今、NHKの趣味悠々で、竹内浩一指導、『動物を描く』と言う番組を放映しています。教育チャンネルで、月曜日の夜10時から・・・・・
私自身は、こういう類の絵を描こうと思っていないので、習うという意味で見ているのではないのですが、主人がこういう風に描くのを好きなので、楽しんでみています。それを、一緒に見ていると、とても、楽しい番組であることに気がつきました。
別に笑いが目的の番組ではないんですよ。だけど、楽しいんです。一番笑ったのは、動物園に行ってクロッキーとか、写生をするときに、ダチョウがいた時のことでした。
そのときに、「だちょう倶楽部がなんとか、かんとか、(*後述)」というやり取りが、生徒の南光さんとの間に交わされたのです。詳細は覚えていませんが、生徒の南光さんより、先生のほうにほんわかとしたユーモアを解するすばらしい能力(?)、・・・・・いえ、センスですね・・・・・が、あることに気がつきました。
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竹内先生は、大変絵が上手な方です。動物を描く、すばらしい絵で、『ふと、竹内栖鳳の末裔ではないかなあ。京都だし』と思ったりしました。
ここで、京都だしといっているのは、言葉遣いでそう感じたのです。京都に、住んだことは無いけれど、京都に住んでいる人やら、京都に住んでいた人は、その言葉遣いを変えないからすぐわかるのです。
その後で調べると、京都市立芸大を、2006年に退官(退任?)なさった方だとわかり、なるほど、京都に関係のあった方だと思いました。
ところで、京都画壇(特に京都市立芸大関係)の日本画家の係累は錚々たるものです。まず、竹内栖鳳、西村五雲、山口華陽、竹内浩一と、続くのです。
ただ、それらの間に別の教授が挟まっていた可能性は、ありますが、京都芸大のホーム頁に過去の教授のランが見つからず、ともかく、芸術家の方向から探ると以上のようなことがわかりました。
そして、竹内栖鳳は、班猫の絵で有名だし、山口華陽さんはきつねの絵で有名です。そういう伝統を踏まえて、ここに、竹内浩一さんが、出現し、さまざまな種類の身近なペットでもない動物(たとえば、象を主題にしたりして)、大きなサイズと格の絵を描いている方です。
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上のようなすばらしい伝統を踏まえた上での気さくさがあるのです。決して品が悪いというのではないのですよ。非常に品がよく、おわらいの方の南光さんだって、ほとんど、つっこみとか、をいれないのです。ぼけたりしません。
だけど、番組が、スムーズに進み視聴者としては、気持ちがよいのです。
悪い例で比較をすると、まず、一番すわり心地が悪かったのは、はながサブ司会者であったころの、新日曜美術館でした。メイン司会者とのコンビネーションが悪くて、見ていて参りました。タレントとは個性が強いものですから、一見すると、静かなメイン司会者を起用していますが、人間は外に現れるものだけではないので、佐藤忠良の『帽子の女』のモデルにさえ、なった、メイン司会者は、『おや、おや、』というまなざしで、『はな』を見ていて、本心では、私は我慢をするだけよ』という気持ちをもっていらっしゃるのが、びんびんこちらに伝わってきて、見るのがつらかったのですよ。
もう、ひとつあります。この絵画指導の番組では、普通は、生徒さんが三人程度の有名人が参加します。それも、実は番組作りとしてはよくないのです。先生が三人に気を使うという側面が見えてしまいます。こんな文化的な番組なのに、よくある、失敗しているヴァラィエティ番組が内包している、気恥ずかしさと、同じものを、こちらに示唆してしまいます。つまり視聴者の存在を忘れて、身内同士でなめあってなめあう事で終わってしまうというポイントです。それが往々にして見られます。
しかし、この南光さんと、竹内先生のコンビは、ともかく、弟子の南光さんの絵がうまいです。先生の方が気を使う必要がありません。つまり、むやみやたらに褒める必要が無いのです。視聴者だって、ただ単純にみていれば『南光さんの絵がいいね』と、感じますので、言葉で過剰な付け加えをする必要が無いのです。そこがこの番組の一大利点だと思いますが、生徒が一人だと言う、案を練ったディレクターやら、プロデューサーのセンスのよさも光ります。
この番組は一種のレアーもので、視聴率も低いでしょうが、心慰む優良番組です。
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最後になりました。昔、山口華陽さんのアトリエへカメラが入り、その制作風景(特に大作を制作する場合)を映し出しましたが、あれほど
厳粛な画面を見たことは無いというほど、すごいものでした。
バックグラウンド・ミュージックも無かったと思いますし、ナレーションも最少限度に抑えられていたと思います。世間と、世代が変わったので、ああいう番組を作っても、見る人がいないと、NHK内部の人は考えているでしょう。
ですから、アーカイブとしてでも、あれを再放送してくださるとよいですね。日本人の礼儀正しさの最高の見本です。絵を描く際にもかがみこみ、ひざより下にある絵に筆を入れるという肉体的な苦痛など、一切を我慢なさるという姿は神々しいものでした。
(後注1)だちょう倶楽部、三人で登場するお笑いタレントです。私は子供たちがこの家で、テレビを見ていたころに、彼らをよく見かけました。動物園で、本物のだちょうをに対面したときに、ふっと、竹内先生の方だったと思いますが『だちょう倶楽部ではない・・・の、うんうん、の・・・」という言葉がでて、こちらは、上品に笑わせてもらえました。では、2009年10月13日 雨宮 舜(川崎 千恵子)
私自身は、こういう類の絵を描こうと思っていないので、習うという意味で見ているのではないのですが、主人がこういう風に描くのを好きなので、楽しんでみています。それを、一緒に見ていると、とても、楽しい番組であることに気がつきました。
別に笑いが目的の番組ではないんですよ。だけど、楽しいんです。一番笑ったのは、動物園に行ってクロッキーとか、写生をするときに、ダチョウがいた時のことでした。
そのときに、「だちょう倶楽部がなんとか、かんとか、(*後述)」というやり取りが、生徒の南光さんとの間に交わされたのです。詳細は覚えていませんが、生徒の南光さんより、先生のほうにほんわかとしたユーモアを解するすばらしい能力(?)、・・・・・いえ、センスですね・・・・・が、あることに気がつきました。
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竹内先生は、大変絵が上手な方です。動物を描く、すばらしい絵で、『ふと、竹内栖鳳の末裔ではないかなあ。京都だし』と思ったりしました。
ここで、京都だしといっているのは、言葉遣いでそう感じたのです。京都に、住んだことは無いけれど、京都に住んでいる人やら、京都に住んでいた人は、その言葉遣いを変えないからすぐわかるのです。
その後で調べると、京都市立芸大を、2006年に退官(退任?)なさった方だとわかり、なるほど、京都に関係のあった方だと思いました。
ところで、京都画壇(特に京都市立芸大関係)の日本画家の係累は錚々たるものです。まず、竹内栖鳳、西村五雲、山口華陽、竹内浩一と、続くのです。
ただ、それらの間に別の教授が挟まっていた可能性は、ありますが、京都芸大のホーム頁に過去の教授のランが見つからず、ともかく、芸術家の方向から探ると以上のようなことがわかりました。
そして、竹内栖鳳は、班猫の絵で有名だし、山口華陽さんはきつねの絵で有名です。そういう伝統を踏まえて、ここに、竹内浩一さんが、出現し、さまざまな種類の身近なペットでもない動物(たとえば、象を主題にしたりして)、大きなサイズと格の絵を描いている方です。
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上のようなすばらしい伝統を踏まえた上での気さくさがあるのです。決して品が悪いというのではないのですよ。非常に品がよく、おわらいの方の南光さんだって、ほとんど、つっこみとか、をいれないのです。ぼけたりしません。
だけど、番組が、スムーズに進み視聴者としては、気持ちがよいのです。
悪い例で比較をすると、まず、一番すわり心地が悪かったのは、はながサブ司会者であったころの、新日曜美術館でした。メイン司会者とのコンビネーションが悪くて、見ていて参りました。タレントとは個性が強いものですから、一見すると、静かなメイン司会者を起用していますが、人間は外に現れるものだけではないので、佐藤忠良の『帽子の女』のモデルにさえ、なった、メイン司会者は、『おや、おや、』というまなざしで、『はな』を見ていて、本心では、私は我慢をするだけよ』という気持ちをもっていらっしゃるのが、びんびんこちらに伝わってきて、見るのがつらかったのですよ。
もう、ひとつあります。この絵画指導の番組では、普通は、生徒さんが三人程度の有名人が参加します。それも、実は番組作りとしてはよくないのです。先生が三人に気を使うという側面が見えてしまいます。こんな文化的な番組なのに、よくある、失敗しているヴァラィエティ番組が内包している、気恥ずかしさと、同じものを、こちらに示唆してしまいます。つまり視聴者の存在を忘れて、身内同士でなめあってなめあう事で終わってしまうというポイントです。それが往々にして見られます。
しかし、この南光さんと、竹内先生のコンビは、ともかく、弟子の南光さんの絵がうまいです。先生の方が気を使う必要がありません。つまり、むやみやたらに褒める必要が無いのです。視聴者だって、ただ単純にみていれば『南光さんの絵がいいね』と、感じますので、言葉で過剰な付け加えをする必要が無いのです。そこがこの番組の一大利点だと思いますが、生徒が一人だと言う、案を練ったディレクターやら、プロデューサーのセンスのよさも光ります。
この番組は一種のレアーもので、視聴率も低いでしょうが、心慰む優良番組です。
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最後になりました。昔、山口華陽さんのアトリエへカメラが入り、その制作風景(特に大作を制作する場合)を映し出しましたが、あれほど
厳粛な画面を見たことは無いというほど、すごいものでした。
バックグラウンド・ミュージックも無かったと思いますし、ナレーションも最少限度に抑えられていたと思います。世間と、世代が変わったので、ああいう番組を作っても、見る人がいないと、NHK内部の人は考えているでしょう。
ですから、アーカイブとしてでも、あれを再放送してくださるとよいですね。日本人の礼儀正しさの最高の見本です。絵を描く際にもかがみこみ、ひざより下にある絵に筆を入れるという肉体的な苦痛など、一切を我慢なさるという姿は神々しいものでした。
(後注1)だちょう倶楽部、三人で登場するお笑いタレントです。私は子供たちがこの家で、テレビを見ていたころに、彼らをよく見かけました。動物園で、本物のだちょうをに対面したときに、ふっと、竹内先生の方だったと思いますが『だちょう倶楽部ではない・・・の、うんうん、の・・・」という言葉がでて、こちらは、上品に笑わせてもらえました。では、2009年10月13日 雨宮 舜(川崎 千恵子)