「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

環境影響評価技術委員会2回目

2013年12月27日 | リニア新幹線
 昨日は県庁で行われた環境影響評価技術委員会を傍聴に行った。リニア準備書の審議、2回目。受付で、まずどっさり資料を渡される。資料1は1回目の審議の際に出た意見、及び追加意見に対する事業者の見解、補足資料。資料2は先月25日に公表された、準備書に寄せられた意見と、それに対する事業者の見解。資料3は先月23日、24日に開催された公聴会の公述意見について、全員の発言内容の概要と文字起こしされた全文がついていた。資料1の補足資料は1-1から1-18まであり、そのうち1-6、1-8~11のは希少種の情報を含み非公開資料となっているが、あとは全部公開(非公開部分の審議については、この会議に先立って午前中行われた)。資料は今日にもホームページにアップすると言っていた。
 審議は、まず資料1の説明があり、それについての質疑が行われたけれども、途中で時間切れとなり、続きは次回になった。
 今日の信濃毎日新聞には1面にミゾゴイの話と、
ミゾゴイ、大鹿で再調査 JR東海が聞き取りへ
 4面には、各非常口から出る残土の量が示されたという記事が載っていた。
大鹿・釜沢地区が最多 リニアトンネル別残土をJRが初公表
 
 今回もJR東海の示した見解に対して異論や批判が相次いだ。時速500kmですれ違いの走行試験、水の解析に関して、個人の井戸など個別の水源の影響予測・評価、深層崩壊の危険な場所に橋梁や非常口、変電施設などを設けることに関して、残土置き場や残土運搬路の影響評価に関して等々。
 また、大鹿発電所の用水に関して渇水期の解析結果が出ていて、小河内沢については、完成後の渇水期の流量が0.084m3/sとされていた。これでは取水口下流では渇水期には本当に水がなくなってしまうだろうと思われたが、小渋川の水量と合わせると0.927m3/sで、発電所の常時使用水量0.6m3/sを確保できているから「影響は小さい」と書かれている。人が使う水資源しか評価しないのだろうか。
 静岡県でも大井川の水量が毎秒2トン減るという予測結果に流域自治体から懸念の声が高まっているが、それに対して、水を汲み上げて川に戻すという対策を示したそうだ。しかし、それでは、戻す地点より上流には何の対策にもならない。
 生物多様性のホットスポットであり、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)を目指している南アルプスにおいて、すべての生き物にとって最も大切な水についてそんな考え方では、本当に困ったものだ。 

12月定例会終わる

2013年12月20日 | 議員活動

 12月定例会が昨日で閉会した。今回は報告1件、議案が10件、請願2件、陳情・要望2件、発議が3件だった。
 報告は平成25年度定期監査報告。
 議案第1~3号は条例改正で、第1号が大鹿村村税以外の諸収入金に対する手数料及び延滞金徴収条例の一部を改正する条例の制定について、第2号が大鹿村介護保険条例の一部を改正する条例の制定について、第3号が大鹿村後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例の制定について。いずれも延滞金にかかわるもの。議案第4~9号は一般会計、特別会計の補正予算。一般会計では、ケーブルテレビにデータ放送システムを導入するのに約1900万円。これまでケーブルテレビのお知らせを確認するのに、見たい情報が出てくるまで、15秒ごとに入れ替わる画面をずっと待っていなければいけなかったり、歌舞伎や議会中継など自主放送の時間帯は見られなかったけど、データ放送の導入により、いつでも見たい情報がすぐ見られるようになる(ただし、昔のアナログテレビを地デジチューナーで見ている家では使えない)。9月の補正予算で電気自動車の急速充電器の設置があったが、それに伴い、公用車に1台電気自動車を購入するそうだ。購入費用は高いけど、燃料費は格安になる。ただ、走行可能距離は140km程度だそうで、充電器がもっと普及しないと近場にしか使えないみたいだ。福祉灯油券を今年も支給。あと、リニアについて、これまで役場庁内の対策会議だけだったけど、民間も交えたリニア対策委員会が設置されることになったので、その費用も。ちなみに議会内でもリニア議会検討会を作って、学習や視察、村の対策委員会との交流、周辺議会と連携して要望活動など行うことになった。村の対策委の議会枠は副議長。
 請願は、一つは長野地方裁判所支部における労働審判の開設に関する請願で、採択されて、意見書を提出。もう一つは、特定秘密保護法案の慎重審議を求める意見書提出に関する請願だったが、定例会開会前に既に国会で成立してしまったため議案としては上程されなかった。しかし、今回の強行採決について大鹿村議会として何らかの意見書を出したいという点では賛同を得られて、議員発議で特定秘密の保護に関する法律の慎重な運用を求める意見書を全会一致で可決。最初「廃止または抜本的な見直しを求める」で文案を作ってみたけど、賛成多数も得られそうになかったので、「慎重な運用を求める」という形で、強行採決を「極めて遺憾」とし、「特定秘密の定義の明確化、強い独立性と権限を持つ第三者機関の設立などを通じ、明確な説明がなされ、十分な国民的理解が得られるまで施行しない」ことを求めた。
陳情・要望は、一つは要支援者への予防給付を市町村事業とすることについての意見書提出に関する要望書で、村外の法人からの要望書だったため資料配付のみとなったが、趣旨は大事なことなので、議員発議で介護保険法改正に伴う地方財政負担の回避と介護サービスを保障することを求める意見書を提出。もう一つは、集団的自衛権に関する憲法解釈を変更することに反対する陳情だったが、採択に賛成したのは委員会の中で私一人で、継続審議となった。

 本会議に先立って行われた全員協議会では、リニア準備書についての村の意見、それに対する事業者見解と、その事業者見解に対する意見案が示された。1月10日までに県に出すもの。あと、介護サービス検討委員会の報告書、行政評価の評価結果の資料が配られた。

一般質問

2013年12月16日 | 議員活動
 12月定例会が12日に開会し、今日は一般質問が行われた。今回の質問者は4名で、最初に伊東議員が通学路の安全対策について、除雪サービスについて。次に私がリニアの準備書、事業者の見解を受けた、今後の村の対応について。次に北島議員が「リニア工事により農地破壊が進むのでは?」と題して、発生土の仮置き場として農地が対象となることを懸念し、対策を問う質問。最後に東村議員が、希少動植物保護条例の制定について、リニア関連工事〈及び一般道路工事)の広報について。

 私の一般質問の通告内容は、
1.リニア準備書、事業者の見解を受けた、今後の村の対応について
 9月に公表されたリニア環境影響評価準備書の内容は、国道152号線下市場地区で大型車が最大1日1736台通行するなど、村民にとって受け入れ難い内容を多々含み、多くの人が大変な不安や危惧、憤りを感じている。他地域と比してもはるかに負担が大きく、道路改良だけで小渋線などが安心して通行できる道になるのか疑問。ルートの分散化をして半分の台数でも、とても大変だとの声が上がっている。県道赤石岳公園線などは無理な拡幅工事を行うこと自体、土砂崩れを誘発する恐れがある。意見書に対する事業者の見解でも、村からの要望にあまり応えられていない。大鹿村として譲れない線をどこに置いているか。村民の生活環境を守り、譲れない線を守っていくために、どのような方策を考えているか。独自の環境基準を設けたり、水資源の独自調査を行う考えはないか。

 

12月定例会の日程

2013年12月06日 | 議員活動
 今日は議会運営委員会が開かれ、12月定例会の日程が決まった。

12月12日(木) 午前10時~ 本会議開会 
             議案説明、質疑、審議、一部採決、委員会付託

12月13日(金) 委員会
             
12月16日(月) 一般質問

12月17日(火)~18日(水) 委員会

12月19日(月) 午後4時~ 本会議

 今回は報告1件、議案が10件、請願・陳情4件。
一般質問は4名が行う予定で、うち3名はリニア関連の質問。


第3回議会報告会

2013年12月02日 | 議員活動
 昨日と今日の2日間、3回目となる議会報告会を大河原、鹿塩の2会場で開催した。だいぶ寒い時期となったので、夜に出てくるのは大変ではないかとの判断から両日とも日中の開催としたが、前回より参加者は少なくなってしまった。出てきてくださる方も固定化していて、もっと議会を身近に感じて出席してもらえる工夫も必要かなと思った。今回は、議会側の報告よりも意見交換をメインにしてほしいという声が寄せられていたのだけれども、その意見を寄せてくださった方も出席されなかった。
 議会の方からの報告は、北部ブロックや中部伊那の広域的な活動について、リニア関連の活動について、議長から簡単に、あと総務社教常任委員長から介護施設検討委員会の状況や監査委員からの報告等々。
 参加者から出された意見等としては、昨日はリニアについての話が多かった。このような環境破壊が許されるのか、住民の生活をどう考えているのか、工事が終わる10数年後、村は一体どうなってしまっているのか、JR東海は横柄・横暴すぎる、もっと説明・話し合いの機会を要求してほしい、非常口付近の方からは工事が始まるとどうなるのか想像もつかない、恐ろしい、考えると眠れないといった切実な声もあった。今回も議員各個人の現時点でのリニアについての賛否を問う質問もあり、一人一人答えた。多くの議員は、ここまで来たらリニアそのものを止めることはできない、いかに被害、不利益を最小限にできるかを考えるしかないといった言い方だった。
 そのほか、地域ブランド協議会についてのご意見や、歌舞伎伝承館についてのご意見等いただいた。
 今日は参加者6人と少なく、リニアについての話はさんざん出ただろうからということで、あまり出されず、他のテーマで細々した要望などをいただいた。リニアについては村の存亡の危機とも言える重大問題だけれども、何とかピンチをチャンスとして活路を見いだすことができるようにという言い方を、お二方からいただいた。若い人の参加が少なく、若い人にとって議会が遠い存在になっている、例えば託児所を設けてはどうかという意見もいただいた。