「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

ほっとけない10DAYS

2005年11月29日 | 非戦・平和・社会
 先月末ぐらいだったか、ホワイトバンドの売り上げの使途をめぐる疑問がいろいろ出ていることが毎日新聞か何かで報道されたが、その後、記者会見が行われて、「ほっとけない世界のまずしさ」の公式サイトも全面リニューアルされて、その辺の説明がかなり明快になったように思う。
 12月からはWTO閣僚会議に向けて、「ほっとけない10DAYS」、10日の世界人権デーには、「世界ホワイトバンドデーⅢ」として、世界中で同時にアクションが行われるとある。普及、バッシングの嵐を経て、活動の真価が問われるのは、まさにこれからだろう。
 公式サイトの「貧困への理解」の中にある「特別寄稿」というところには、中学生が校内弁論大会で発表したという内容が再構成されて掲載されている。中学生らしい、まっすぐなみずみずしい感受性に触れて、こちらも少し元気が出る。その前の辻さんの寄稿も、私自身の「ほっとけない」に対して感じていることにすごく近くて、うんうんうなずきながら読ませてもらった。
 
 貧富の著しい格差、そして、それが階層等によって固定化されてしまっている状況は、人々から希望を奪い、社会の不安定や治安の悪化も誘発する。このグローバルな時代、宮沢賢治じゃないけど、「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない」というのは、ますます真実になってきていると思う。私自身にできることなんて本当に限られているけど、何十億分の1でも、やっぱり「ほっとけない」という思いを発信し続けていたいし、自分にできることをしていきたい。

わら草履づくり

2005年11月23日 | 手作りあれこれ
 今日は先日の日記にちらっと書いた村の民俗資料館「ろくべん館」にて、わら細工の伝承講座の第1回目、わら草履づくりがあった。
 講師は大正12年生まれで今も現役で農作業をなさっているという方、むしろも作っておられるとか。教わる側は子供1人入れて8名ほどで、ちょっと少ないなと思ったけど、おかげで、しっかり教わることができたかな。これで、参加費100円は安すぎる。
 わら草履は、以前、小学校のふれあい教室か何かで一度教わったことがあったけど、そのときは子供たちが主役で人数も多くて、完成までに至らないままだったので、一度はちゃんと教わっておきたいと思って、時間を作って参加することにした。それもだいぶ前のことで忘却のかなただから、初めてみたいなもので、かなり無骨な仕上がりになったが、一応、片一方は完成した。(写真左)
 最初に縄をなうところが大事で、すべりがよくなるように、よくしごいてやらないといけなかった。早く取りかかりたいために、この作業をいい加減にしたら、最後に引っ張るところでえらく苦労した。
 今後も月1回くらいのペースで継続するそうで、来月はお正月飾りを作るとか。

 ちなみにわら草履の作り方はここに詳しい。布で作っても、とても履き心地のいい室内履きになりそう。

贈与経済

2005年11月17日 | 田舎暮らし
 昨日、近所の友人が「大根、ある?」と言って、畑で抜いたばかりと思われる葉っぱつきの大根をどっさり持ってきてくれた。つい先日の産業祭のときも、別の友人から野菜を頂いたばかり。この夏は冬野菜を作付けしそびれてしまったので、本当にありがたい。
 村にはまだ贈与経済が当たり前に生きている。野菜を出荷するほど作っていれば、さまざまな理由から出荷できずに畑に残るものは必ずあるし、自給用に作っている人だって、大抵多めに作るから、食べきれなくて残るものは必ずある。そうしたものが無駄にならずにだれかに食べてもらえれば、それは喜ばしいことだ。
 野菜に限らず、さまざまな有形無形の贈与、あるいは助け合いによって、どれだけありがたく豊かな思いをさせていただいてきたか計り知れない。山奥の過疎の村では、互いに助け合わなければ暮らしてこられなかった面も多々あると思うけど、貨幣経済万能らしい今の時代にあっても、そういう心が変わらず生き続けている。
 
 こと野菜に関しては、最近頂く一方になってしまっているのがちょっと心苦しいけど、それもまた別の形で返していけることもあるに違いないと思っている。

いまどきの「常識」

2005年11月15日 | 非戦・平和・社会
 香山リカさんの『いまどきの「常識」』を読んだ。ここに書かれている最近の風潮、「常識」への違和感は、ほぼ私も共通して感じることだけど、それを「常識」と記さなければならないほどに、世間に広く受け入れられている考え方なのかと思うと、ひどく憂うつな気分になってくる。
 6章の「国を愛さなければ国民にあらず」の冒頭には、公開討論会で「平和」という単語を口にした瞬間、周りの空気が一瞬「凍りついた」とある。「平和」「反戦」「理想」「人権」「平等」といった単語を口にするだけで、テレビ局に抗議の手紙が来るそうだ。「平和」や「反戦」にとらわれるのは頭が古い証拠で、野暮、お金は万能、世の中すべて自己責任……。
 先の選挙での自民党の圧勝を見ても、世の中は信じがたいほど保守化・右傾化してしまっているらしい。それも若い層が。憲法9条が改正されて自衛軍になったら、まず戦地に派遣されるのは若い人たちなのに。
 それに帯の文句! 「これを押さえればあなたも「勝ち組」!? でも、それでいいのだろうか…」。あるいは岩波のサイトに編集者が書いた紹介文があるが、その最後に、「これらの「常識」を目にして、読者の方々はどう感じられるでしょうか? 「こんなの当たり前だよ。何がいけないの」と感じる方。あるいは「こんな常識がはびこる社会は違和感がある」と感じる方。もし、あなたが後者だとすると、「負け組」の道に一歩足を踏み入れています。どうかご注意を。」とある。「勝ち組」「負け組」という言葉はどうもなじめない嫌な言葉だと常々思っているが、ちょうど『下流社会』(三浦展)も読んでいたので、かなり後味の悪いブラックジョークに感じてしまった。

やはり当たり前に「Give Peace a Chance!」と言える世の中であってほしい。

産業文化祭

2005年11月13日 | 田舎暮らし
 今日は村の産業文化祭だった。私は主に4月の日記で書いた織り姫工房の店番で、写真のような裂き織りの作品なんかを売っていた。といっても、今年はみんな忙しかったのか、あまり売る作品がなかったし、横にろくべん館から運んできた機を置いて、裂き織りのコースターを織る体験ができるようになっていたが、織ってくれたのも一人だけだった。
 もう一人の人と交代で、一応、会場全体を一周してきた。前にちらっと書いた大豆料理はどんなのが出てるかなと見たら、村のどなたかが工夫されたものではなくて、印刷物になっているようなレセピを作ってみましたというものが3点ほどあっただけで、ちょっとがっかり。みんな、こんなところに出すほどのものじゃないと遠慮しちゃうのかな。自慢料理のコーナーも漬け物が少しあったけど、去年より出品が少なかった。
 一方で、この村の牧場でアルペン酪農をやりたいという夢を持って転入されてきた方が、山羊を連れてきて、チーズの試食コーナーを設けていたり、あおぞら市の面々が野菜や豆類などを販売していたり、「安心して暮らし続けるための村づくりの推進を図る事業」を行うNPO法人として近々発足する友人たちのコーナーがあったり、新たな参加もあった。
 天気は良かったのだけど、会場は日が陰るのが早くて、夕方は寒かった。

紅葉が散ってきました

2005年11月09日 | 山の風景
 昨日、今日と冷たい風が吹いて、だいぶ葉っぱが散り始めた。特に昨日は朝晴れていたのに、午後になって突然すごい風が吹き出して、びっくりした。もっと赤くなってからなんて思ってたら、散ってしまいそうなので、家の前のモミジを撮った。右のほうはカラマツ。

 ところで、本当はカテゴリーを分けたほうがいいのだけど、最近迷惑メールフィルタを導入した。BkASPilというBecky!のプラグインで、受信時に自動的にごみ箱に振り分けてくれる。最初のうちは大事なメールがごみ箱に行ったりしていたけど、スパム登録&学習、ホワイトリスト登録していくことで、だんだんいい感じになってきている。うれしいのが、ごみ箱行きのメールだけだったら新着のお知らせ画面が出ないこと。スパムのために作業を中断させられることがなくなった。
 Becky!を使っている人だったら、お薦めだと思います。
 
 

三段紅葉

2005年11月04日 | 山の風景
 昨日の文化の日は晴れの特異日だと思うが、あいにくの天気だった。紅葉シーズンということで、名古屋から日帰りバスハイクツアー、大型バス10台以上の観光客が入ったそうだけど、ずっと曇天で、朝夕は冷たい雨も降ってきて、本当に気の毒だった。
 でも、今朝起きたら一転して快晴。うちから見える中央アルプスも、また白くなっている。しかも、今日は仕事はオフ。というわけで、行ってきました夕立神展望台。今年の紅葉はいまいちと思っていたけど、道中の林道もかなりきれいに色づいている。車を止めて写真を撮っている人もいたけど、平日とあって、夕立神の駐車場には車はほんの数台。でも、今日来た人は本当に大正解。
 カラマツも広葉樹もすっかり紅葉し、ほぼ快晴の澄んだ青空の下、360度の展望。遠くは北アルプスの一部まで見える。写真は南アルプスの主峰、赤石岳です。

昨日、初氷

2005年11月02日 | 田舎暮らし
 11月に入って、昨日、今日と、朝起きると真っ白に霜が降りている。ごく軽い霜は10月中にも降りていたけど、初氷は多分昨日だろう。外に置いてあったゴムホースの中の水が凍っていた。そろそろ水道管に巻いてある凍結防止ヒーターのコンセントも入れないと、やばい。
 人間が寒いのは、ストーブをたくなりして暖房すれば済むけど、水が凍ると厄介なことになる。うちは山のわき水と村の水道と両方引いていて、以前、山の水は水道代がかからないので、冬は出しっぱなしにして凍結を防いでいた。そうすると、町から来たお客さんが来たときに、ちゃんと注意をしておいても、習慣的に水を止めてしまう人が必ずいる。厳寒期にひとたび凍らせたら、下手をすれば春まで溶けないし、管が破裂することだってある。何回かこういう経験をした後に、そこもやはり凍結防止ヒーターを巻くことにした。
 お風呂の釜だって、水を抜かないといけないし、外で水を使ったら、ホースの水は必ず抜いておかないといけないし、寒冷地の冬は何事にもひと間余計にかかる。厳寒地で災害などで長時間停電なんかになったら、こんな面でも大変なことになるだろうなと思う。