「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

「リニア工事情報かわら版」ほか

2015年02月27日 | リニア新幹線
 水平ボーリング調査が行われている釜沢地区からリニア情報の発信が始まった。南アルプスに向かって掘るトンネルの掘削口になる場所で、事業説明会で示されたスケジュール表によれば今年の秋にも着工といわれており、長野県内では最初に着工となる可能性が高いところ。南アルプスのふもとで今どういうことが行われているか、JR東海とどんなやりとりをしているかなど、他の地域の人にも参考になればとのこと。近くブログ版も作るそうだ。


 24日にリニア対策委員会があったが、JR東海も出席して「非公開」となったため、ブログには書けないと思っていたら、翌日の信濃毎日新聞には小渋線の改良についてや村の要望事項に対する回答などについて掲載されていた。新聞に載ってしまったことはもう非公開も何もないと思うが、総じて、「非公開」とした割りには自分にとって目新しい情報はほとんど出てこなかった。これまでと変わったのは、新聞にも載ったように、小渋線の改良時期が秋にずれ込んだことが一つ挙げられる。しかし、小渋線の改良計画や国道152号線の代替ルートがいつまでも明らかにならなければ、到底、村民の「理解」は得られないので、釜沢の工事もJR東海の示すスケジュールどおりにはなかなか進められなくなるのではないかと思う。スケジュールだけあって、具体的な情報がいつまでも出てこなければ、村民の不安や疑念は膨らむばかりだ。
 今回は非公開だったが、委員会の傍聴規則を定めたので、次回からは一般の傍聴が可能となる。また対策委員会の概要報告も全戸配布されるようになる。1回目と2回目の内容をまとめたものなどが早速「リニア新幹線情報No.11」として村のホームページにも掲載された。また、リニア関連の工事や道路の状況などを掲載したページも設置された。今はまだリニア関連の工事は行われていないが、釜沢の水平ボーリング調査をはじめ、現在行われている着工前の調査の状況が掲載されている。

沖縄

2015年02月20日 | 議員活動


 議会の旅行で沖縄に行ってきた。よく批判の的になる公費で行く研修視察ではなくて、自分たちの給料の中からの積み立て。とはいえ、給料の出どころは税金だし、議員がみんなで旅行に行くのに単なる懇親旅行で視察研修的要素がないというのではあんまりだ。私にとっては初めての沖縄。せっかく行くのなら、せめて普天間と辺野古は見てきたいと主張して、本当に、ただ行ってみただけだけど、みんなで行ってきた。
 ほんの少し前に、この海での作業に対して抗議行動をする人たちを海上保安庁が排除しようとしてけが人が出る事態にまでなっていたわけだけど、私たちが行ったときは海にはカヌーに乗っている人たちが何人かと、フェンスの向こうをじっと見つめている人がいただけで静かだった。沖縄タイムス辺野古取材班のtwitterによれば、こんな穏やかなのは久しぶりのことだったようだ。しかし、フェンスの向こう側では米兵たちが水陸両用戦車を乗り回していた。



 海には立ち入り禁止区域を示す赤いフロートが見えた。これを固定するために投入された大型のコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊しているとして、翁長知事が作業停止指示を出したという新聞のトップ見出しを、ちょうど辺野古に行く直前に昼食を食べたお店で見かけた。そんなこともあって海の方は静かなのかなと、そのときは思ったけど、何のことはない、前日の朝にも海上保安庁と反対派のカヌーとの衝突があったようだ。
 反対派の人たちはキャンプシュワブのゲート前で抗議活動をされていた。ここでも前日に関係車両の進入阻止行動で、不当拘束されるような事態にもなっていたようだ。



キャンプシュワブ側


 その後、普天間基地を見渡せる嘉数高台公園にも行ってみた。


 オスプレイも確認できた。


 普天間基地のことはニュース等の映像では見ているけど、本当に人口密集地のど真ん中に飛行場があって、「世界一危険な」と言われるゆえんが実感できた。

青崩峠道路トンネル工事見学

2015年02月16日 | リニア新幹線

 今日はトンネル工事現場の実際の状況を見ようということで、国交省の工事現場見学に申し込み、三遠南信自動車道の青崩峠道路のトンネル工事を見学に行った。私は都合で長野県側の坑口を見ただけで帰ったけれども、ほかの人たちは静岡県側の坑口、さらに最近、土砂崩落で橋が落ちた現場(佐久間)も見にいった。
 ここでは本坑と並行して掘られる断面積25平米ほどの調査抗を掘り始めたところで、長野県側からは140メートルほど掘ったところだそうだ。ここは大鹿村同様、中央構造線に近く地質が悪いところで、当初の計画ルートを変更して中央構造線の西側(内帯側)を掘っている。リニアトンネルと同じNATM工法で、釜沢や上青木の非常口予定地近くに住む友人たちは、ファンの騒音やトンネル内湧水の処理方法、薬液注入の薬剤など非常に具体的な質問をあれこれしていた。

釜沢・水平ボーリング調査

2015年02月09日 | リニア新幹線
 前回リニア対策委員会について書いたブログの中で触れたように、釜沢地区では水平ボーリング調査が始まっている。当初、地権者の了解だけで、それも説明不十分なまま始められようとしていたらしいが、そんなことでは困るということで、ちょうどリニア対策委員会が行われた日に釜沢では水平ボーリング調査の説明会があったそうだ。そこでいきなり「明日から24時間体制で」と言われたという。
 すれ違い:リニアと暮らし/5 大鹿・釜沢地区 「JRは説明不足で性急」(毎日新聞)

 ボーリングの場所は非常口として示された場所から少しずれていて、集落にやや近くなっている。




 釜沢ではJR東海がリニアを自費でつくると発表した直後の2008年にも1㎞の水平ボーリングが行われていて、その後もアセスの調査で村内の複数箇所で垂直ボーリングも行われたりしている。しかし、今度のボーリングは認可を受けて着工に向けた、設計のための調査だ。説明会では「住民の理解がなければ着工しない」と言っていたが、着工というのはどこから言うのか。リンクした記事によれば機材の搬入は事前説明抜きで朝の通勤時間帯に行われたという。そこで生活している住民への配慮を欠く、国交大臣が求めた「丁寧な説明」とは程遠い姿勢だ。24時間体制については「日中だけにすべきだ」という意見が相次いだけど、試験的に24時間やらせてほしいという話になったそうだ。そこで騒音測定などをして、大した数字ではないから、やはり24時間やらせてほしいと迫られるのではないかと危惧する(2008年のボーリングの際は、24時間続く音に子どもが夜寝付けなくなったということもあったそうで、そのとき集落を離れた家族もいる)。この先もこんな形でどんどんなし崩し的に工事が進められていくのではないかと住民もますます疑心暗鬼になってしまう。そんなやり方では到底、住民の理解は得られない。