「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア連絡協議会など

2017年07月01日 | リニア新幹線
 火曜日に3回目のリニア連絡協議会が開かれた。対策委員会から連絡協議会になって、自治会長全員が加わって大所帯になったものの、活発に意見や質問をする人が少なくなってしまった。今回は年度がかわり自治会長さんも交代して、初めて連絡協議会に出席された方も多かったと思うが、意見交換で発言したのは私も含めて3人だけだった。JR東海側の工事の説明も、進捗状況や工事車両の台数、あとは影響対策として従事者への講習・指導とか、タイヤ洗浄とか、説明会の時から言ってる一般的なことばかり。住民側がよほどしっかりしないと、設置要綱に書かれている「連絡調整」すらままならないのではないかと心許ない。
 今回、保育所付近で行った環境測定の結果が示されたのだけど、パワーポイントで示しただけで、紙の資料からは省かれていた。もっとあきれたのは、27日の夜にリニア連絡協議会が行われ、29日に28年度における環境調査の結果等が公表されたのに、そのことについて一言もなかった。連絡協議会の連絡調整事項の一番目が「リニア工事に関わる事後調査、モニタリング調査などの情報の共有」となっているのにもかかわらず。
 会議の中身がほとんどないから新聞の扱いも小さい。信毎では亀裂が見つかった三正坊橋の件が「JR修繕へ調整急ぐ」と出ていたけど、これだってJRからの最初の説明にはなく、質問して初めて出てきた内容。

 環境測定の結果については、ただ数字だけ示されても普通の人には分からない。工事前のデータとの比較が重要。今回、二酸化窒素と浮遊粒子状物質、騒音、振動の測定結果が示されたけど、二酸化窒素は期間平均値0.002、浮遊粒子状物質の期間平均値は0.014だった。ちなみに評価書の工事前の調査結果では下市場で0.002、0.014なので、工事車両が何十台か増えたといっても、少なくともこれらの数字には差は出ていない。振動は振動計の下限値25dB未満ということで差は分からない。騒音については、昼間は62dBで差がないが、夜間が50dBだったものが55dBになっている。午後10時から翌日午前6時までの間に昼間通れない特殊大型車両が通ったのか? このときも、幹線道路の近傍の基準(昼間70dB)を下回るという言い方をしていた。準備書で70dBが基準値と記載されていたときから、村としても、いくら国道だからといってもここに幹線道路の基準を当てはめるのはいかがなものかという意見を言い続けているのに、相変わらず。
 また、昨年度、小学校入り口で実施された長野県の移動コンテナ局による大気測定結果についても速報値が出たと報告があった。これも協議会の場では数値は示されず、役場のリニア対策室で閲覧できるということだったので、見に行ったけれど、本当に細かい生データだったので、どこをどう見ればよいのか分からず、改めて項目を絞って見に行こうと思っている。一昨年小学校校庭付近で実施された「あおぞら号」による測定については確定値が出ている(村ホームページに載っている)。こちらは二酸化窒素では平均値で0.000、浮遊粒子状物質で0.013といった数字。

 29日に公表された環境調査の結果については、28年度は工事が始まったといっても、まだ準備工事や関連工事の段階なので、工事の影響として「確認されたものはない」ということのようだ。移植した植物ではシカの食害に遭ったものもあるようだけど、すべて開花と結実を確認したとのこと。猛禽類のコンディショニングの実施状況についても記載されている。「実施後の定点観察の調査においても、飛翔が引き続き確認されている」とあるけど、その後はどうなのかな。
 この環境調査の結果については、山梨県版で早川町の発生土仮置き場の観測井戸で基準超えのフッ素が検出されたことが記載されている(参考資料5)。発生土の搬入を見合わせて要因分析を実施したところ、工事の影響の可能性は低いということから、地元住民への説明会を開催して搬入再開への理解を得たと書かれている。きちんと「丁寧な説明」が行われたのか気になるところ。