宇宙ではあなたの叫び声は誰にも聞こえない。
初めて目にするものに勝るものはなかなかない。
宇宙空間そのものの恐怖を真正面から見据えて作った作品。新鮮な驚きに満ち溢れている。
タイトルバックの轟音から突然無音へと変わる場面に象徴されるように、とにかくそこにはモノがない。
空気がない、音がない。いや、そもそもそこには何も存在しない。
その中で黙々と作業を続ける宇宙飛行士たち。彼らの背後にぽっかりと浮かぶ大きな青い地球。
肉眼で見ることはおそらくない、けれども想像の限りにおいても比類なき姿に圧倒される。
美しさの理由は、もちろん視界を遮るもののない真空の世界にある。美しさと過酷さが表裏一体の空間で突如発生する事故。
頼みの綱であったヒューストンとの交信も途絶え、酸素が残る限られた空間を継いで地球へ生還する唯一の鍵は、自分の知識と生き延びようとする希望だけとなる。
話の軸は単純だが、主人公にかつて娘を失った女性飛行士を配しているところが妙味である。
本来であれば生きていく希望そのものである子供を亡くした彼女が、それでも地球への生還を誓う姿に感動する。何のために生きるかの前に、生きていくから人間なのだ。
話の前半で彼女をサポートする、G.クルーニー演じるベテラン飛行士がまた切ない。
後半の登場シーンでは一瞬うれしい気持ちにさせられるが、その後はよりいっそうの切なさに襲われる。
中国製宇宙船はちょっと都合の良い罰ゲーム風にも見えるものの、ああでもしなければ帰れない、とにかく究極の世界観を強く見せ付けられた。
(90点)
初めて目にするものに勝るものはなかなかない。
宇宙空間そのものの恐怖を真正面から見据えて作った作品。新鮮な驚きに満ち溢れている。
タイトルバックの轟音から突然無音へと変わる場面に象徴されるように、とにかくそこにはモノがない。
空気がない、音がない。いや、そもそもそこには何も存在しない。
その中で黙々と作業を続ける宇宙飛行士たち。彼らの背後にぽっかりと浮かぶ大きな青い地球。
肉眼で見ることはおそらくない、けれども想像の限りにおいても比類なき姿に圧倒される。
美しさの理由は、もちろん視界を遮るもののない真空の世界にある。美しさと過酷さが表裏一体の空間で突如発生する事故。
頼みの綱であったヒューストンとの交信も途絶え、酸素が残る限られた空間を継いで地球へ生還する唯一の鍵は、自分の知識と生き延びようとする希望だけとなる。
話の軸は単純だが、主人公にかつて娘を失った女性飛行士を配しているところが妙味である。
本来であれば生きていく希望そのものである子供を亡くした彼女が、それでも地球への生還を誓う姿に感動する。何のために生きるかの前に、生きていくから人間なのだ。
話の前半で彼女をサポートする、G.クルーニー演じるベテラン飛行士がまた切ない。
後半の登場シーンでは一瞬うれしい気持ちにさせられるが、その後はよりいっそうの切なさに襲われる。
中国製宇宙船はちょっと都合の良い罰ゲーム風にも見えるものの、ああでもしなければ帰れない、とにかく究極の世界観を強く見せ付けられた。
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