紀藤正樹(2017)『マインド・コントロール』アスコム
統一協会が再び問題になったのは、アベ元首相が銃撃され、内閣が国葬を決めてからである。統一協会は下山文科大臣の2015年から、名前を変えて宗教団体として認証され法人格を得たことも、世間から忘れられていた。この本は銃撃以前に書かれ、紀藤弁護士がカルト教団の被害者対応してきた経験から、カルト集団の本質を解説したものである。
今問題となっている国葬の問題、自民党と統一教会の関係(幹部の広告塔、選挙の差配等)、宗教団体の認証には触れていない。さらに、憲法や民主主義、反共主義による日本の未来に関わる問題もある。以下、統一教会の原点となるマインド・コントロールについて、太字で書かれた要点の抜き書きである。( )内は私のコメント。
騙しの手口は金融被害もあり、騙されるのは「自己責任ではないか」と、問題を矮小化する意見も出る。相手が被害者にどのように働きかけたか?破壊的なカルトを繰り返さないために、マインド・コントロールはキーワードである。
統一教会だけで霊感商法の被害額は最大年1兆円あった。統一教会は創価学会に匹敵する金額を集めていた時代がある。統一教会が組織的に詐欺を働いているとして摘発されたことは一度もない。本体にメスを入れなければ、日本から霊感商法を根絶することは難しい。(当初自民党幹事長は「統一教会と関係ない」と言っていたが、世論に押されて自主「点検」した。多数が関与していることが、明らかになった。アベ元首相、細田議長、地方議員の調査がされてない。今後関係を断つと言うが、①宗教団体としての変更認証(2015年下村)の取り消し、②反社会的勢力として設定することが肝要に思う、③さらに、憲法違反の国葬をやめられるかである。ましてや、④改憲発議は許されない。)
カルトの意味はカルチャーで耕すと言う意味である。文化や教養と同じカルチャーと同じ語源である。これが「熱狂的な崇拝、集団」になり、「邪教的な集団」になった。オカルトの「隠されたもの」という意味と違う。カルトの種類は、①対社会妨害攻撃型、②資金獲得型、③家族破壊型、④信者・構成員収奪型、である。統一教会は②の霊感商法である。カルトと思う宗教団体はオウム真理教、統一教会などである。統一教会は、多くの関連企業・団体を有し、「国際勝共」などの政治活動で知られる。
統一教会の家族破壊に会って、子どもが何年も消息不明で悩んでいる親も多い。(今回の山上容疑者の場合は、親が1億円も献金し家庭崩壊した息子である。違憲の国葬する前に、アベ元首相と統一教会の関係は調査解明されるべきである。国葬理由のアベノミクスや俯瞰外交の成果は見つけられない。)
日本には基準となるような背骨の宗教がなく、信教の自由が存在し、カルトを批判することが少ない。提言1、市民活動の支援制度を充実させ、社会的規制を強める。2、心の問題に対処する法的規制を、フランスのように議論する。3、学校で宗教のリスクを学ぶ。4、政府は総合的な対策を講じ、マスコミがチェックする。などである。
(選挙と宗教の関わり、政治献金、政策への関りも、もっと究明されるべきであろう。)
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