それは自分にとって極めて大きい何か。
9.11から10年が過ぎた。
しかしそれはあくまで数字でしかなく、実際に感じる時間の長さや濃さは人によって大きく異なる。
特に精神的に大きな傷を受けた人たちは、時間が最大の薬であるとは分かっても、傷が癒えるまでどのくらいの時間が必要なのかは分からない。
太陽がなくなるとき、それから8分は地球に太陽の光と熱は届き続けるという。主人公・オリバーは、最愛の父を失った直後の「8分」を生きていた。
やがて来る完全な喪失を恐れ、彼は、父の部屋に遺された1本の鍵をテーマに調査研究を始める。
おおよそ見つかる当てのない作業でありながら、その細い糸こそが彼が生きている証であった。
一方で、調査に打ち込むほど、それ自体が父と密接に結び付いて悲しみが癒えないという皮肉。これは父とよく遊んだ矛盾言葉あそびそのもの。
とてつもなく大きな存在の喪失。事故や事件や災害は人に簡単には埋まらない穴を開ける。そして誰もがそれぞれの環境の中で様々な経験を経て今の立ち位置にいる。オリバーは、調査研究で知らない人たちに触れる度にそれを学ぶ。
そしてある日、調査に突然終わりが訪れる。
安易な奇跡は勘弁してほしいと思ったが、際立ったのは寧ろ逃れられない現実だった。ある人の穴が少し塞がる代わりに、自分にとっての「8分」が終わったのだ。
それでなくとも時々心が折れかけては初対面の人に心境を吐露していたオリバーは行き場所を失い自暴自棄に。そこで手を差し伸べた人物とは・・・。
明らかに見える心の傷を背負いながらも動き続けるオリバー。観ている側は、彼を見守り続けなければという気持ちが常に張り詰めて、片時も展開から目を離せなかった。
母や祖母をはじめ、映画の中の人物の多くも同じ気持ちを持っていて、それが伝わってくる度に心が温かくなった。
ただ本作の重要な点は、思いだけでどうにかなる問題ではないということを明確に描いていることである。
それを最も体現していたのが「間借り人」だろう。彼が現れたときは父親の穴を埋める救世主になるのかと思いかけたが、彼自身傷を負った一人の人間でもあり、道半ばにしてオリバーの元を離れていった。
母も祖母も、そしておそらく父も、みんな決して万能ではない。支えたり、寄り添ったり、委ねたりを繰り返しながら、結局は自分の足で歩かなければならないということを自然に伝えているのだ。
必要以上にきれいごとにしない姿勢に好感が持てる作品だった。
(90点)
9.11から10年が過ぎた。
しかしそれはあくまで数字でしかなく、実際に感じる時間の長さや濃さは人によって大きく異なる。
特に精神的に大きな傷を受けた人たちは、時間が最大の薬であるとは分かっても、傷が癒えるまでどのくらいの時間が必要なのかは分からない。
太陽がなくなるとき、それから8分は地球に太陽の光と熱は届き続けるという。主人公・オリバーは、最愛の父を失った直後の「8分」を生きていた。
やがて来る完全な喪失を恐れ、彼は、父の部屋に遺された1本の鍵をテーマに調査研究を始める。
おおよそ見つかる当てのない作業でありながら、その細い糸こそが彼が生きている証であった。
一方で、調査に打ち込むほど、それ自体が父と密接に結び付いて悲しみが癒えないという皮肉。これは父とよく遊んだ矛盾言葉あそびそのもの。
とてつもなく大きな存在の喪失。事故や事件や災害は人に簡単には埋まらない穴を開ける。そして誰もがそれぞれの環境の中で様々な経験を経て今の立ち位置にいる。オリバーは、調査研究で知らない人たちに触れる度にそれを学ぶ。
そしてある日、調査に突然終わりが訪れる。
安易な奇跡は勘弁してほしいと思ったが、際立ったのは寧ろ逃れられない現実だった。ある人の穴が少し塞がる代わりに、自分にとっての「8分」が終わったのだ。
それでなくとも時々心が折れかけては初対面の人に心境を吐露していたオリバーは行き場所を失い自暴自棄に。そこで手を差し伸べた人物とは・・・。
明らかに見える心の傷を背負いながらも動き続けるオリバー。観ている側は、彼を見守り続けなければという気持ちが常に張り詰めて、片時も展開から目を離せなかった。
母や祖母をはじめ、映画の中の人物の多くも同じ気持ちを持っていて、それが伝わってくる度に心が温かくなった。
ただ本作の重要な点は、思いだけでどうにかなる問題ではないということを明確に描いていることである。
それを最も体現していたのが「間借り人」だろう。彼が現れたときは父親の穴を埋める救世主になるのかと思いかけたが、彼自身傷を負った一人の人間でもあり、道半ばにしてオリバーの元を離れていった。
母も祖母も、そしておそらく父も、みんな決して万能ではない。支えたり、寄り添ったり、委ねたりを繰り返しながら、結局は自分の足で歩かなければならないということを自然に伝えているのだ。
必要以上にきれいごとにしない姿勢に好感が持てる作品だった。
(90点)
突然愛する人を失った少年の再生の物語と言えば、
当然わが国では3.11を思い起こすのですが、
私は敢えて本文では触れませんでした。
というのも、メディアはどうやら明日一日中1周年の特集番組を編成するようですが、
個人的にこの件に関しまだ整理がつけられていないからです。
整理どころかまだ災害は様々に形を変えて進行中と言わざるを得ません。
活気を取り戻した仙台市中心部から車を小一時間走らせればそこには、
復興の絵姿が描けず、復旧の一歩を踏み出せない地域がまだあります。
パピママさんがおっしゃるように、
心の傷を抱えながらも懸命に日々を生きている人たちもいるはずです。
整理も必要ですが、それよりも常に被災地を思い
見守り続けていくことこそが大切ではないかと感じています。
病気の知識はほとんど持っていないのですが、
知能が発達していたり、細やかな神経を持っていたりする方が
難しい病に陥りやすいという印象はあります。
そうした意味で、本作の父親は非常に丁寧に子供に接していたと思うし、
そんな父親を突然失ったオリバーの混乱と喪失感はどれほどのものか、
とても想像がつくものではありません。
T.ホーン少年自身はどのような子なんでしょうね。
今後も俳優を続けるのであれば、注意深く見守っていきたいと思います。
昨年もそうでしたが、3月に入って雪の降る日が続き、寒いしで外へ出るのが億劫になりますね。
この作品は、10年前の9・11でのテロによる人災をテーマにして、その災害で亡くなられた家族の心の痛みを描いています。
日本では天災でしたが、それでもたくさんの人の命を奪い、亡くなった人達の遺族の心の傷は、本当に何年経っても人によって癒えることはないと思います。
オリバー少年のような子供も、被災者の中にはきっといるはず、周りの大人たちが気配りをして一歩づつ前進していけるよう見守って行きたいものですね。
それから、ブックマーク直していただいてありがとうございます。
本当にこの子ありきの作品でしたね。
何でも天才少年だとか(クイズ番組等)
監督さんも目のつけどころが凄いもんです。
とはいえ新人さんですから、かなりの特訓を
受けたようです。
アスペルガー症候群は知的障害をともあわない
自閉症の方なんですが、これも一口では語れないくらい難しい病気です。
かなり知能的には優れた方に多いのです。
私の身近にも何人かおられます。
タンバリンを鳴らしたら、乗り物がダメだと
映画の中でもそういう場面がありましたが。
まさに一つのこだわりや執着なんかもこの
病気の特徴かと言えますね。
Twitterはこれから、ですね。
Facebookもそうですが、身近な人がやっていないと
登録しても続かないと思うので、ぼちぼち始めます。
無理やり作品に結び付けますが、
10年前はTwitterもなければ、ケータイも相当古かったですね。
私は当時外国にいましたが、わが国の端末がいかに進んでいるか
知人に説明していた記憶があります。
クラムさんFacebookのメッセージこの間やっとみました。ありがとうございます
あちらはめったにみないんです、一応お返ししましたが
Twitterされているとのこと、そちらをフォロー下さればリフォローします、
そのときコメントもらえないとどれがクラムさんかわからないのでお願いしますね★