「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

「辺野古」明記

2010年05月28日 | 非戦・平和・社会
 今日、辺野古への移設を明記した日米共同声明と政府方針の閣議決定が発表されて、署名を拒否した福島党首が罷免された。当然のことながら、沖縄では「県民に対する裏切り」と、怒りが広がっている。

 保坂さんのお話の一つのポイントは、この問題はよく「普天間基地の移設問題」と言われるけれども、実は単なる移設ではなく、新たに軍港、弾薬庫、オスプレイ(垂直離発着両用機)の配備、訓練場という四つのものが加わる、まさに新基地建設問題なのだということだった。しかも、実は44年前に同じ場所に海軍の基地建設の計画があって、滑走路と軍港を造るという設計図もあったそうで、つまりもともと造りたかったのだけれども、当時は経済的な理由で断念していたものが、今度は日本の費用でできるというのだから、アメリカにしてみれば、ベストであることは当然の話だ。
 一方、沖縄では、米軍基地の74%が集中する中で、米軍絡みの事件も年間1000件以上も起きているという(日本全体では1700件)。さらに新たな基地負担は受け入れ難いと思うのも当然の話で、実際、辺野古の新基地は強い抵抗運動によって13年間できなかった。今回だって辺野古と明記したからといって、これだけ沖縄の中で超党派で反対の意識が高まっている中で、稲嶺名護市長も「実現可能性はゼロだ」と否定している。
 今日の福島さんの会見にもあるように、地元の賛成がなく、反対の中で強行することは、結果的に日米関係も破壊することにつながる。毅然として筋を通した福島さんに敬意を表したい。




保坂さんの講演会・大鹿①

2010年05月27日 | 非戦・平和・社会
 昨日の保坂のぶとさんの講演会が無事終わった。ありがたいことに、Ustreamで中継していただいた動画がそのまま保存されているので、「昨日行きたかったけど、行けなかった」「時間を間違えた」などと連絡をいただいた方に、URLをお教えして見ていただくこともできた(こちらで見られます)。
 大鹿村では、せっかくここまで来ていただけるなら、ぜひリニア新幹線の調査ボーリングが行われた釜沢を見ていただきたいとお願いして、視察していただいた。ちょうどそのころ村内では、南アルプス世界自然遺産登録長野県連絡協議会の総会と南アルプスシンポジウムが開かれていて、地質に詳しい人に説明していただくことはできなかったけれども、とにかくあちこち山ががらがらと崩れている現場を実際に見ていただきたかった。
 その後、村内で行われた懇談会は、時間は1時間強と短かったけれども、沖縄の基地問題と公共事業についてお話ししていただいた後、原発やリニア、食料自給率・農業の問題など、飯田会場とは少し違った質問が出た。
 原発についても、社民党は原発は徐々に減らして自然エネルギーに転換していくという考え方だけれども、連立政権では例の温暖化対策基本法だかでこれまでの自民党政権時代以上に原発推進を打ち出してしまった。先月発表された経産省の基本エネルギー政策の見直し案では、何と2020年までに9基、2030年までに14基の新設、設備稼働率も現在の60%を85%、90%に高めるなどという、ほとんど非現実的とも思われるめちゃくちゃな数字が上がっていて、自分自身、非常に危惧を抱いていたところだった。保坂さんは、原子力の問題について、連立政権の中で非常に悪くなったところという言い方をされていた。
 取りあえず、全体をざっと文字起こしただけのものをこちらにアップしておいた。


いよいよ明日

2010年05月25日 | 非戦・平和・社会
 今月初めころご案内した保坂のぶとさんの講演会がいよいよ明日になった。普天間基地の移設問題は、先日、鳩山さんが2度目の沖縄訪問で「辺野古付近にお願いせざるを得ない」と表明したことで、社民党では連立離脱論も出てきて、今日は福島さんが沖縄に行って、仲井間知事らと会談するなど、本当に緊迫した状況となってしまった。どんなお話が聞けるのか、どんな集まりになるのか、今からどきどきしている。
 ぜひ多くの皆さまのお越しをお待ちしています。
 あと、明日はなんと、Ustream中継も予定されています。てくてくさんのブログにアクセス先等が紹介されているので、こちらをご覧ください。

声でわかる山野の鳥

2010年05月20日 | 田舎暮らし
 昨年双眼鏡を買ってから、時々窓から横着バードウォッチングを楽しんでいるけれども、近くまでやってくる鳥の姿はよく見えても、林の中にいる鳥の姿は素人にはなかなか見つけられるものではない。ナナオの詩でも「耳に鳥」。以前、200種類以上の鳥の鳴き声が分かるという三宮麻由子さんの話をお聞きしたことも、とても上手な鳴きまねとともに印象に残っていて、鳥の声がもっと聞き分けられるようになりたいという思いはずっと持っていた。ネットでも鳥の声は結構聞けるのだけど、すぐ忘れてしまう。先日は時々拝見している村の旅館の若だんなさんのブログでセンダイムシクイとエゾムシクイとメボソムシクイの鳴き声の違いを書かれていて、聞きなしが人それぞれで本当に面白いなと思って、その勢いで野鳥の会の「CD声でわかる山野の鳥」を注文してしまった。今日、それがようやく手元に届いて、早速仕事の合間に聞いてみている。さえずりの有名なもの、分かりやすいものは多少は知っているけど、似たものはよく区別がつかないし、まして地鳴きは全然分からない。とりあえずここに収録されている中で、うちの周囲で聞くことができる鳥だけでもちゃんと区別して特定できるようになったら、山歩きでも何でも、楽しみが何倍にも増えそうだ。
 写真は今日の夕焼け。久しぶりにきれいな夕焼けだなと思って、夕ご飯の支度をしながら、フライパンの火を弱めて、慌ててデジカメを持って2階に駆け上がる。雲が上がってきたり、刻々とその表情を変えていく。何枚か撮って、階下に降りたら、つれあいがお肉がこげるのではないかと心配して、フライパンを持って立っていた。

新緑~芽吹き

2010年05月13日 | 山の風景
 この寒波で北信の方では雪が降ったところもあったようだけど、こちらは朝の気温が2度で、うっすら霜が降りる。今日はようやく刷り上がった講演会のチラシを持って村内を回る。もっとも、農協の水稲苗配布が来週なので、あちこちで田んぼの準備をしていて、留守宅のポストに入れてくるだけのところも多かったけれど、話ができたところはそれなりに手応えがあった。
 木々の芽吹きから薄緑色~若緑色~新緑へ、標高の低い所から高い所へと日々変化していくこの季節は、本当に清々しいエネルギーに満ちていて、1年で一番好きな季節。しかも、今日は空も青く澄んでとてもよい天気なので、人に会うだけでなくて、ついでにもうちょっと足を伸ばしてきた。

 沢井から南アルプス方面を望む。この稜線はだいぶ雪も解けている。


 逆さ銀杏はちょうど芽吹き始め。


 大池。 


 そして、黒川牧場まで初めて行ってみた(広い村内、いまだ行ったことがないところは多々ある)。ここはちょうど道沿いに鹿捕獲用のネットフェンスが張られていて、フォトコンテストにあったような写真は今は撮れないよと聞いていた。でも、小さなコンデジなので、何とかフェンスの間から撮ってみた。黒川牧場の少し手前から未鋪裝路になって、落石もごろごろしていたので、今日は牧場の入り口までで引き返す。


 黒川牧場まで行ったという話をしたら、牛を飼っている方から草の様子はどうだったかと聞かれた。まだまだ草は伸びていないし、全体として冬の枯野原に近い印象だったのだけど、後からこうして写真を見ると、結構緑色のところがあるなと思って意外だった。木々の芽吹きや遠くの山に気を取られて、足元を見ていなかったのかなとも思ったけれど、ふと気付いた。この写真はフェンスの中なので鹿に食べられていないせいだろうと思う。下は2年前に向山牧場で5月4日に撮った写真。フェンスの中と外で草の色が全然違う。牧草が鹿に食べられてしまって、なかなか伸びないので、牛を牧場に上げる時期も以前よりだいぶ遅くなってしまっているみたいだ。

景観条例

2010年05月10日 | 田舎暮らし
 うちの村は「日本で最も美しい村」連合に2005年の発足当初から参加しているけれども、その当時、連合の加盟条件として景観条例があることが必須だということで、「森と環境を考える委員会」の中で景観条例の原案作りをしていると、村の議員さんのブログに書かれていた。しかし、その後、条例が議会にかかったという話もいっこうに聞かないまま数年の時が流れ、美しい村連合の加盟自治体もどんどん増え、どうやら景観条例は必須ではなくなったんだなと思って、ほとんど忘れかけていたら、この冬に行われた自治会懇談会で景観条例を作りますという説明があった。何か建築物を造る際には届け出が必要になるので、ご理解いただきたいといった趣旨の説明だったように記憶している。これから策定委員会を設けて検討していくという話も出た。村の美しい自然景観をぶち壊してしまうような開発事業に村として規制をかけられる条例なら、ぜひ定めてほしいし、条例制定の議論にも参加したいなと思ったので、先月、無線で委員の募集を聞いて応募していた。そのときの話では2名の枠に対して4名の応募があるから抽選とのことだった。
 その後しばらく何の連絡もなく、どうなったのかなと思っていたら、先日通知が来て、今日抽選を行うということで、ほかに誰が応募しているのかなと興味津々、まあ、外れたらしょうがないと思いながら出掛けたら、定刻になっても私を含めて2人しかいない。1人は時間を勘違いしていた、2人は連絡がつかないということでしばらく待っていたけど、なかなか現れないので、私たち2人は抽選なしで委員になることが決定。帰るときに、時間を勘違いしていたという人が慌てて来るところだったけど、あとの2人はどういう事情だったのか謎。
 それはともかくとして、そういうわけで景観条例策定委員というのになった。自分で応募してなったからには、他地域の景観条例もしっかり勉強して、よりよい条例ができるように頑張らなくては。
 

保坂のぶとさんの講演会(決定版)

2010年05月07日 | 非戦・平和・社会
保坂さんの講演会の概要が決定しました。

保坂のぶと講演会
「政権交代、建て直し!
子ども・いのち~普天間をつなぐもの」


日時 5月26日(水)夜7時~
場所 飯田勤労者福祉センター(さんとぴあ)音楽室
参加費 500円

また、午後4時15分より大鹿村公民館鹿塩地区館でも短時間の集まりを予定しています。
夜には出られないけれど、日中ならという方は、ぜひ大鹿村の方にお越しください。
お問い合わせはブログの左サイドメニューの下にある「メッセージを送る」から
お願いします。

当日のチラシ(PDFファイル)はこちらです。

保坂展人さんの講演会

2010年05月05日 | 非戦・平和・社会
 このブログの中でも何度か紹介している社民党の保坂展人さん、昨年の衆院選で11万票を獲得しながら議席獲得に至らず、非常に残念だと思っていたら、今度の夏の参院選で比例代表で立候補されるとのこと。参院選の比例代表は衆院選と違って全国区なので、これから全国行脚をなさるということをブログに書かれていた。それだったら今度は直接応援できるので、何とか飯田・下伊那方面にも来ていただくことができないかなと思って打診したところ、5月26日(水)に来ていただけることになった。

 昨日の鳩山首相の沖縄での発言は本当に残念でならないけれども、当然、沖縄の人たちが納得するわけもない。ただ、鳩山政権がこれまで「県外移設」を掲げて決着がつかずにきたことによって、「迷走」という批判もあるけれども、むしろ今まで沖縄の基地問題に全く無関心だった人にも目を向けさせ、考えさせることにはなっていると思う。保坂さんは沖縄に何度も通われていて、先日の県民大会にも参加しているので、まずは今一番ホットな沖縄の基地問題をどう考えたらいいのかというお話をしていただきたいと考えている。
 併せて、保坂さんは内申書裁判の原告として16年間裁判を戦い、衆議院議員になる前は教育ジャーナリストとして活躍された方なので(『いじめの光景』など、多数の著作がある)、原点である教育問題について、「子どもの活力」を取り戻す教育、「やりなおしのきく教育システム」ということを言っておられるので、そうした話もぜひしてもらいたいと考えている。

 何せ日ごろは在宅ワークの引きこもり生活をしていて、友達の企画する集会に出掛けていくことはあっても、自分が企画するのは初めてなので、どういう形の集まりにするか、このところ連日のようにいろいろな人と相談してきた。何せ保坂さんは国会では質問王と呼ばれるほど、さまざまな問題を追及されていて、チャイルドラインの開設や児童虐待防止法の実現など教育や子どもの問題で活躍されているほか、自らも社会の底辺でさまざまな仕事をしながら独学でジャーナリストになった、いわばフリーター出身の方なので、雇用や社会保障の再構築、差別、格差、貧困の問題に取り組まれたり、公共事業チェック議員の会や死刑廃止議員連盟の事務局長としても活躍されていたり、最近では「非実在青少年」という言葉で話題になった表現規制の問題にも取り組まれたりしている。短い時間の中で、この地域の人たちに何をテーマに語ってもらうのが一番いいのだろうと悩んだ。
 まだチラシもできていないし途中経過なのだけど、5月26日(水)7時から、飯田市勤労者福祉センター、テーマは沖縄+教育というところまでは決まった。夜に飯田に出掛けられない人のために、短時間でも、大鹿でも集まりを持てればと思っているけど、そちらの具体的なことは未定。また決まったら載せます。
 

鹿と生物多様性

2010年05月03日 | 田舎暮らし

冬の猟期の間はあまり頻繁に姿を見せなかった鹿が、猟期が終わると途端にすごく増えて、家の周囲にも平然と出没するようになる。夜など、子どもを迎えにいこうと思って玄関のドアを開けた途端に、車のすぐそばから鹿たちが逃げていくこともしょっちゅうだし、下のバス停に行くまでの間に2~3カ所で鹿の集団に会ったりする。昨夜は電柵のスイッチを入れ忘れて寝てしまったら、朝、畑の周囲に鹿がいて、慌てて外に出てみたら、数日前に植えてばかりのキャベツとレタスをかなり食べられてしまった。
 鹿が増えすぎたことによる害は畑ばかりでなく、家の周囲でも植生が随分変化していて、鹿の嫌う植物ばかり目立つようになり、南アルプスの貴重な高山植物まで食われてしまって、お花畑が悲惨な状態になっているし、草のあまりない時期には、このように木の皮をはいで食べてしまう。これはつい最近のしわざで、今年は葉っぱが出てきたけど、これだけ皮がはげてしまうと、じきに枯れてしまうのではないかと思う。よく山で木の幹にテープがぐるぐる巻いてあるのも、みんな鹿の食害を防ぐためだ。

 先日、歯医者の待合室で見たナショナルジオグラフィック3月号の「オオカミとの戦い」は非常に興味深い記事だった。鹿が増えすぎているのは、鹿を食べる肉食動物がいなくなってしまったせいで、アメリカのイエローストーン国立公園では狼を再度導入するプロジェクトによって、生態系が見事に復活してきているのだそうだ。「彼ら(エルクなど)が越冬していたお気に入りの餌場では木々が丸裸になるまで食いつくされていたが、動物たちが長居しなくなると、猛烈な勢いで若木が育ち始めた。緑豊かな森に小鳥がやってきて巣作りをし、ポプラやヤナギ属の木々が川岸に根を張って土壌が安定した。木々から水中に落ちた昆虫は魚や両生類の格好の餌となり、木の枝を目当てにやってきたビーバーがコロニー建設に励む。(中略)たった1種類の捕食動物が引き起こす環境バランスの変化は、土壌中の微生物にまで及ぶのだ」。そうはいっても、もしオオカミが山にいたとしたら、それはそれでやっぱり怖い。

寒かった4月

2010年05月01日 | 田舎暮らし
太陽恋しい春 県内4月の日照時間は平年の7~8割 (4/30信毎)
本当に天候不順の春で、一昨日も飲み会で「今年は農家は大変だな」と話題になる。私も3日ほど前にようやくジャガイモを植えたり、幾つか種まきや定植をした。そのとき種苗屋に見当たらなかったネギ苗が昨日は置いてあったので、それも買ってきて植える。食べる方のネギも高いらしいけど、苗も高くて、一束800円とか、1000円という値段が付いていた。安い年は400円でもっと本数も多いのに。うんと細い苗も全部丁寧に植える。本当に、雨にも負けず、夏の寒さにも負けず、虫にも負けず、動物にもやられず、無事収穫にまでこぎつけて、食卓に上ってほしいものだ。
 先日、果樹の花の雌しべが凍ると受粉しにくくなると書いたけど、ふりだし塾の友達が「ハチ異変」と題して、ハチが少ないと書いていた。果樹の花が咲くと、例年はウヮンウヮン羽音がうるさいほどなのに、今年は少ないそうだ。これを読んで、うちのスモモの花の下に行ってみたら、やっぱり少ない。ミツバチの激減と関係あるのか、単に寒いせいなのか。どちらにしても受粉しにくくなってしまう。
 日照時間が少ないということで太陽光発電の発電量にも当然影響する。今年になってからの発電量は、1月297kWh、2月212kWh、3月352kWh、4月435kWh。2月は例の停電をもたらした雪がパネルの上で1週間ぐらい解けなかったので、がくんと少なかった。3月、4月と増えてはきているものの、平年並みの日照時間ならもっと発電したはずなのだろう(まだ導入後1年たっていないので、前年との比較はできない)。
 例年、連休のころは山菜シーズンでもあるけど、今年はうちの周りはまだちょっと早い。恒例の山菜パーティーは4日の予定。3日からまた暖かくなるそうなので、伸びてくるかどうか。以前にも、山菜パーティーの時期にまだタラの芽などが全然伸びていなかったことはあったけど、やっぱりウコギ科の山菜が少ないと、ちょっと寂しい。
 ちなみに、小渋線まで下ると、こんなに緑が芽吹いている。