「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニアシンポジウム&フェス

2014年02月18日 | リニア新幹線
3月2日に飯田文化会館にてリニアシンポジウム&フェスが開催されます。
当初は午後のシンポジウムだけの予定でしたが、若い人たちが午前中にフェスを企画してくれて、とても中身の濃い集まりになりそうです。facebookのイベントに掲載されている情報をシェアします。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしています。




3/2(日) リニアシンポジウム&フェス in 飯田文化会館 のお知らせ

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2014年、リニア計画の着工をめぐり各県で議論が巻き起こっています。

長野県でも、各市町村でのJRの説明会で、自然環境、生活環境、地域づくり、建設の目的などに関して様々な疑問点が指摘されましたが、住民や小さな町村自治体の声に応えることなく「推進」の動きに歯止めがかかりません。

今こそしっかりと開かれた議論をしましょう。

何が問題なのか。
リニアは本当に私たちに豊かさをもたらすのか。
ふるさとの将来を育むため、どんな価値観を大切にしたいのか。

市民ひとりひとりが、情報を得て、考え、行政や国と一緒に働き、冷静な判断を促していくべき時だと感じこのリニアシンポジウム&フェスを開催します。

リニアシンポ&フェスでできること

☆ 知る ☆
リニア計画の現状、問題点を知る。
私たちの将来・くらしとどう関わるのか知る。
工事現場となる地域で暮らす人々の想いを知る。

☆ はなす ☆
地域の未来に関して、自分の立場、自分の意見を人に話す。
違う考えを認め、対話する姿勢を大切にする。

☆ つながる ☆
各市町村にちらばる想いをもった人々が集まりつながる。
価値観がつながる。
なによりもそんな姿勢が、未来の街・村づくりに繫がっていく。

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10:00~13:00 フェス @1階展示室

☆ トークチャンネル
あなたの想いを語りに来ませんか?

会場とWEBからの意見を聴き、語り、考える参加型のトークイベントです。
建設現場となる各地の声、子育て中のママ、Iターンの若者の声など、多様な視点の意見を歓迎します。Twitterでも参加できます。(‪#‎リニアシンポ‬)

☆ フリーマーケット「スマイル100%」

ランチCafe、ライブ、アート展示

13:00~は、シンポジウムに参加するママを応援!
同会場で託児できます。ネット中継でシンポの様子も見れます。

参加費:ドネーション

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13:00~16:30 シンポジウム @2階会議室

☆ 基調講演「リニア計画の行方」

講師 橋山禮治郎氏(千葉商科大学大学院客員教授、アラバマ大学名誉教授)

☆ パネルディスカッション

コーディネーター 河本明代(大鹿村議会議員)
パネリスト 松島信幸氏(理学博士)
      酒井和美氏(市民オンブズマン)
      曽我逸郎氏(中川村村長)
      山根沙姫氏(大鹿の100年先を育む会)

※ 会場から質問や意見を出す時間を多くとります。

参加費:資料代500円

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全イベントを、インターネットで生中継します(USTREAM)!!!
会場にこれなくても、WEBからも参加大歓迎!

放映メディア:inadani.tv で検索!

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メディアの皆様へ
各メディアでの取材・掲載をサポートする体制をとっております。
下記連絡先へお問い合わせください。

主催 飯田リニア学習会実行委員会
連絡先
片桐晴夫(飯田リニアを考える会)0265-24-5604
久保田雄大 080-51541-7968

長野県環境影響評価技術委員会3回目

2014年02月02日 | リニア新幹線
 一昨日、1月29日に開催された県の環境アセス技術委員会に、また傍聴に行ってきた。1回目、2回目は傍聴者が本当に少なかったが、今回は関係市町村席、傍聴席とも人が増えた。各市町村からの意見が出され、それについてどう答えられるのかに関心が高まったためだろうか。また、前回、前々回とも時間切れになっていたことを受けて、今回は開始時間が30分早まり、JR側の説明も資料の朗読はせず簡潔にするように求めていた。それでも30分強時間を延長して行われた。途中、非公開の審議の間はロビーで待つ形になったが、その間、南木曽から傍聴に来られていた方たちといろいろお話しすることもできた。

 資料としては、前回出た意見及び追加意見に対する事業者の見解と補足資料、市町村からの意見概要、県関係機関からの意見、欠席委員からの意見、さらに参考資料として公聴会での意見を項目別に整理したものが配られた。補足資料では、資料1-4として「大鹿村付近の路線選定、変電施設設置位置について」という資料があり、村から出されていた、小渋川を地下で通過することを求める要望については、トンネル施工上のリスク増加、非常口(斜坑)工程の長期化に伴う全体工期の増加、トンネル延長(本線、非常口)増に伴う掘削土量の増加を理由に、地下化は採用しないという説明。また、変電所計画についても、山梨の変電所との距離が約35kmであり、これ以上間隔を拡げられない、現在の計画位置が最適かつ唯一との説明。3haとされていた敷地面積については極力減らすとあった。(送電線については触れていない)そのほか、猿庫の泉近傍、妻籠水道水源保全地区の近傍のボーリング柱状図や、年別・地区別の発生土量、トンネル掘削計画の概要(非常口からの掘削方向を示したもの)等々があった。

 審議は、委員から出された意見に対する事業者の見解の資料をもとに、前回の続きから項目ごとに行われた。初めに、今回初めて出席された磁界についての武林委員から、山梨実験線における公開測定に参加しての話があった。ICNIRPの基準はすべて下回っているものの、磁界は周波数によって影響が変わってくるので、周波数のデータをちゃんと表示してほしいということ。また、ペースメーカー承認基準である1ミリテスラから見ると、客室内では0.3~0.4ミリテスラだけれども車両間の超電導磁石に近い場所では0.9ミリテスラという数字も出ていて、安全に余裕のある数字とは言えないともおっしゃっていた。
 また、人と自然の触れ合い活動の場の選定について、陸委員から例えば大鹿村で大西公園だけに絞り込まれていて小渋川流域が該当しないという理由が分からない、住民のヒアリングをきちんとして、納得のいく評価をすべきではないかという意見が出された。それに対して、JR側は小渋川流域というと延長が長い、主要な場としては不特定多数の人が集まる場として地域の重要な講演である大西公園を選んだという回答だったので、人が1か所に大勢集まるだけが人と自然との触れ合い活動の場ではないし、工事期間中の車両の運行を評価しないのは不十分だと指摘された。
 廃棄物については、小澤委員から環境影響を減らすために非常口の数を減らせないのかという質問があり、大鹿村の釜沢地区で二つの非常口を設けているのはむしろ上蔵と釜沢のトンネルを早くつないで、トンネルを使って排土をすることによって県道への負担を減らすためだという、大鹿村での説明会でもなされた説明があった。富樫委員から、やはり大鹿村の地形・地質的にリスクが大きい場所に地上の重要構造物が集中していることについて、それは工期を短縮するという工事上の必要性であって、環境保全とはトレードオフの関係になっている。工期よりも環境ではないかとする意見に対しては、JR側は2027年開業を目指すことが大前提であり、それを変える気はないという回答だった。南木曽町から二つの非常口は受け入れられないという意見が出ていることに関しては、非常口二つの計画自体は変えないけれども、工期をずらして車両の運行台数を調整することはできるという回答だった。
 水資源について、シミュレーションが100%合っているという自信はないので、工事前もしくは期間中において「適正にモニタリングを実施し、事後調査を行う」という見解になっているが、具体的な内容がないので、調査範囲といつどのように調査するか、どういう場で公表するかといった具体的なものを示してほしいという意見も富樫委員から出されていた。 
 非公開で審議された動植物の話の中で、ミゾゴイについては工事着手前に目視で調査するとのことだけど、これにしても水の調査にしても、評価書に反映させるのではなくて、みんな事後調査。2027年開業のためには今年度着工が必須であり、そのためには評価書作成に時間をかける気はないということだ。信毎記事では、3月25日までに出される知事意見を受けて「4月にもまとめる」と書かれていた。そんな短期間で地域から出されている懸念に応える修正はどう考えても不可能で、静岡でも、標高2000mの稜線付近の残土置き場の計画を変更するつもりはないと回答しているそうだ。
 本当にこんな沿線地域の声を無視した強引な進め方を認めてもよいのか、リニア自体の是非を超えて考えてほしいもの。

大鹿のミゾゴイ、リニア工事前にJRが目視調査(信濃毎日新聞)

年残土予想量を公開 リニア建設で環境影響技術委(中日新聞)

リニア計画「大鹿の生活影響を懸念」県環境委が審議(南信州新聞)

長野県環境影響評価技術委員会の開催状況
 ここで議事録や資料が公開されている。議事録作成前は録音された音声。