「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

工事説明会

2016年08月25日 | リニア新幹線
 昨日はリニア工事の際に大型工事車両が大量に通行することが見込まれる県道松川インター大鹿線の改良工事の説明会が開催された。そして、今日は第19回のリニア対策委員会が開かれ、リニア南アルプストンネルの工事説明会の内容等が示された。

 23日の中川村における工事説明会の記事。
騒音や振動、中川で懸念の声 リニア県道改良の説明会(信毎Web)

中川村で残土運ぶ県道の改良説明会(南信州新聞)
リニア関連県道工事 振動や騒音住民懸念(長野日報)

 24日の大鹿村での説明会についての記事。
JR東海が大鹿村で工事説明会(南信州新聞)

 中川村でも大鹿村でも、工事による騒音、振動への懸念や、通勤・通学への影響、渋滞や安全対策を懸念する声が複数出たけど、今回の説明会で住民の理解を得られたと判断されて、来週から準備工事に着手したいとのこと。そして、次の週にはリニア南アルプストンネルの工事説明会を開催したいとのこと。
 以前から対策委員会でJRの示す工事スケジュールに対して、影響対策としての県道工事着手が先でなければ筋が通らないという批判が出ていたことを受けて、県道工事だって、まだトンネル残土の行き先が最終決定されたわけではないのに施工ヤードなどの準備工事に着手し、とにかくリニア本体工事の説明会を早く行いたいということだろう。そうした進め方にも批判が出た。

 小渋線のトンネル工事では、二つのトンネル工事を同時進行で行うため、ピーク時には工事車両が区間によっては1日552台も通るという。現状の狭く曲がりくねった道路状況でそれだけの台数が通るとしたら、相当大変なことになると思って質問したけど、552台が通るのは1km強の短い区間だから5分も遅れないと思うといった回答だった。私としては一番道路が狭いところの348台も併せて質問したつもりだったのに。遅延だけでなく、狭い道でダンプとすれ違う怖さも大きい。休工日は日曜日だけらしいので、観光への影響も懸念される。
 
 そして、今日のリニア対策委員会では南アルプストンネルの工事説明会について。まず今後の進め方ということで、9月上旬に全村対象の工事説明会、その後、各自治会単位の説明会を4か所で曜日、時間帯を変えて複数回行うとのこと。前回の要望を受けて、全村対象の説明会については公開で行い、自治会単位の説明会は非公開となった。
 説明会の内容では、車両の通行台数について、時期を4段階に分けて説明。着手から平成30年春までの村中心部の迂回ルートができるまでの間、平成30年春から秋までの迂回ルートが完成した段階、平成30年秋から平成31年春までの上蔵と釜沢を結ぶ先進坑がつながって県道赤石岳公園線を通らなくなる段階、そして平成31年春からの小渋線の改良工事が完了して村外への大量の残土運搬が始まる段階。最初の段階で、保育所の前を工事車両が1日50台、旧小渋橋付近を42台、福徳寺前を20台通るといった具合。そして、残土運搬のグラフのピークは平成35年春頃までとなっていたけど、そのグラフは土木工事だけのものだというので、リニア工事の全体像を示してほしいという意見も出た。土木工事の後、ガイドウェイやコイルの設置がある。

 昨日の説明会で小渋線のトンネル工事の工期は平成30年4月となっていたけど、小渋線での運搬が始まる時期は平成31年春とされていた。そういえば昨日トンネルの供用開始時期は示されなかったし、質問も出なかったので、今日聞いてみたところ、まだ分からないとのことだった。土木工事が終わっても照明設備や防災設備の工事、供用に向けた手続きもあるとのこと。
 次々にパワポを進めて早口で説明されたので、なかなかメモも取りきれなかった。工事説明会は複数回開催されるので、しっかり疑問点、おかしな点を追及していかなくては。9月上旬から工事説明会が行われ、9月26日が次の、恐らく最終の対策委員会(任期は9月末まで)。その後は連絡協議会を新たに立ち上げて、いろいろな協議を行っていくそうだ。

【追記】
 今朝の信濃毎日新聞の一面トップに「県内10月にも工事開始」という見出し。昨日は工事開始時期は明言しなかったし、説明会がいつ終了とも決まっていないと言っていたのに。
県内10月にも工事開始 リニア南アトンネル

 毎日新聞の記事にはトンネル開通が2023年と書いてある。残土搬出のピークが平成35年3月までと言っていたのと合致する。
南アトンネル「2023年貫通目指す」 大鹿でJR 残土は松川町へ搬出 /長野



リニア長野県内視察

2016年08月03日 | リニア新幹線
 7月30~31日の2日間、リニアを考える自治体議員懇談会主催の長野県内視察が行われた。神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県から自治体議員や市民20数名が参加して、30日は大鹿村から始まって、豊丘村小園、喬木村阿島北、飯田駅予定地、31日は阿智村清内路、南木曾町を回り、それぞれの現地の状況を地域の人たちや議員から伺った。
 私はスタート地点の松川から参加し、大鹿村までの道中の車内で前日行われた対策委員会の話も含めて現状を説明。ディアイーター前で代替ルートや送電線の計画について、上蔵の変電所予定地も見て、釜沢の非常口予定地へ行き、そこで自治会長さんや建物の解体に来ていた地域の方にお話を伺う。

 次の豊丘村へ行くのに岩洞(県道22号松川大鹿線)を通って、大鹿村から出る残土の置き場候補地となっている場所の一つを見る(生田の3か所が候補地となっている)。


 豊丘村では小園地区の集会所で、発生土置き場候補地を撤回させるに至った住民運動の経緯などをお聞きした後、実際にその場所を見る。これは牛草沢。


 次に喬木村との境に近い明かり部分。


 喬木村の明かり部分。


 飯田の長野県駅予定地付近。


 夜はのんび荘にて交流会&宿泊。宿泊先を選ぶときに、のんび荘はリニアが飯田松川を明かりで渡る場所の近くだろうとは思っていたのだけど、まさにどんぴしゃりで、宿の前の吊り橋から見える位置になるらしい。(評価書8章の景観のところにフォトモンタージュが出ている)ここが工事現場となったら、のんび荘や付近の公園やキャンプ場などどうなるのかと心配になる。すぐそばに名水「猿庫の泉」や浄水場もあり、水資源への影響も非常に危惧される。


 2日目は阿智村清内路から。最初に社会環境アセスメントについて、委員会の会長を務めた岡庭前村長からお話をお聞きして、その後、萩の平の非常口予定地を見る。ここへ向かう村道もすごく狭い。


 午後は南木曾町へ。まず、2か所の非常口のうち蘭地区の尾越非常口予定地を見る。ここは以前に南木曾町議会と大鹿村議会で相互視察をしたときも、国道沿いの施設の駐車場から見下ろす形で「あの辺」と漠然とお聞きしただけだったので、今回案内していただいて初めて分かった。現状は車の道が通じておらず、歩いていくしかない場所。


 その後、水環境への影響が危惧されるということで、男滝、女滝へ。




 最後に妻籠を愛する会の事務所(観光案内所)で、蛇抜けの歴史やら資料をたくさんいただき、お話を伺う。妻籠宿は大勢の観光客で賑わっていた。


 今回、可児市の議員さんにお会いすることができた(31日のみ参加)。可児市は大鹿村同様、明かり部分の地中化を求めているところ。大鹿村では地中化要望は村としては断念してしまったけど、可児市ではトーンダウンはしたものの、まだ下ろしていないとのこと。現状は動きがあまりなく止まっている状態らしい。これを機に、いろいろ情報交換できればいいなと思った。

 また、相模原では30日に「リニア工事で私たちの暮らし、環境はどうなる 地生態学からみたリニア新幹線」と題した学習会が開催されており、相模原連絡会の方がその資料を持って、31日に参加してくださった。

 この週は火曜日に大鹿村議会で山梨実験線の視察、木曜日に下伊那北部議員研修会、金曜日にリニア対策委員会、土日はこの視察で、月火は東京の夫の実家に行っていたため、資料の整理も何もできていない。とりあえず報告のみ。