「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

青いケシ

2013年06月20日 | 田舎暮らし


 このブログを始めて以来、毎年写真を載せている中村農園の青いケシが、先週から見頃になっていて信毎では20日ごろが最盛期とあったので、議会が閉会したら行こうと思っていたら、昨日はかなりの雨になって、時折強い風も吹いた。空梅雨気味だったので畑には嬉しい雨だけれども、青いケシは大丈夫だったかなと気にしながら出かけてみた。やはり散ってしまったり花びらが傷んだものもあり、一番きれいな時期はやや逸してしまった感があったものの、まだまだたくさんの花が咲いていて楽しめた。あと、今日は雨が上がったかなと思って出かけたのだけど、着いた途端にまたぽつぽつと降りだして、傘を差しながらの観賞。例年、晴れた日の朝出かけることが多かったので、雨に濡れたヒマラヤンブルーの色合いもまた神秘的で美しかった。







 こちらは紫色の別品種。


 中村農園では、青いケシのほかにもいろいろな花が栽培されている。




6月定例会終わる

2013年06月18日 | 議員活動
 6月定例会が本日で閉会した。今回は報告2件、議案4件、請願3件、陳情1件。
 報告は、一般会計の繰越明許費の繰越計算書の報告と、損害賠償の専決処分。
 議案第1号は一般会計の補正予算。主なものとしては、元気づくり支援金で「大鹿村で、ゆっくりのんびり滞在しませんか!」ということで、さくら祭りなどのイベント用に提灯、テントを購入するもの。それぞれ、ゆるキャラなどの図柄を入れるそうだ。また、美しい村づくり交付金の屋根の塗り替え事業が好評なため687万円の増額。今年から発行を始めた「議会だより」の印刷代も盛られた。木工体験交流施設にはカラマツストーブが寄贈されるそうで、その煙突代など。その他、施設の改修工事などいろいろ。4月に開館した阿智村の満蒙開拓平和記念館に中学2・3年生が見学に行くので、その入場料というのもあった。
 議案第2~4号は国民健康保険、診療所、村営水道の各特別会計の補正予算。国民健康保険の税率は据え置き。
 請願は「義務教育費国庫負担制度」の堅持を求める請願書、少人数学級の早期実現や複式学級の編成基準の改善、教職員定数増を求める意見書提出に関する請願書、年金2.5%の削減中止を求める請願書の3件で、いずれも採択され、議員発議でそれぞれ意見書を提出。
 陳情は、違法な臓器生体移植を禁じることを求めるもので、村外の人からだったので資料配付のみとなった。

 今日は本会議の前に全員協議会があり、報告事項の中で、リニア意見交換会の住民意見に対するJR東海の回答について報告があった。水資源・環境への影響、道路問題、リニア計画について、住民意見、村からの要望に対するJR東海の回答をまとめた資料が、役場のホームページで公開される。7月の「広報おおしか」にも掲載するとのこと。
 その内容を見ると、相変わらずの回答ばかりで、例えば道路問題でも、既存の道路では無理だという声が村内では圧倒的に多いと思うが、「できる限り既存の道路を活用し、道路の狭い箇所等は改良を加えて使用することを基本として」とされている。しかし、既存道路の活用では、「工事渋滞といった迷惑のかかわらないような形」は、誰がどう考えても不可能だ。

住民意見交換会の意見に対するJR東海の回答を報告します


栂村山・前茶臼山観察会

2013年06月15日 | 自然・環境
 今日は伊那谷自然友の会と大鹿の100年先を育む会との共催による「大鹿村栂村山・前茶臼山観察会」に行ってきた。天候が心配されたが、早朝に降っていた雨は上がり、午後になって下りの途中から少し雨が降りだし合羽を着込んだけれど、大した雨にはならず、苔むした針葉樹林を楽しく観察しながら歩いてきた。
 栂村山付近、ふわふわ、もこもこした苔のじゅうたんの庭園のような場所で休憩。




 前茶臼の大崩壊地の上から。晴れていれば、南アルプス方面も見えたはず。


 前茶臼の頂上(2331m)。展望なし。


 マイヅルソウやコミヤマカタバミがたくさん咲いていた。




一般質問

2013年06月14日 | 議員活動
 今日は一般質問が行われ、4名が質問した。初めに東村議員が「南海トラフ地震の備えについて」、次に北島議員が「リニア新幹線工事に伴い騒音防止条例を」、3番目に小沢議員が「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)について」、そして4番目に私が「検討委員会の情報公開について」。今回はみな1問ずつだったし、村長の答弁もあっさりしたものが多かったので、1時間程度で終わってしまった。

 私の質問の通告内容は、
1.検討委員会の情報公開等について
 25年度は検討委員会がいくつも立ち上がるが、従来、検討委員会や審議会等で誰がどのような審議をしたかという経過や結果について、村民に対してあまり情報提供がなされてこなかった。村民の意見を広く吸い上げた議論がなされ、その結果が施策にきちんと活かされる検討委員会とするためにも、公募委員を入れるなど人選の工夫のほか、中間報告も含めた村民への情報提供・公開が必要と考える。実のある検討委員会にしていくための村長のお考えを伺いたい。

 ちなみに、お隣の松川町では、ホームページの「会議の公開」というところに各課所管の委員会、審議会、協議会等が列記されていて、それぞれの会議名をクリックすると、全部ではないけれども、資料や会議録などが読めるようになっている。

飯田・リニア説明会

2013年06月13日 | リニア新幹線
 昨日は飯田市でリニア説明会が開催され、議員全員が参加した。JR東海とリニア新幹線建設促進県協議会の共催で、行政関係者や一般の人たちで飯田文化会館のホールが2階席までいっぱいに埋まった。中間駅の概要が示された山梨での説明会とほぼ同様の内容で、環境影響評価の進捗状況、駅イメージなどが示され、長野県独自のものとしては、「猿庫の泉」周辺の調査状況、「恒川遺跡群」等の調査状況の説明があった。また、県アセス技術委員会(→知事意見)で求めた環境影響評価項目の追加について、追加した18項目に○印を付けて網掛けした資料が配布された(その代わりというか、山梨県で配られた工事開始までの流れを示した資料はなかった)。
 ちなみに「猿庫の泉」については、地表水に近い性状を有し、浅層地下水が起源になっていると想定され、深層部の地質は良好な花崗岩の岩盤で透水性は低いと想定されることから、深層部をトンネル掘削した場合の猿倉の泉への影響は小さいという説明。水源回避という地元の要請を踏まえ、準備書でルートと予測・評価の結果を示すとして、具体的にどう回避するのかしないのかという説明はなかった。朝日新聞の記事によれば、これに対して、松島信幸先生は「1年余りの調査で出せる結論ではなく、十分な地質調査をしていない証拠」と反論している。
 質疑応答では、残土運搬の問題や水資源に影響があった場合の対策について聞きたいと思って、ずっと手を挙げていたが、今回は当ててもらえなかった(一応30分近くは時間延長して質問を受け付けていたが、そこまでで打ち切られた)。一人で長々と質問・意見してひんしゅくを買っている人がいたり、消費電力の問題について聞いた人が3人もいて、JR側の回答は分かりきっているのだから、もっと他の人に質問させてほしかった。また、「大鹿に駅を」という意見を言った人もいて、びっくりした。

 残土運搬については中川村の方が質問してくれた。

Q:特に豊丘、大鹿等については、いつごろから工事が開始されるのか。資機材の搬入、発生土の運搬ルートについて、関係町村にいつごろ話が行われるのか。生活道路のために交通渋滞等の問題や環境悪化が予想されるが、交通基盤の整備等の改善策について、関係町村との話し合いをぜひ持っていただきたい。

A1:一連の環境影響評価の手続きが終わると、国土交通大臣から工事実施計画の認可を受ける。認可を受けると、まず事業説明会を開催し、その後、中心線測量、用地説明など、用地の関係の話をさせていただく。その後、工事の開始前には工事説明会を開催させていただく。これから工事計画を具体的に詰めていく段階なので、現時点で工事をいつ始めるかは言えない。事業説明会や工事説明会で、具体的にどの地点でどのような工事が始まるのか、どの道路を車両がいつごろどんな頻度で走るのかといったことについて説明していくことになろうかと思う。

A2:工事用道路の基本的な考え方として、できる限り既存の道路を活用して、ただ、必要に応じて改良は加えていく。新たに工事用道路を設置する場合については、工事計画が具体化した段階で、必要な調査等をやっていく。いろいろな道路については、工事計画の具体化に併せて、県をはじめ関係する自治体、地元の方と話をしながら進めていく。中川村ないし大鹿村の方面だと道が限られていることは重々把握している。工事渋滞といった迷惑のかからないような形が、どういう形をやっていけば私どもの工事計画と地元の方の通行がうまくやっていけるのかについては、当然これから具体化した段階で説明、話し合いをしながら進めていく。

A3:環境影響評価をきちんと手続きを済ませた後に工事実施計画の認可をいただく。国交省から認可をもらって、2014年に着手、着工を目標としている。そこから地元の方等に工事説明等を行って、ご理解を得て、また用地の取得等を行って、それからできる限り早い時期に実際の工事が始まっていくという手順になっている。

 パワーポイントで示されたここら辺の流れは、山梨で配られて長野県では配られなかった工事開始までの流れの資料に出ていた。ただし、最後の工事説明会は工事を発注した後に開催されるようなので、全く変更の余地はない。


6月定例会の日程

2013年06月07日 | 議員活動
 今日は議会運営委員会があり、6月定例会の日程が決まった。

6月12日(水) 午前9時~ 本会議開会 
             議案説明、質疑、審議、請願陳情、委員会付託

6月14日(金) 午前9時~ 一般質問
             
6月13日(木)~17日(月) 委員会

6月18日(月) 午後4時~ 本会議

 今回は報告2件、議案が4件、請願3件。一般質問は4名。
 私は前回、歌舞伎伝承館の話と一緒にお聞きして、十分な答弁をいただけなかった検討委員会のことについて質問する予定。

 今日はリニア沿線ネット主催の「No!リニアデー」として国交省交渉や院内集会があり、大鹿からも1台の車に乗り合わせで5人参加した。私も行きたかったけど、議会運営委員会と重なって行けなかったので、帰宅後にIWJの中継や録画を見た。院内集会だけでなく国交省交渉の様子も再配信で見られたが、環境アセスの問題点を追及する沿線ネット側の質問に対して、国交相の方からまともな返答はなかった。本当に286kmもの、しかも南アルプスという貴重な大自然の残る場所を含む、かつ新技術が用いられる大規模工事の環境アセスがたった3年足らずでは、どう考えても十分な影響調査が可能とは思えない。

 6月12日の定例会初日の午後には、飯田市でJR東海と期成同盟主催のリニア説明会がある。議員も全員で参加する予定。

講演「鹿塩温泉の水と塩はどこから来たのか?」

2013年06月01日 | 自然・環境


 今日は大鹿村中央構造線博物館の開館20周年記念特別企画の第1回目として、産総研の風早康平先生をお迎えして「鹿塩温泉の水と塩はどこから来たのか?」と題した講演が行われた。標高750メートルの山奥で大昔から湧き出ているといわれる鹿塩温泉の塩分濃度は、海水の3.5%よりも高い約4%もあるという。この不思議な塩泉の起源を探るお話だった。鹿塩温泉ということで、会場は公民館鹿塩地区館のホールだったが、遠方からも大勢のお客さんが来られて、かなり専門的な話もあったが熱心に聴講され、講演終了後には、明治時代に黒部銑次郎らが岩塩を探して掘削した坑道や墓所など、鹿塩温泉ゆかりの地を見学した。

 一般に温泉というと火山を思い浮かべるが、この地域に火山はない。非火山性の温泉としては、古い天水や海水が地温によって暖められた温泉水が多数存在するが、鹿塩温泉は天水起源ではなく、これらとも違う。もう一つの種類は有馬温泉を典型例として、非火山性で天水起源ではなく、塩分濃度が高く、断層や構造線に沿って湧出するもので、鹿塩温泉もこの仲間なのだそうだ。そして、その水はどこから来たのかというと、フィリピン海プレートがマントル内に沈み込んだときに放出された水で、マグマと同じ起源ではあるけれども、低温のためマグマになれなかったもので、「スラブ起源水」または「スラブ水」というのだそうだ。また、有馬温泉型といっても、高温の有馬温泉と冷泉の鹿塩温泉とは水温のほか水質、成分も違うが、それは鹿塩温泉水の方は長期間、地殻の内部に滞留しているために温度が低下したのではないかとのことだった。特に驚いたのは、最後の方に出てきた話で、大鹿村では1日2000kgもの塩が湧き出しているということ。この深い山奥で、とてつもなく長い時間をかけて湧き出している、これだけ塩分濃度の高い水、やっぱりオリジナリティの高いとても不思議な温泉なのだなと改めて思った。

風早先生


山塩館の製塩所。


※博物館の20周年特別企画として、引き続き、8月10日には松島信幸先生による「なぜ大河原から赤石岳が見えるのか」、10月に高木秀雄先生による「中央構造線の始まりから現在まで」という二つの講演会を予定している。