「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア連絡協議会

2020年03月26日 | リニア新幹線
 昨夜、15回目のリニア連絡協議会が開催された。連絡協議会は概ね3か月に1回、議会月の議会終了後の最終週くらいに開催されている。
 前回の12月の協議会で、飯田市の駅周辺整備に伴い移転を余儀なくされる住民の代替地整備のため、南アルプストンネルの発生土を使いたい、運搬を3月から始めたいという話だったが、小渋線の河川内道路整備が終わったらという確認をした上で協議会として了解していた。ところが、河川内道路の整備がいっこうに進む様子が見えないのに、3月3日に中川村渡場で行われたこの事業の説明会を報じる記事の中に、今月中旬から運ぶと書かれていて、あれ?約束が違うと思っていた。
 このことについて、まず飯田市からおわびがあった。その場で決定したわけでなく、大鹿村の了解が得られれば、河川内道路整備前に少しでも運びたいと言ったものが、あたかも決定のような報道が一部なされてしまったとのことだった。
 河川内道路の整備は道路区域変更等の手続きに時間がかかって、供用開始は5月の連休明けになるとのこと。
 当初の約束どおり、運搬はこの河川内道路整備完了後にしていただきたいと意見を言ったところ、特に異論もなく、飯田市への残土運搬は河川内道路完了後、連休明けからとなった。
 しかし、議会の全員協議会で聞いた説明によれば、小渋線の拡幅工事が始まると、災害復旧工事、防災工事と合わせて、最大8か所で片側通行になる可能性があるという。河川内道路の利用時間が平日の朝7時から夕方5時までとされており、前回の連絡協議会でも路線バスの運行時間は通れるようにしてほしいとか、休日も通れるようにしてほしいという意見が出ていたけれども、意見を汲んで変更されてはいなかった。改めて、退勤時間の車が多いので6時までにしてほしいとか、終日通れるようにしてほしいといった意見が強く出た。しかしながら、夜間は安全面等の課題もあり、検討はするが、スタートは5時にさせてほしいとのことだった。このことについては、今後も強く求めていく必要があると思う。
 南アルプストンネルの方は、小渋川非常口は、先進坑約1600mのうち2割の掘削が完了、除山非常口は斜坑延長の約6割、釜沢非常口は3月3日に掘削開始とのこと。(後で前回の資料を見たら、除山非常口は前回も6割となっていたので、あまり進んでないみたいだ。聞いてみれば良かった)
 小渋川非常口から掘っている先進坑では、先進ボーリングで蛇紋岩が出たそうだ。蛇紋岩は石綿鉱物を含むことから飛散防止の対策が必要となる。当面の間、坑内に仮置きという。今後も本坑や伊那山地トンネルでも出ると思われるので、扱いをどうするのか質問。
 大河原中心部の国道を避ける迂回路については、仮桟橋の設置は完了したが、桟橋から新小渋橋までの道路整備は着手したばかりで、完了予定は6月末、供用開始時期は7月初めの見込みとのこと。そのときの迂回路の車両台数は往復300台くらいになるという!
 委員から、当初の計画より随分遅れていること、静岡で着工できずにいることの影響などについて質問があった。重ねて、静岡の方で、工事が遅れた場合に工区を変更して、山梨側、長野側からも掘削する可能性について言及されていたのをニュースで見たので、その点を確認。現時点では、長野工区は長野工区というような言い方をされたので、現時点でなくても、とにかく静岡工区の分まで掘るのはやめていただきたいと言った。
 中部電力からは送電線工事の進捗状況。前回切らないでほしいとお願いしたブナについては、冬季間だったため、まだ調査していないとのこと。
 最後に村から、鳶ヶ巣沢環境対策事業について、昨年12月末に委託先の砂防フロンティアから設計照査結果をもらったということで、その内容について概要の説明があった。照査結果内容については村のホームページで公表されるそうなので、それを見た上で、また考えなくては。何しろ、この計画の上部は前回のブログに紹介しているとおり、長年ずっと治山事業が行われている大崩壊地だ。