「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

東濃地域とリニア

2015年03月29日 | リニア新幹線
 昨日は東濃のリニア工事に関連した場所を、名大名誉教授の糸魚川淳二先生のご案内で見てきた。名古屋の環境問題にかかわる人たち(中部の環境を考える会)が計画された見学ツアーで、昨年の韓国の生物多様性COP12に参加した人のつながりで、大鹿からもということで、急きょ同行させていただくことにした。2年ほど前、東濃リニアの会の方々が主催された中津川のリニアシンポジウムに参加した際に糸魚川先生のお話を聞かせていただいたけれど、そのときは現地を見ることまではできなかったので、とても良い機会となった。東濃地域で一つ大きな問題となっているのが、湿地に自生するハナノキやシデコブシなど東海丘陵要素植物群の希少種がトンネルや駅、アクセス道路などの開発で大きな影響を受けること。

 リニア岐阜県駅がすぐ近くにできる美乃坂本駅。


 駅前にシデコブシが植えられていて、ちょうど花が咲き始めたところだった。後ろの建物の壁にはリニアの宣伝。


 花のアップ。花色は白からピンクまであるそうだ。


 駅からすぐの場所にある坂本のハナノキ自生地。国指定の天然記念物で、30本余のハナノキがある。ハナノキはカエデの仲間の希少種(絶滅危惧Ⅱ類)で、春には赤い花が咲き、秋は紅葉が美しい。




 岩屋堂のハナノキ自生地。国内最大の自生地で、付近でオオタカの営巣も確認されているそうだが、この近辺にリニア駅へのアクセス道路となる濃飛横断自動車道のルートが計画されている。




 岩屋堂のシデコブシ自生地。ここも咲き始めたばかり。今度は満開のときに見にきたいものだなと思った。来週には中津川市坂本の湧水湿地を守る会の主催で自然観察会が計画されているみたいだ。




 車両基地予定地。ここは岐阜県の中山間農業研究所で、それが移転してリニアの車両基地になるらしい。


 ここでは道に近いところにハナノキが植えられていたので、花を撮ってみた。


 木曽川を渡る橋梁(第二木曽川橋梁)が計画されているところ。


 夜は中津川に泊まり、今日は南木曽の土石流災害の場所やリニア非常口予定地などを見ながら帰宅。清内路の非常口予定地も見たいと思って探したけど、場所がよく分からず、代わりに小黒川のミズナラを見てきた。映画「Beauty」で見て以来、行ってみたいと思いつつ行きそびれているうちに、3年ほど前に枝が折れてしまったというニュースを見て、ますます気になっていた。支えが痛々しいけれど、ご神木にお会いできて良かった。ここも葉が茂っている季節にまた行きたい。


第4回リニア対策委員会

2015年03月24日 | リニア新幹線
 今日は4回目となるリニア対策委員会が開催された。先月は非公開でJR東海の説明、質疑等が行われたが、前段に傍聴規程などの協議もあって時間が不十分だったため、改めて委員会からの質問事項を提出した上で、JR東海からの説明、質疑が今回は公開で行われた。しかしながら、相変わらずほとんどの項目が検討中、協議中、もう少し精度が高まってからといった回答ばかりで、事業説明会での説明内容と何ら代わり映えしなかった。 
 しかしながら、一方で、南アルプストンネルの山梨側では既に発注に向けた手続きがスタートしている。これについて、残土置き場が決定とまで至らなくても、地元と調整段階でも可能と考えているという話があった。また、釜沢での工事について、仮置き場が決まっていないと工事にはかかれないけれども、最終的な置き場が決まっていなくても着工できると考えているという話があり、そんな考え方では困ると強く思った。残土置き場の環境アセスについては評価書の事後調査の計画に記載されているけれども、4季調査を行う項目も幾つかある。既に調査を始めているとも言っていたけど、必要な調査、影響検討を行った後に決定して、その後に次のステップに進むのが筋だろう。でも、JR側が事業説明会のときから示している今年秋の着工のためには、最終的な残土置き場の決定を待てないという、あくまでスケジュール優先の姿勢で、それは住民としては受け入れ難い。候補地には三六災のときに土砂災害を起こしたような場所もあり、残土置き場の決定が難航したら、仮置き場がそのまま最終的な置き場にされかねないことも危惧する。(地権者がよければそのまま置くこともあり得るという話もあった)
 「丁寧な説明」と言い言葉は丁寧だけれども、具体的な中身が出てこなければ何も判断はできない。大鹿村の人たちにとって、JRのスケジュールは関係ない。
 

3月定例会終わる

2015年03月18日 | 議員活動
 今のメンバーの議会としては最後の定例会となる3月議会が昨日で閉会した。昨日は午前中に一般質問。午後は釜沢の水平ボーリング調査の現場に視察に行き、戻ってから全員協議会、本会議。そして、夜は懇親会があった。東日本大震災の大きな被害に加え、原発事故による不安、そしてリニアについては国の審議会が南アルプスルートで答申を出そうとする直前という時期の選挙だった。あれから、もう4年がたとうとしている。

 今定例会は議案が24件、請願・陳情が2件、発議が2件。議案第1号は特別職の給与についての条例の一部改正。村長、副村長、教育長の給与について、附則で減額している減額幅を7%→5%、5%→3%に減らすもの(ちなみに議員報酬についてはこれまで附則で減額していたが、それはなくなり、本則どおりになる)。議案第2号は人事院勧告による一般職の給与の見直し。若手を除いて3%ほどの減額になるが、3年間は経過措置で差額が支払われる。議案第3~4号は教育委員会制度改革で、教育長と教育委員長が一本化されることに伴う条例改正、廃止。大鹿村では現教育長の任期(平成29年3月まで)の間は従来通り併存。議案第5号は消防団の退職報奨金について、これまで勤続5年以上の者に支払われていたものを、役付の人については2年、もしくは3年以上とするもの。議案第6号は介護保険の条例の一部改正で、保険料の改正(値上げ)。議案第7号は後期高齢者医療の保険料の納期の特例を定めた規定を附則に加える例年どおりのもの。議案第8号は26年度の一般会計の補正予算で、主なものとしては繰り越しになる事業で防災・観光Wi-Fiステーション整備事業、総合戦略策定事業、マイナンバー(社会保障・税番号)制度導入に伴うシステム改修など。議案第9号は国保特別会計の補正予算。
 議案第10~15号は平成27年度の一般会計、特別会計の当初予算。一般会計は総額23億8000万円で前年比26.6%増。大きなものとしては、一昨年から介護施設の検討委員会・整備建設委員会で検討を重ねてきた老人福祉センターの改修、生活支援ハウスの増築、西の小島地区に鉄筋コンクリート3階建の村営住宅建築、中学校体育館の天井板撤去、役場庁舎のカウンターを大鹿カラマツ材を使用したものに変更など。
 議案第16~17号は戸籍のサーバを飯田市に置くことに伴うもの。下伊那全体がそうなるそうで、定住自立圏形成協定の中に加えられる。議案第19~21号は指定管理者の指定で、デイサービス施設と生活支援ハウスは社協に、牧場はJAに。議案21~24号は人事案件。

 請願は集団的自衛権の閣議決定を撤回し、閣議決定にもとづく法整備を行わないよう関係機関に意見書提出を求めるもので、賛成3人で不採択。陳情は手話言語法制定を求めるもので、こちらは採択され、意見書を提出。

 一般質問は4名で、東村議員が文化施設検討委員会の答申に関して、空き家対策特別措置法について、釜沢調査ボーリング開始に関連して、北島議員が大鹿村人口維持について、私がリニア事業に対する住民の「理解・合意」をいつどのように判断するのか? 地方版総合戦略・人口ビジョンについて、伊東議員が村内の凍結道路対策について。

 私の一般質問の通告内容は
1.リニア事業に対する住民の「理解・合意」をいつどのように判断するのか?
 リニア事業の環境影響低減策の具体像がいつまでも明らかにならないまま、ボーリングや測量は着々と進み、釜沢での着工は今秋ごろとスケジュールだけ示されている。前回の対策委員会ではJRが出席したが、目新しい情報が何も出てこなかったにもかかわらず非公開とされ、村民の中にはこのままなし崩し的に工事が始められてしまうのではないかという不信感も生じている。村としても村民の意向把握には相当丁寧なプロセスが求められる。今後どういう時点で、どういう形で住民の「理解・合意」を把握し、判断していくお考えか。

2.地方版総合戦略・人口ビジョンについて
 「まち・ひと・しごと創生法」により「市町村総合戦略」「地方人口ビジョン」の策定が求められており、策定予算が計上されている。大鹿村も日本創生会議の試算で「消滅する可能性がある」とされ、村長も強く危機感を抱いていると回答されているように、あらゆる局面で高齢化と後継者難が深刻であり、斬新な発想により相当思い切った戦略を立てる必要がある。そのためには従来型のコンサル頼みではなく、検討委員会も若い人に多く入ってもらうなど、策定方法にも工夫が求められると思うが、現時点での考えを伺いたい。
 

3月定例会の日程

2015年03月04日 | 議員活動
 昨日、議会運営委員会が開かれ、3月定例会の日程が決まった。

 3月6日(金)午前10時~ 本会議開会、議案説明、質疑、審議、委員会付託、一部採決

 3月9日(木)~16日(月) 委員会

 3月17日(火)午前9時~ 一般質問

         午後4時~ 本会議

 今回は平成27年度の当初予算など議案が24件、陳情・請願が2件。
 一般質問は、初日の村長の施政方針を聞いた後に通告書を提出し、最終日に行われる。大鹿村議会はこの4月に改選なので、今の議会としては最後の定例会。課題はたくさんあるので、しっかり考えて質問したい。