しあわせになるために。
本作を語るときに比較の俎上に上げられるのは、やはり「キックアス」だろう。
同じなりきりヒーローを描いた両作品。ブラックな笑いが散りばめられているところも近いといえば近い。
しかしこの2本には決定的な違いがある。
力の弱いなりきりヒーローは存在が滑稽。みすぼらしい手作り感満載の衣装が情けなさに追い討ちをかける。
しかし、本作のクリムゾンボルトは残念ながらそれだけで笑うことはできない。いや、むしろその哀れさが悲しい。
フランクは、生きてきた中でよかったと振り返られる場面が2つしかないと言う。
自分の未熟さに自信がないのではない。これまでの過去を含めて、人生のすべてに希望が持てないのである。
出て行った妻の代わりにとペットショップでうさぎを見るものの、自分に飼われること自体がかわいそうだとまで思ってしまう。
人は幸せに期待し過ぎると彼は言う。あまりに縁が遠過ぎて忘れてしまった幸せの探し方。
そう、彼は何かを求めてヒーローになったのではなく、どうすることもできなくなった故にヒーローになってしまったのだ。
ひととおり事が済んだ後のフランクの部屋。部屋の光景がこの夢物語の意味を総括している。
悲しいフランクの湿っぽさを消し去るように周りのキャストは賑やかだ。
大作出演を経ても垢抜けなさが残るE.ペイジは、まず彼女にしかできないであろう役を好演。
これまたなかなか右に出る者のいない小悪党はK.ベーコン、不健康かつ退廃的な魅力を放つL.タイラーも久しぶりでよかった。
(70点)
本作を語るときに比較の俎上に上げられるのは、やはり「キックアス」だろう。
同じなりきりヒーローを描いた両作品。ブラックな笑いが散りばめられているところも近いといえば近い。
しかしこの2本には決定的な違いがある。
力の弱いなりきりヒーローは存在が滑稽。みすぼらしい手作り感満載の衣装が情けなさに追い討ちをかける。
しかし、本作のクリムゾンボルトは残念ながらそれだけで笑うことはできない。いや、むしろその哀れさが悲しい。
フランクは、生きてきた中でよかったと振り返られる場面が2つしかないと言う。
自分の未熟さに自信がないのではない。これまでの過去を含めて、人生のすべてに希望が持てないのである。
出て行った妻の代わりにとペットショップでうさぎを見るものの、自分に飼われること自体がかわいそうだとまで思ってしまう。
人は幸せに期待し過ぎると彼は言う。あまりに縁が遠過ぎて忘れてしまった幸せの探し方。
そう、彼は何かを求めてヒーローになったのではなく、どうすることもできなくなった故にヒーローになってしまったのだ。
ひととおり事が済んだ後のフランクの部屋。部屋の光景がこの夢物語の意味を総括している。
悲しいフランクの湿っぽさを消し去るように周りのキャストは賑やかだ。
大作出演を経ても垢抜けなさが残るE.ペイジは、まず彼女にしかできないであろう役を好演。
これまたなかなか右に出る者のいない小悪党はK.ベーコン、不健康かつ退廃的な魅力を放つL.タイラーも久しぶりでよかった。
(70点)
お久し振りですね★
シアターNきましたか!
ホラーばかりやってる所なので一番よくいく劇場かも、、、(笑)
これ、キャストいいですよね~
エレンペイジもはじけて、ケヴィンも楽しんで演じてる感じ。
キックアスが大ヒットしたしあちらも好きですが
好みでいうとこちらかなー
やっぱりケヴィンの小悪党が素敵だからかな
中年の物悲しさがあるラストも好きです。
ひと月ぶりくらいで映画館へ行きました。
仕事など他に優先するものが多かったのもありますが、
実際あまり観たい作品がなかったんですよね。
ただ、これはmigさんが推薦されていたこともあり、時間を作りました。
男性1,000円の日と女性1,000円の日だと
ひょっとして館内の雰囲気も違うのかなと思いながら観てました。
結構好き勝手やってるのに物悲しいというのは珍しいです。
壁いっぱいになった思い出を眺め、
うさぎを静かに抱いているフランクにはちょっとうるっと来ました。
本当に寂しくて悲しいヒーローでした。
あまりにもネガティブすぎて、、、。
少しでも希望が持てたら、フランク自身も
もっと明るく生きれたのでしょうが。
やはり気持ちの持ち様一つで人生は変えられる
とつくづく実感。
エレン・ペイジ演じるリビーの破天荒さがフランクの悲しみを倍増しているように感じました。
心がネガティブなら、行動も陰湿というヒーローでした。
最後にウサギを飼ったのは、ささやかなハッピーエンドなのですが、
あれだけもがいた挙げ句の見返りとしては、やはり悲しいです。
リビーはその点、ぱーっと騒いでさっと退場してしまいましたから、
ある意味フランクとは対照的で、
相対的に悲しみが倍増という感覚はよく分かります。