「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

久々の晴れだけど……

2006年07月22日 | 田舎暮らし
 先週の土曜日に晴れて以来、1週間ぶりに青空が広がった。このまま梅雨が明けてほしいと思うけど、相変わらず梅雨前線は日本列島に居座っていて、今日も九州で記録的な豪雨による被害が出ているという。明日の夕方からはまた雨の予報。
 村内でも、浸水等の被害はなかったものの、崩落によって国道152号線は分杭峠方面も地蔵峠方面も通行止めになって、次の週末に予定されていた中央構造線サイクリング大会は中止になったそうだ。
 川の水はだいぶ引いたけど、増水したときに川底となってなぎ倒されていた草が、色が変わって倒れたままになって、濁流のあとを物語っている。
 本当に、もうこれ以上の被害は出ないでほしい・・・。

 温暖化のせいなのか、何なのか、「記録的な」という言葉をしょっちゅう耳にするようになった気がする。「記録的」というのは、要は地球の何十億年の歴史の中で、あるいは日本列島の百数十万年の歴史の中で、たかだか人間が記録を取り始めた何百年、あるいは何千年のことにすぎないし、まして詳細な気象観測なんて、百年かそこらだろう。それにしたって、100年に1回程度の雨だとしたら、人間の一生のうちにせいぜい1回しか経験しないことなのだから、自分の人生において経験がないことだからといって、起こりえないことではない。
 科学が進歩して、いろいろなことが分かってきているとはいえ、特に予測に関してはまだまだ分からないことの方が圧倒的に多いのだろうなと思う。あれだけ詳細に雲の動きを衛星で見ていたって、天気予報は外れるし。自然の営みに対して、謙虚な気持ちを持ち続けていたいものだと思う。
 

大雨

2006年07月19日 | 田舎暮らし
日曜日ぐらいからずっと雨で、特に昨夜から今朝にかけてかなり激しく降った。朝、子どもを送って下りると、塩川も鹿塩川も増水してすごい濁流となっている。三六災のビデオを見たばかりだし、このまま降り続いたら大丈夫かなと心配しながら、家に帰ると、息子から電話。
JRの駅に着いたら、高校が休校とのこと。こんな時間帯に駅から村に来るバスはない。しかたないから、今度はJRの駅まで40分ほどの道を迎えに行く。途中の小渋線も、低い部分が水たまり状態になっていたり、山側から水が出て、路面に木ぎれや石ころが散乱しているようなところがあったり、普通に走れる状態じゃない。天竜川も川幅いっぱいで、堤防すれすれまで水がある。
帰路、幾つかめのひどい水たまりを通り抜けたあと、急に車が動かなくなってしまった。えっ? 何?
場所は小渋線のど真ん中。携帯も通じないところだったので、本当に途方に暮れてしまった。
何とか通りかかった車を止めて、村の車屋さんに連絡してしてもらうようにお願いして(松川サービスさん、本当に助かりました。ありがとう!)、どのくらい待ったろうか。
何とか家に帰り着いたのは、もう11時だった。
天竜川は一部決壊して、橋のところで通行止めになったとか。車が動かなくなったのが、子どもを乗せたあとだったから、まだよかった。もう一本の松川へ出る道も崩落で通行止めだとか。
ただ待っていただけで、自分が何をしたというわけでもないけど、とにかく気分的にくたびれた。
(後でニュースを見たら、天竜川はもう少し上流で大変な状況になっていたようで
、びっくりしました。飯田線も止まっていたようです。本当に私が見たときもすごい水量でした)

「美しい村」と花

2006年07月15日 | 田舎暮らし
 先日、発展させる会の会合があって出掛けてきた。発展させる会の活動については会のブログをごらんいただくとして、出てきた話の中で、そうだよなと思ったことが1つ。
 大鹿村は昨年「日本で最も美しい村」連合に加盟して、小さくても輝くオンリーワンを目指して、美しい村づくりを進めている。その美しい村づくり事業の一環として、この春、村民に花の苗の無償配布が行われ、あちこちに花が植えられている。去年行われた「かんてんぱぱ」の会長さんによるむらづくり講演会の中で、花は無言の営業マンだといって、花を植えることが提唱されていたのを受けてのことかもしれない。(この講演会の内容が、なんと最近役場のホームページにアップされた。この4月から県の派遣研修で来られているかたが担当になって、行政のホームページが随分こまめに更新されるようになっている)
 あちこち花が植えられているのは確かにきれいだけど、家の周囲はともかく、どこにでもマリーゴールドやサルビアというのはいかがなものかという声があった。大鹿には大鹿の花があるではないかと。
 痩せ地にも強いとか、鹿が食べないとか、いろいろ制約条件もあるのだろうと思うが、今後は大鹿らしい花のある風景を考えていくことも大事だろうなと思った。

鹿害はこんなところにまで

2006年07月06日 | 田舎暮らし
 今日は中学校の参観日で、再来週予定されている登山の説明会があった。先生たちが昨日、一昨日と下見に行ってきたそうで、その写真を見せていただきながらの説明だったが、中に愕然とする写真があった。なんと、南アルプス三伏峠のお花畑の周囲に鹿よけのネットが張ってある。登山道の左側にネットが張ってある写真だったが、じき右側にもネットが張られ、ネットの間を歩くようになるらしい。高山植物まで鹿にやられるという話は聞いてはいたけど、それほどまでとは思わなかった。リンドウの花の部分を食べられてしまっている写真もあった。
 そういえば、ライチョウの激減も餌となる高山植物の減少のせいだという。(もっとも、これは鹿だけじゃなくて、温暖化のせいで減っているというライチョウのCMを以前FMながのでやっていたけど)
 一体どうして最近こんなに鹿が増えたのかと不思議に思うが、先日の「週刊いいだ」に駒ヶ根市在住の「自然界の報道写真家」宮崎学さんが書いていたことによると、高度成長期の森林伐採が一因なのだそうだ。かつて全国で広大な面積が伐採されて、カラマツの植林がなされたが、木が切られて日当たりのよくなった伐採地では一斉に樹木や雑草が芽吹いて、牧草地のように繁茂する。それを餌として、鹿が急激に増えたのだそうだ。
 宮崎さんはこの時期の伐採から10年ほどして増え始めたと書いているけど、私たちがこの地に住み始めてからの20年ぐらいの間にだって、かなり増えた。ほかにも原因があるのだろうな。どっちにしても、「ある種の動物たちだけが以上に増え続けることは、やはりよくないことなのです」と宮崎さんは結んでいる。