「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア連絡協議会

2017年09月28日 | リニア新幹線
 6月のリニア連絡協議会以来、更新をサボってしまった。突然の大義なき衆院解散→総選挙、民進党の新党への合流等々、この間のめまぐるしい動きに付いていけないけど、リニアのことも備忘録的にも記録しておきます。

 9月26日に第4回目となるリニア連絡協議会が開催された。
 工事状況の説明では、まずリニア工事の残土運搬路となる県道松川インター大鹿線で行われているトンネル新設工事のうち、松川側の(仮称)西下トンネルでは出口付近に土嚢が積まれ、貫通間近となっているが、10月上旬に貫通見込みとのこと。もう一つの(仮称)四徳渡トンネルについても全長1200mのうち1000mまで掘削が進んでいるそうだ。
 これら二つのトンネル工事による残土運搬ダンプが増えているため、現在リニア関連の大型工事車両が半の沢~西下トンネル間では月別日平均の最大値で500台超になっている。特に大型車のすれ違いが困難な現在の西下トンネルでは、合図のクラクション、出入り口での待ち合い、トンネル内でのすれ違いに慣れない観光客が怖い思いをするなど、苦情がたくさん出ていて、9月定例議会の一般質問でも誘導員の配置が要望されていた。これに対してJR側から紅葉シーズンの安全対策として示されたのは、仮設信号機設置による片側通行規制。これについて委員側から、工事車両には波もあり、誘導員配置によるきめ細かい対応を求めた。また、土曜日の工事について、特に大鹿歌舞伎前日の土曜日が通常の工事予定となっていたので、休工とできなくても残土運搬はやめるなど、車両台数の削減を求めた。JR側からは西下トンネルが貫通すれば、その分の残土運搬ダンプがなくなるので、工事車両は大幅に減るとのことだったが、やはり歌舞伎前日は配慮願いたいと重ねて求めた。
 南アルプストンネルでは、小渋川非常口で発破による掘削が始まっているが、その騒音や振動の測定結果が示された。測定は上蔵集落の集会所で行われていて、暗騒音(発破が行われていない時の騒音)38~48dBが50~56dB、夜間48dBで、自主管理基準、昼間60dB、夜間50dBを下回っている、振動も暗振動25dB以下が25dB以下~27dBで、自主管理基準を下回っているとのことだった。(ちなみに、非常口のすぐ横には電光掲示による騒音・振動計が設置されていて、私が発破掘削の音を聞きに行ったときには87dBという数字が出ていた)
 また、7月に釜沢の発生土仮置き場の観測井のモニタリング調査で基準超のフッ素とホウ素が出たが、翌月の調査結果も示され、やはり同様にフッ素、ホウ素が基準を超えていた。これについては、まだ釜沢では発生土運搬は始まっていないので、リニア工事との関連はなく、自然由来のもの。委員からはフッ素やホウ素がどういう影響があるのかという質問が出たが、この基準は水道水の基準であり、直ちに健康被害が出るようなものではないという説明だった。2リットル、70年間飲み続けると影響が出る可能性があるという程度のものだとか。ここでは地下水を飲用に利用しているわけではないし、フッ素は虫歯予防に歯に塗ったりもするくらいだし、この程度の基準超は気にしなくて大丈夫そう。
 もう一つ、伊那山地トンネル青木川工区について8月に工事業者が決まったため、今回から出席していて挨拶があった。
 次回は12月。中部電力が出席して、送電線工事に関する調査や測量の進捗状況、今後の予定など説明があるそうだ。

 騒音、振動は自主基準以下 リニアトンネル掘削でJR東海(中日新聞)

 現在の西下トンネルの状況。