実際にはそれほどのことは無さそうだ。問題は、コストと小型化であろう。それにレアアースの確保の問題もある。モーターはバッテリーと並んで、電気自動車の心臓部である。バッテリーとモーターは電気自動車の今後を制するパーツなのである。

第5が、電気自動車の構造である。構造と言っても、どんなバッテリーを使って、どこにどんな形で搭載するのか、は技術者の頭を悩ます問題である。しかも軽くしなければ航続距離は稼げない。リチウムウオン2次電池は、今でこそ発火の問題は少なくなっているが、シボレー「ボルト」の例もあるようにいつ何時発火するかわからないのである。そのため衝突試験耐久試験にはなんとしても合格しなければならない。これらのことを考えると軽くても頑丈なボデーが必要となる。どんなバッテリーを、どこに搭載するかは、非常に重要な問題となろう。だから今度はベンチャーでなく本来の自動車企業の腕の見せ所となろう。

第6が、バッテリーとモーターなどを管理する仕組みづくりである。いわゆるパソコンで言えば、オペレーティングシステム、OSに該当するプログラムである。先にトヨタはハイブリッド車での経験で、この点では大層優れているといったコメントもあった(2012.5.4,NO.108)。電気自動車ともなれば、このプログラムが最も大切なものとなろう。しかも破綻のないようにしなければならない。かってトヨタのプリウスで、「ブレーキが抜ける」などといったイチャモンがついた事がある。これなども、多分、小生には技術的なことやそのほかの重要なことはわからないが、ハイブリッド車におけるOSの一寸した不備だったのであろう。たまたま発覚した時期が悪かったので、大きな問題となってしまったが、現在の「i-MiEV」や「リーフ」にも大なり小なり発生していることであろう。大きな問題になっていないだけではないかと、想像している。まあ、「残り何キロ走れます」とかいった警告文などは、あまり信用されないかもしれないが、このOSの良し悪しは、重要である。

まだまだエンジン車に取って代わるには、電気自動車には超えなければならない問題が山積みしている。エンジンとトランスミッションを取っ払って、バッテリーとモーターを置けは良い的な考えでは、電気自動車は走らないものと思っていたほうがよかろう。

そのためしばらくはPHEVなどが、評判は良くないが、幅を利かす時代が来るのではないかと、小生は思っている。これからも目が離せないと言うことである。

(終り)
コメント
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