「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

第8回リニア対策委員会

2015年07月28日 | リニア新幹線
 安保関連法案の衆議院での強行採決など重大なことがありながらも、落ち着いてブログを書く精神的ゆとりがないまま、はや1か月もたってしまった(twitterやfacebookではいろいろな情報のシェアなど、もう少しまめに発信しているので、そちらも見てください)。
 さて、今日は8回目のリニア対策委員会が開催された。前回は6月2日の住民説明会に対する住民意見・要望をまとめたものを協議したが、今回はそれらの質問・要望に対するJR、中電、県からの説明を聞いて協議。しかし、JRや中電からの説明は前回とほとんど変わらず、相変わらず「理解」や「合意」には程遠いと感じた。
 特に多くの村民の関心の高い小渋線の改良については、JRは交通シミュレーションの結果からこれ以上の拡幅等の対策は不要としているけれども、大方の村民は幾つかの橋のところで詰まってしまうと思っている。JRのシミュレーションでは信頼できないので第三者にやってもらったらどうかとか、JRの言う渋滞の定義はどういうものかといった質問が出た。JRが拡幅不要というのは、渡場~滝沢トンネル間の所要時間がどれだけ延びるかということで、今の改良計画では現状の16.7分が1.8分延びて18.5分になるけれども、それは容認してほしいという意味なのだそうだ。現状ではダンプや路線バスなどゆっくり走る車は抜かせてくれるので、速い車はもっと短時間で行けるわけだけれど、1時間当たり200台以上の交通量だと追い越しは不可能なので、みんな遅い車と同じ時間かかってしまうことになる。果たして、それで多くの村民が納得するのか疑問だ。実際に残土運搬車の走行が始まって問題があるようなら様子を見ながら更なる改良もありえるという話もあったが、1350台通行している中で拡幅工事をして片側通行止めなどできるのかという疑問も出された。
 152号線の代替ルートについても、前回示された小渋川の右岸堤防道路利用というのは決定ではなく、今後も協議を続けるとしたものの、はっきりとしたことは分からないまま。
 送電線についても、地中化の検討資料も出されたけれども、前回と同様の理由で架空線にしたいとのこと。これを決める方法について質問が出たけれども、JRや中電が決めて「理解」いただくものであって、村が決めるのでも対策委員会が決めるのでもないという回答。
 
 その他、質問事項に対する説明・協議が順番に行われ、最後になって、今後、契約手続き(工事公募)を開始すると、さらりと言われた。契約手続きには概ね半年かかるそうで、契約手続き開始後も、村および関係者との協議は継続するとのこと。JRが6月2日に示した工事スケジュールにあった今冬着工のためには、逆算すると早急に工事公募を始めたいのだとは思うが、それはJR側の都合であって、大鹿村民にとっては何ら関係ない。対策委員会の空気としてもまだまだ「理解」や「合意」には遠いと思うのに、事業者の判断のみで工事公募を始められてしまうことには納得がいかない。

リニア、工事公募に理解求める JR、開始時期は明言せず(中日新聞)