「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

全員協議会

2013年01月30日 | 議員活動
 昨日は今年初の全員協議会だった。柳島村長の再選後、初でもあり、まず村長から挨拶とともに、選挙戦になっていれば選挙公報として出すはずだった政策についての話があり、美しい村づくり、歌舞伎、農林業の振興、安全・安心、リニア対策、住民とのコミュニケーションを挙げられた。
 協議事項の第1番目は、リニア中央新幹線住民意見交換会についてで、昨年の議会報告会の席でも要望が出ていた、リニアについての住民の意見を聞く場を2月19~20日頃に開催したいとのことで、当日配布する資料(案)が示された。主な内容はリニア事業に関する経過と日程、今後予想される日程、リニアの課題と村の対応、方法書説明会における主な意見とJR東海の回答(ホームページに掲載されているものからの抜粋)、あと地図。12月定例会の一般質問でも村の対応について答弁があったが、ほぼその内容。
 年末にJR東海が挨拶に来たそうで、その際にも、準備書公表前に住民説明会を開催してほしいと要望したところ、大鹿村だけ開催するのは難しいとの回答だったそうだ。だとしたら、他の沿線自治体でもぜひ要望してほしいものだと思った。一方、元旦の新聞によれば、JR東海の山田社長が準備書公表前の県などとの協議の中で、ルートや駅位置などをある程度示すと述べたという。やはり準備書で既に決定したものをいきなり示すのでなく、その前に地元自治体や住民と丁寧な協議をしてほしい。
 2番目に、JR伊那大島駅の無人化への対応についてで、現在、松川町として駅員を維持するかどうかの結論は出ていないそうだが、駅員を維持するには二つのタイプがあるそうで、定期券や特急券なども販売できる人となると、ある程度コンピューターの操作なども要し、単純にシルバー人材などを配置すればいいというわけにはいかず、かなり費用が必要になる。もう一方のタイプは飯田駅や伊那駅から切符を買ってきて販売するそうで、その場合、定期券は販売できないとのこと。村からも高校生はじめ、伊那大島駅の利用者は多いので、松川町が人員維持するとして応分の負担を求められた場合には協力するという方向を確認。
 報告事項としては、北部の火葬場検討経過についてや、診療所の清貞先生が医療功労賞の表彰を受けられるというお話があった。清貞先生は大鹿村に19年間在任いただいたが、このほど後任の方が決まり、3月で退職されるとのこと。3人の子どもたちはもちろん、めったに医者にはいかない自分自身も含めて、本当にいろいろお世話になった。ありがとうございました。
 その他、さくらの女王の募集について、ユネスコエコパークフォーラムの案内、3月に行われる日韓若手音楽家交流コンサートの案内があった。

憲法を考える集まり

2013年01月22日 | 非戦・平和・社会
 先週の土曜日、お隣の中川村にて、『靖国問題』『犠牲のシステム福島・沖縄』などの著書がある東京大学の高橋哲哉さんと、「国旗に一礼しない村長」として新聞などでも話題になった中川村の曽我村長の対談による「憲法をかえますか?」という講演会があった。総選挙で自民党が(支持率こそ20%台だが小選挙区制により)圧勝し、憲法改正を掲げる安倍政権が誕生したことで、より関心が高まったこともあってか、会場の文化センター大ホールは200人を超える人で埋まった。
 まず高橋先生から、憲法は他の法律とは違い、国の成り立ち、根本的な理念を定めたものであり、現行の憲法は主権者たる国民から国家権力に対する命令、民が定めて国に守らせるものであるというお話があった。(それに対して、大日本帝国憲法はお上がつくって国民に下賜するものだった)そして、憲法改正というときによく9条のことが挙げられるが、それだけの問題ではない。どの条文をどう変えるのかということで、昨年4月に公表された自民党の憲法改正草案について資料に基づいてお話しいただいた。
 例えば99条に「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」となっているが、これに対応する改正案の102条では「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と、まずあって、2項で「国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う」となっている。天皇は「象徴」から「元首」とされ、「日本国民は」で始まっていた前文は、「日本国は」で始まる。
 そして、9条を含む第2章は「戦争の放棄」から「安全保障」とされ、自衛権が書き込まれ、自衛隊は国防軍とされる。実際、現実の自衛隊は軍と変わりないのだから実態に合った名称にするのだという議論があるが、一方で自衛隊は違憲だとする裁判もあったわけで、正式な軍隊でないことによってあった歯止めがなくなってしまうことは明らかだ。そして、3項には「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」を行うことができるとされている。集団的自衛権の行使を認めれば、アメリカの戦争に駆り出されるのは目に見えている。
 高橋先生は、自民党の改憲草案について、この主権者である国民が国家権力を縛る力を後退させることと、海外派兵を可能にすることの2点が特に重要なポイントだとされた。
 次に曽我村長のお話。曽我村長は昨年、議会の一般質問で国旗と国歌に対する認識を問われた際のやりとりをホームページに掲載して話題を呼び、その後、朝日新聞に「国旗に一例しない村長」としてインタビュー記事が大きく掲載された。それに対して、賛意はメールでたくさん来るが、反対の声は電話でぱらぱら来るのだそうだ。村長は日本がどうしたら海外の人からも尊敬してもらえるような国になれるのか、みんなで考え議論しあえることが大事だとされるが、中には、直接民主主義は幼稚で愚かだ、大衆はそんなことに興味はないという声や、心の中で国旗や国歌に対してどう思っていてもいいが、外面だけ、形式的に従えばいいのだという声も寄せられたとか。まさに真逆の考え方。自民党の改正案の前文に「和を尊び」とあるが、これは、分をわきまえよ、差し出がましいことを言ってはいけないという、上の人が下の人に言うことを聞かせるためのものだという言い方もされていた。
 また、原発事故によって専門家の話が信頼できない状況になってきたこと、繰り返されてきた棄民政策、部分と全体、地方自治体は国と比べれば、部分と全体の乖離は少ないといったこと、憲法の改正案についても、国民の中での議論がないうちに、国、自民党から与えられるというのは非常にまずいといったことなど、話は広がる。
 その話を受けて、高橋さんが聖徳太子の17条の憲法でも「和をもって貴しとなし」の後は「さからうことなきを宗とせよ」と続くのだと紹介された。
 福島県の状況、オスプレイの低空飛行訓練のこと、犠牲にされるのは原発や沖縄だけでなく、薬害、ワーキングプア等々、どんどん切り捨てられていく。自分はメジャーの側に立っていると思っていても、いつ切り捨てられる側になるか分からないような状況、それはみんなで守り合っていかなくてはならないといったことなど、お二人の話が続く。
 会場との質疑応答では、年末に亡くなられたベアテ・シロタ・ゴードンさんの名前も出て、押し付けられた憲法というが、ベアテさんの起草された24条の男女平等条項も押しつけかという質問があった。実は2005年の自民党の最初の改正案の際にはこの24条の見直し案も出ていたそうだ。
 翌日はより少人数のゼミ形式でもっと話を深めたそうだが、私はそちらには参加しなかった。

大雪

2013年01月15日 | 山の風景
 昨日は久々の大雪だった。朝出かける前に除雪したときは10センチ程度だったけれど、帰ってきて、また雪かきをしたときは20センチになっていて、その後もどんどん降り続き、40センチを超える積雪となった。1回の雪でこんなに降ることはめったにない。雪国のような除雪体制はなく、集落の除雪はまずはガードレールで作った三角板を軽トラで引いて行ってくれているけど、昨日も朝から何度も引いてくれていた。でも、だんだん両側に除けた雪が高くなっていって、「もう無理」とのこと。
 昨日はどんど焼きの日だったけれども、そんな状態なので今日に延期になった。(村内のどんど焼きは集落ごとなので、それぞれの都合で、前日に行っていたところもあれば、昨日、大雪の中で行ったところもあるし、小さい集落などでは無理せず延期したみたいだ)。

 夕方ようやく雪がやんで、少しの間だけ雲がほんのり染まった。




 一夜明けて、今朝は快晴。




 朝日を浴びて雪がきらきらと輝いてきれい。家の前の村道も先ほど重機が入って除雪していってくれた。今日は生協の配達がある日で、昨日の状態では厳しいかなと思っていたので一安心。(以前、配達のトラックが途中で雪道にはまって登ってこれなかったことがあった)
 大雪だと停電も心配だけど、標高の高いこちらではそれほど重たい雪ではなくて無事だった。
 

写真展

2013年01月07日 | 脱原発
 昨年11月に飯舘村へ行ってきたときの写真を、このブログにも少し載せたし、facebookのアルバムにも十数枚載せたけれど、ネット環境にない方にも見ていただけたらと思って、またオフシーズンの大鹿村にも足を運んでいただけたら嬉しいので、鹿塩地区の塩の里直売所の奥にある展示室にて展示させていただくことにした。ここはせっかくスペースがあるのにほとんど活用されていなくて、昨年はご近所のカフェマヤの田村さんがグァテマラコーヒーの生産地・生産者を紹介する写真展を開催した。それを思い出して、お話をお聞きした飯舘村の方の「風化させないでほしい」と言われたことに少しでも応えられたらと思った。素人の写真だし、移動するバスの車内から撮ったぶれぶれの写真もあるけど、雰囲気だけでも伝わればいいかなと思う。今日は選んだ写真を30枚ほどA4サイズにプリントした。それをパネルにして、あとキャプションも付けなければ。『までいの力』や「広報いいたて」なども一緒に並べたい。

 何せ初めての試みなので不備な点が多々あるかと思いますが、足を運んでいただければ嬉しく思います。


謹賀新年2013

2013年01月01日 | 田舎暮らし
 あけましておめでとうございます。

 昨年は各地で脱原発運動が盛り上がり、私もこの山間僻地から何度も出かけていった。にもかかわらず、年末の総選挙では日本をこれだけの原発列島にした張本人である自民党の圧勝という悪夢のような結果。憲法改正の動きも本当に心配だし、これが本当に民意なのか疑問に思ってしまう。リニア中央新幹線も環境アセスの調査が粛々と進められ、年末の信毎によれば長野県内の少なくとも13か所でボーリングなどの調査が行われているという。今朝の新聞にもJR東海・山田社長のインタビュー記事が出ていて、準備書公表前に自治体に説明して擦り合わせを行うとのこと、いよいよ計画が具体化してくるのかと思うと、気持ちが重たくなってくる。

 でも、昨日の続きの今日ではあるけど、やはり新しい年の始まり。重たくなる気持ちを入れ替えて、前を向いてあきらめずに、自分にできることを考えながら、いろいろなことをこつこつとやっていくしかないなと思う。リニアについては沿線住民ネットワークが動き出す。
 議会の仕事の方もだいぶ慣れてきたし、また昨年は議会報告会を初めて開催することができた。村の議会全体としての質をもっと高めていけるといいなと思う。大鹿村議会は「議会だより」を作っていなくて、村の広報に掲載されている内容だけでは不十分だと思って、個人的に紙の「村議会報告」を作っていたけど、それも大鹿村議会として「議会だより」を出していくような方向になればと思っている。 

 最近は、大鹿の若い人たちが結構facebookを使っているのと、公開範囲を細かく設定できるという二つの理由からfacebookを一番使っていて、ブログの更新頻度がますます落ちているけど、なるべくうまく使い分けをしていきたいと思っています。今年もよろしくお願いします。