「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

息子の引っ越し

2006年03月30日 | 子ども・教育
 月曜日に次男の引っ越しをした。夫の実家に行った長男のときは、本当に衣類やゲーム機を持っていったぐらいだったので、段ボール箱を宅急便で送って、あとはリュックだけの身軽な引っ越しだったけど、今度はアパートで新たに一人暮らしを始めるのだから、家財から何から一切用意しなくてはならない。その辺の読みが甘くて、いろいろ買い物をしながら行って、運び込んで、次の日にもう一日足りない物を買い足したりしてやれば何とかなると思っていたけど、とんでもなかった。
 最大の誤算は、もう3月も末に近く、新生活応援セールみたいなものはあらかた終わりに近づいて、商品が入れ替わっていて、特に暖房器具関係がほとんどない。何とかこたつを見つけたものの、こたつ布団が何軒か見た中では見つからなかった。月曜日の日中は暖かかったので、息子は「要らない」と言うし、大丈夫かなと思いながら、家に帰ると、早速電話がかかってきて、「寒いから、寝具の布団をこたつに使ってもいい?」とのこと。
 次の日は高校のオリエンテーションがあり、子供がいない午前中は前日運び込んだままになっていた幾つかの家電品を段ボールから出して、アース線をつないだり、組み立て式の棚を作ったり。午後から一緒に買い物に行こうと思っていたら、早速お友達が来たりして、十分な時間が取れず、結局こたつ布団は入手できないまま、彼の「大丈夫」という言葉を信じて帰宅すると、その夜は冷え込んで雪になった。
 そして昨日、悪天候のため予定していた野外の作業を急遽キャンセルした夫が出掛けていって、(息子は前からの約束で遊びに出ていたけど)、こたつ布団を見つけて、さらに近所の友達の家で今使っていないというヒーターを借りていって、ようやく寒さ対策は何とかなった。
 いやはや、子供の引っ越しというのは大変なものですね。本人は「大丈夫、大丈夫」と軽く考えているみたいだけど、親はあれこれ心配。落ち着いて生活できるようになるまでに、まだまだ時間がかかるのかな。

志賀原発2号機運転差し止め判決

2006年03月24日 | 地震・防災
 志賀原発2号機について、耐震設計に問題があるとして、周辺住民が運転差し止めを求めていた訴訟の判決が金沢地裁であり、住民側の主張が認められて、「被告は、志賀原子力発電所2号原子炉を運転してはならない」(主文)という判決が出た。運転中の商業用原発で住民側が勝訴したのは初めてだとか。
 国の地震調査委員会がマグニチュード7.6の地震が起こりうるとした活断層が原発付近にあるのだそうだ(邑知潟断層帯)。
 浜岡の裁判にも追い風になるといいな。巨大地震がいつ起きてもおかしくないと言われる場所の真上に原発があること自体、普通の感性で考えたら、とても正気の沙汰とは思えないことだもの。
 

国語教科書の思想

2006年03月22日 | 子ども・教育
 去年も書いた話だけど、今日は転退職される先生がたの送別会があった。今年は中学校からは6人も転退職されるということで、がらっと顔ぶれが変わってしまうことになる。次男の入学と同時に転入してきて、3年間次男の担任だった国語の先生も転任することになった。
 実は次男は、特に国語力がないとは思わないのに、何で?と思うほど国語のテストで点が取れなくて、先生にこぼしたこともある。あるとき業者テストか何かの答案を見ながら、あんたがどう思おうと、テストの出題者の求める解答は道徳的な答えが正解に決まっているじゃない、と思ったことがあった。そんなときに新聞の書評欄か何かで標題の本の紹介を読んだ。
 本自体は読んでいないのだけど、紹介によれば、要は国語教科書の内容は一種の道徳教育になっていて、テストで道徳的でない解答を書く子は国語の点が取れないといったことが書いてあるらしい。
 そんな話を送別会のときにちらっとしたら、先生たちの中でもそういったことは時々話題になって、先生は作文などでは道徳的であるかないかということでは評価しないと、子供たちに言っていたそうだ。で、息子はあまり道徳的でないけど、それなりに面白い作文を書いたりしていたらしい。
 学年だよりのお便りに、子供たちの学校生活とは全く関係のないラーメン屋さんの話をよく書かれていて、我が家では楽しく読ませてもらっていた。子供たちからも慕われていた先生で、いなくなると寂しくなります。
 

7人の卒業式

2006年03月17日 | 子ども・教育
 今日は次男の中学校の卒業式だった。長い子は保育園から10年以上一緒だし、小学校入学からの9年間は全く転入も転出もなく同じ顔ぶれで過ごした7人の子供たちだが、いよいよ村の学校を巣立っていく。
 村には高校がないので、昔は高校になると、みんな下宿生活だったそうだ。今は、バスと電車を乗り継いで、片道1時間半以上かけて通っている子も多いが、村と隣町を結ぶバスの本数が少なく、部活動で帰りが遅くなる子や、うちのように村の中心部からさらに遠い子はやはり通うのは大変なので、下宿するケースが多い。
 次男は、高校の近くの下宿はいっぱいらしくて、アパートを借りて自炊することになった。日ごろ家で手伝いをする子ではないので、ちゃんと自炊ができるかどうかがやはり気がかり。高校はすぐそばだけど、周りは畑が多く、お店がちょっと遠いので、簡単に調理できる冷凍食品など、頻繁に食料を運んでやらないといけないかもしれない。いずれにしろ、自宅から通う子たちに比べて、お金も相当余計にかかることになる。

 卒業式は済んだものの、後期選抜の合格発表は20日。いま一つすっきり晴れやかな気持ちにはなれないところもあるが、全員合格すると、7人中6人が同じ高校に進学することになるらしい。卒業式後の最後の学活で、担任の先生が、生徒指導という点では本当に楽をさせてもらった3年間だったと言っていたが、この子たちならそうだったろうなと思う。
 そんな中にあって、次男は「超楽天的な性格」で、生徒会活動などで、担任をいつもはらはらどきどきさせていたらしい。3年間、本当にお世話になりました。

<追記>全員無事、合格しました。

納税相談

2006年03月10日 | 田舎暮らし
 今日は納税相談に行ってきた。確定申告のこの時期、村では納税相談日が各自治会ごとに割り当てられている。例年、申告書は、収入や経費を計算した数字と源泉徴収票を持参して、ほとんど税務課の人に書いてもらっている。何せ、今まで農業収入を経費目安割合方式で申告していたのだけど、自分では数字の出し方がよく分からなくて、全部お任せだった(一切販売していなくても、農地があって、田畑を作っていれば、自家消費や人にあげたりするだけでも収入と見なされる)。
 テープ起こしの収入のほうは、一昨年から、前に書いた「家内労働者の特例」を使って、白色で申告している。でも、小さな村のこと、担当者もそれについて知らなかったので、最初の年は飯田市の税務署に電話で問い合わせて、特例が使えることを確かめた上で、これについて説明されたホームページか何かをプリントアウトして持っていって説明したりした。
 去年までは、私の持参した数字を担当者が全部手書きで申告書に記入してくれていたので、だいぶ手間取ったけど、今年からはパソコン上で入力して、申告書がプリントアウトできる方式になっていた。社会保険料など、役場で把握しているデータは入力済みだったので、今までと比べるとだいぶスピーディーになったかな。
 一緒に画面を見ながら、そういえば、国税庁のホームページに確定申告書作成コーナーがあって、申告書が作成できるようになっていたことを思い出した。来年はちゃんと自分で作ってみようかな。(問題は農業所得。来年からは経費目安割合方式は使えなくなるし、自家消費分の金額換算なんて、考えただけでも面倒くさそう)
  

サポート校というところ

2006年03月07日 | 子ども・教育
 前にも書いたと思うが、上の子は小学校高学年から中学時代、いわゆる不登校だった(田舎の少人数の学校だからといって、不登校その他の問題と全く無縁というわけではない)。成績通知票は数値評価は一切なしで、コメントのみだったし、家で勉強していたわけでもなかったので、とても普通の県立高校に行ける状況ではなかった。それでも、本人も進学する意志を示したし、親としてもせめて高校ぐらいは出ておいたほうがいいと思ったので、いろいろ調べた結果、通信制高校サポート校といわれる所に行くことになった。
 今は不登校の子供が増えているせいもあって、そうした子供に対応した選択肢が随分増えた。旧大検(高等学校卒業程度認定試験)を受けて進学したり、あるいは通信制、定時制、単位制などの高校も受け皿になっている。特に通信制の高校はスクーリングを受けてレポートを提出し、試験を受ければいいので、毎日通学する必要がなく、不登校の子はもちろん、働きながらとか、多様な生徒を受け入れているところだと思う(NHK学園などはテレビを見ればいいので、スクーリングの日数も少ないらしい)。
 ただ、自分で勉強できる子はいいけれど、不登校でそれ以前の基礎ができていない子が自力でレポートを仕上げるのは、それほど簡単ではない。そこで登場したのが、通信制高校と連携したサポート校というところ。要は通信制高校のレポート作成をサポートし、そこに通うことでスクーリングの条件を満たし、試験もそこで受けられる。なので、律儀に毎日通わなくても大丈夫だし、通えない子には個別サポートをしてくれたり、学校によって、かなりきめ細かいサポートをしてくれているようだ。
 息子もそうしたサポート校の一つに3年間通い、昨日卒業式があって、夫が出席してくれた。(外見上も)多様でユニークな子供たちが大勢いたそうだ。正確なところは分からないけれど、息子のクラスの子もほぼみんな卒業できたみたい。3年前にこの学校の説明を聞きにいったとき、いじめに遭って不登校になってしまった娘さんの話を涙ながらにされていたお母さんと同席したけど、その娘さんもきっと明るい学校生活を過ごして巣立っていったことだろう。
 不登校はやはり親も心配になるし、ついついネガティブに見て、ますます子供を苦しめることになりがちだけど、今の時代はこうしたところも含めて多様な選択肢がある。まずは親がどっしり構えて、温かい目で子供の気持ちを受け止めてあげることが大事じゃないかと思う。(そうはいっても、今の「格差社会」、心配は心配だけど、逆に学校にちゃんと行ったから大丈夫というわけでもない)
 ただし、この手のところは文科省の認可を受けた「学校」ではないので、おおむね授業料は高い。別途、提携する通信制高校にも入学しなくてはならないから、二重にお金がかかる。こういう選択肢もありうるという単なる紹介で、別にお薦めするとかいうわけではありません。息子が行ったところは、とにかく自由な感じのところ。それぞれの学校に特色があるようなので、事前によ~く調べることが必要かと思います。

やはり海面上昇

2006年03月05日 | 自然・環境
南極の氷、東京ドーム約40万個分消失 (読売新聞)
 前に南極の氷が解けても海面上昇はしないという説があるという話を耳にしたことを書いた。でも、こういう記事を見ると、やはり氷は失われて、海面上昇が起こると考えるほうが、よほど「科学的」なんじゃないかと思う。この3年、毎年東京ドーム12万個分の氷が失われて、それは海面を0.4㎜上昇させるだけの量だそうだ。今まで陸地の氷の増減量はよく分かっていなかったが、重力の変化を調べて分かったらしい。
 少し前には、グリーンランドの氷河の流出の話もあった。こちらは氷河の移動速度と氷の厚さから、年間の流出量が10年で約2.5倍になったことが分かったという。05年の海面上昇は3㎜で、そのうち0.5㎜がグリーンランドの氷の流出によると推定されるとあった。
 どちらも人工衛星からの観測に基づく、NASAを含めた研究グループによるもので、アメリカの科学雑誌サイエンスに掲載された内容とのこと。
 地球環境問題はもはや待ったなしのところに来ているのだということが、どんどん「科学的」にも明白になりつつあるように思う。