「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

全員協議会など

2012年08月24日 | 議員活動
 ブログの更新がなかなかできずにいた。(でも、こちらのブログの方には村に新しくできた木工施設お店の紹介、プチ移住ツアーの案内などアップしてあるので、ぜひご覧ください)
 10日には森林・林業・林産業活性化促進議員連盟・長野県連絡会議の総会・研修会が塩尻で行われ、大鹿村からの参加者は私だけだったので、松川町の車に一緒に乗せていただいた。研修会では国および県の森林・林業施策についてお聞きする。秋田出身という中部森林管理局の鈴木局長のお話の中では、主要国の中で日本の木材消費量は少ないとして、特に建て替え期に入った公共建築物における木材の利用を訴えておられた。また資料の中に日本とドイツとアメリカの木材消費の円グラフがあって、薪炭材の利用が日本は1%だけど、アメリカ13%、ドイツ15%となっていた。ペレットやウッドチップも含めて、もっと使われていいのにと思った。

 10日の夜に大学生の息子が義母と一緒に帰省。日ごろ子どもたちがお世話になっているので、この機会に義母にゆっくり休養していただく。14日の夏祭りは悪天候のため15日に延期。この日も天気は不安定だったけれども、夕方以降は雨の心配もなく、花火大会も無事開催された。でも、順延のせいか、人出はやや少なかった。義母は16日に、子どもは21日に東京に戻り、また夫婦だけの生活に。

 20日は中部伊那の研修会が飯島町で開催される。午前中はマレットゴルフ大会、午後は各町村から県への提言事項を討議し、あと講演会として伊那食品工業(かんてんぱぱ)の塚越寛会長の話をお聞きした。美しい村連合の副会長でもある塚越会長の講演は、大鹿村でも2回行われていて、2回ともお聞きしている。今回もいろいろ示唆に富むお話をいただいたが、ブランドづくり、イメージづくりにおいては、時間のかかることで差別化するのが賢い、他と違うことを時間をかけてつくり上げていくことが大事だというお話は、肝に銘じておきたいと思った。大鹿歌舞伎も二百何十年守り続けてきた先人たちがいるから今がある。
 
 今日は全員協議会が行われ、協議事項、報告事項とも盛りだくさんの内容。その中で、リニアについて、庁内の対策会議で具体的な課題・問題点とそれについての対策方針が話し合われたそうだ。これまではJRから具体的な情報が出ないうちは対策を考えようがないという感じだったけれども、ようやく村でも、それでは遅すぎるというところで、少し動きだしたのかなと思った。いずれにしても、JRのいう来年秋に準備書、再来年着工というスケジュールはあまりに無理がある。スケジュールありきではない、丁寧な地元との協議が求められる。
それから、一般質問で熊谷議員が何度か質問した、美しい村条例に定められた景観審議会がこのほど発足したそうだ。委員は「村内有識者のうちから村長が任命する」とのことで、美しい村条例の策定委員、美しい村推進本部員から9名が選ばれていて、議会からは総務社教委員長と産業建設委員長が入っている。
 あと講演会の案内が幾つかあり、そのうち「リニア中央新幹線を見据えた地域づくり講演会」には、議員全員が参加することになった。 

南アルプスとリニア

2012年08月09日 | リニア新幹線




 「週刊金曜日」8月3日号と「世界」9月号にリニアについての記事が掲載されている。中でも「世界」に掲載されている「南アルプスをリニア新幹線が貫くとき 破壊される現場を歩く」は、学生時代は山岳部だったというライターさんが丁寧に取材され、また自ら南アルプスに登り、台風通過後の増水した川を渡ってカメラを流されるなど危険な目に遭いながらも二軒小屋に下りて書かれた記事で、南アルプスにおけるリニアの問題をとてもよくまとめている。南アルプスのど真ん中に当たる二軒小屋付近で、リニアの南アルプス長大トンネル掘削のための斜坑が掘られる計画となっているけれども、周辺に人が住んでいるような場所ではないし、一般車が入れない林道の奥なので、そこが一体どのような状況になっているのか、恐らく静岡市民の関心もあまり高くないだろう。記事によれば、二軒小屋の上流、東俣というところで6月からボーリング調査が始まっているという。 

 上の写真は、つれあいが先日、三伏峠から荒川まで行ってきたときに、恐らくリニアはこの辺の下を通るのではないかと撮ってきた写真。

 南アルプスは至るところ大崩壊地がある。これは荒川大崩壊。




 これは烏帽子岳~前小河内間だったと思うけど、こんな崩壊地の縁に登山道があり、いずれ崩壊が進むと、この登山道は崩れてなくなってしまい、静岡県側に付け替えられる。そんな箇所がこの稜線上のルートには幾つもある。



 本当にこんなダイナミックな場所にトンネルを掘って大丈夫なのか? 東海地震などの災害時のバイパスになり得ると本気で思っているのか? 水の問題、残土の問題はもちろんのこと、それ以前に、単純率直にやはり疑問だらけ。そして、トンネルだから稜線上には影響ないと言えるのか? 本来なら高山にいないはずの鹿や猿が南アルプスの上にまで進出して、お花畑には防護柵が張られるなどしているほど。山麓の大規模工事が、そうした生態系全体にどんな影響をもたらすのか、本当に計り知れない。



【追記】東俣のリニア調査地の写真が載っている山行記録があることを教えていただきました。
 南南ア、激辛周遊!(赤石→荒川→塩見→蝙蝠)おまけでリニア。