「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア連絡協議会

2019年12月19日 | リニア新幹線
 昨夜、14回目のリニア連絡協議会が開催された。
 最初に県道松川インター大鹿線(通称小渋線)の改良工事についてということで、県の方から説明があった。今、小渋線では国土強靱化か何かで予算が付いて、法面防災工事を複数箇所で実施していて、4か所ぐらい片側通行になっている。1か所3分以上の信号もあり、信号待ちが10分くらいになってしまうこともある。防災工事の未施行箇所もあるし、拡幅改良工事が4か所で始まってくることもあり、半の沢から松川寄りの区間、河川内の管理道路を迂回路として利用できるように関係機関と協議しているそうだ。平日7~17時の間で、これにより、この区間は大鹿から松川へ行くときは河川内道路、松川から大鹿に来るときは小渋線と一方通行になり、信号待ちや大型車とのすれ違いが避けられるようになるとのこと。
 それは良いことだと思うが、次に飯田市から、リニア駅周辺の整備で移転を余儀なくされる住民の代替地の造成に、リニア発生土を利用したいという説明があった。他から持ってくる検討もしたが、固い岩を砕いたリニア発生土が良いとのこと。造成地を早く住民に提示したいので、来年3月から9月くらいまで、3万~3万5000立米を運ぶ、台数としては片道100台ということだった。これはリニア発生土の運搬は小渋線の改良が済んだ後としていた確認書の約束と違う話になってしまう。いくつか質問はしたが、他に特に意見もなく、大鹿の連絡協議会としては承認した形になった。これについては、傍聴席から今日突然提示されて、自治会長だけで決めてしまうのはおかしいのではないかという声があったが、それに対して、自治会長さんたちから特に意見は出なかった。
 次にJR東海から赤石岳公園線改良工事、南アルプストンネル工事、伊那山地トンネル工事の進捗状況などの説明。小渋川非常口から掘削している先進坑は約1600mのうち約1割完了。除山非常口からは斜坑延長の約6割が掘削完了、釜沢非常口はヤード造成工事が完了し、準備工事を行っていて、今年度中(3月)に掘削開始予定とのこと。また、除山非常口に隣接した発生土仮置き場Aは山側に拡幅を検討している、4000平米から6500平米に、これまで緩い勾配で盛土高10mだったのを、急勾配で15mも積んで、容量5000立米を39000立米にしたいという説明。今後地元と協議するとのこと。釜沢では発生土置き場が不足していて、三正坊も増やしたし、どんどん増やそうとしている。しかも、補強土壁とやらで、川沿いにすごい急勾配にしてたくさん積もうとしているので、本当に心配になる。
 国道の迂回ルートについては前回の協議会の終了直後に地権者との契約が交わされ、現在河川内の工事を行っている、来年3月末頃の完了予定とのこと。ここで、地権者の方からJR東海と交わした賃貸契約書の内容について説明いただく。その中で、そもそも村が地権者の同意なく事業者に土地を斡旋する内容の確認書を締結したことの非をまず言われた。地権者の方は通行台数の削減など環境負荷の低減を求めて交渉してこられたわけだが、台数については譲歩が得られなかったものの、土曜日の通行について、午後3時までとすることになったそうだ。そのほか、最高速度、3方向の幌がけ、タイヤ洗浄装置、過積載予防のための重量計設置などの対策をとることになったそうだ。また、こうした対策に関連して疑義や不都合が生じた場合は事前協議の上、修正や変更ができるものとするという特記事項の条項が設けられていることを強調されておられた。
 伊那山地トンネル青木川工区の説明では、ここでもヤードの造成にリニア発生土を使う話があった。来年1月上旬から1か月程度、往復100台。また、深ヶ沢の発生土置き場について図面が出てきた。池をつぶして、護岸は入れるものの、やはり急勾配で7万立米も積むという。そして、非常に狭隘な国道を往復240台もの大型工事車両が通行するという。住民の生活や観光客への影響が懸念されるが、待避所の設置位置など協議中とのこと。池に生息する希少生物についての質問もあった。
 JRの説明の後は、中部電力から送電線工事の状況について説明があった。既に北の原では基礎工事が行われている。また、前回の協議会で住民から要望書が出されていたことについて、対応状況について話があった。私も先月、その住民の方たちの案内で、実際に鉄塔が建つ現地を見に行った。すごい急傾斜地で、付近に崩壊地があったり、こうした場所に80mもの鉄塔が建つことに不安を感じた。鉄塔のために伐採される樹木には印が付けてあったが、その中に根回り4m前後のブナの大木が2本あり、こんな立派な木までも切ってしまうのかと心に痛みを感じた。そんな内容の発言をしたら、ブナについては切らずに済むかどうか検討するとの返答。また、ヘリコプターによる作業の騒音が懸念されているが、来年上期にデモ飛行を行うそうだ。
 鳶ヶ巣もそうだし、除山、深ヶ沢と、川沿いに急勾配で残土を積み上げる話が次々に出てくることに関して、委員の中からも安全性を懸念する意見が出された。とはいえ、今回も全体として委員からの発言は少なく、連絡協議会の形がこのままで良いのか、もう少し考え直さなくてはいけない気がする。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
対策をとることになったそうだ。 (対策をとることになったそうだ。)
2019-12-22 08:55:47
3方向の幌がけ、タイヤ洗浄装置、過積載予防のための重量計設置などの対策をとることになったそうだ。
:対策は当然のことだけど!ここは日本?対策を取らなくて、工事はできないはず。ばかにされまくっている!
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Unknown (kawamoto)
2019-12-22 17:43:35
ご心配ありがとうございます。契約書から項目だけ抜き出して書いたので、内容が正確に伝わらないところがあるかもしれません。対策が取られていないわけではなく、不十分な点を求めておられます。
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リニアはできない! (リニアはできない!)
2019-12-23 10:43:27
このようにJRは、すべてにいい加減なので、静岡県の地下水問題もいい加減に見ていて、静岡県を通過できない。以前にも提案していたよう、静岡県と大鹿村を通過せずに、伊那を通るルートに変更となるであろう!
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Unknown (Unknown)
2023-12-30 11:42:12
飯田市市長選も
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