「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア連絡協議会等

2018年10月05日 | リニア新幹線
 リニア連絡協議会のことくらいはFacebookではなくブログに記録しておこうと思いつつ、諸事情で多忙につき、すっかりブログの更新が滞ってしまっていた。
 8月5日~9月6日の1か月間、大鹿村役場において、中部電力によるリニア変電所への送電設備の自主環境調査結果報告書の閲覧が行われた。これは「日本で最も美しい村」の看板である赤石岳を望む景観の中に送電鉄塔が建ち並ぶことから、当初から地中化を求める声が強かったが、中電側はさまざまな理由から架空送電線とするものとして自主環境調査が行われていたもの。Web上での公開もなく、報告書のコピーも写真撮影もできず、役場で閲覧するのみだったので、閲覧者はごく少数だったようだ。村内の住民グループがアセスの専門家である日本自然保護協会の辻村千尋さんを招いて学習会が行われたので、話を聞きに行ったが、いくら自主アセスだからといっても、この公開方法はアセスの趣旨からいっても不適切であるとの指摘があった。
 8月29日には、大鹿村のリニア工事としては2か所目となる、伊那山地トンネル青木川工区の工事説明会が地元自治会対象に非公開で開催された。また、9月6日にリニア連絡協議会が開催され、この青木川工区の工事説明会と同内容のパワポと、地元説明会で出た意見とそれに対する回答について説明があった。
 この工区では中央構造線の破砕帯や蛇紋岩地帯等、地質の脆弱な場所を通ること、青木川の下を35mの浅い土被りで通ること、新たな残土置き場候補地への道路が非常に狭いこと等々、さまざまな懸念事項があり、地元説明会では青木川の減水予測、また減水が生じた場合の対応や、薬液注入の水資源への影響、老朽化した橋梁や狭隘な道路の改良等々、さまざまな質問が出たそうだ。

 9月7日からは9月定例議会が始まり、10日の一般質問では、私は中電の自主環境調査報告書について質問した。公開方法についてや、閲覧者がどの程度いたのか、出された意見に対する事業者の見解がいつ示されるのか等、また工事用車両通行道路が国道になっていたので、迂回路通行を求める質問をした。
 9月議会は、7月豪雨の災害復旧費の専決処分の報告に始まり、また議会直前の4~5日に台風21号により村内各所に大きな被害があり、最終日には約7億円もの災害復旧費が追加上程されて即決される等、役場の皆さんも災害対応で大変な中での議会だった。全員協議会では、村内の被災状況の説明や、今後の災害時の避難手順についての説明等々があった。
 リニア関連では、前日に長野県よりプレスリリースが出た鳶ヶ巣沢地籍の盛土計画についての設計照査実施のお知らせがあった。これは26日に現地視察が行われた。

リニア 残土による中川・大鹿の沢埋め立て 検討へ第三者委発足(信毎Web)

 9月21日には青木川工区の全村民対象の公開の工事説明会が開催された。

 昨日10月4日には、リニア連絡協議会が開催され、6月の連絡協で商工会から出されたリニア工事関係車両(大型車以外)の国道通行について、8月からの試験通行を受けて意見交換が行われた。普通車等の通行についてと、大型車が迂回路を通るようになったため誘導員を配置しないという2点についての意見集約結果のペーパーが配布され、賛成意見、反対意見それぞれあったが、商工会からの提案どおり普通車は国道を通行、誘導員は配置しないという意見が多数で、当面、現状の通行台数においてはそのようになった。

 また、中部電力から送電線計画について、自主環境調査結果概要と工事概要について説明があり、自主環境調査への意見と回答についても説明があった。今までの中電の説明では、フォトモンタージュ等が配布された紙資料には含まれなかったが、今回初めて、映したパワポすべて紙資料としても配付された。また報告書でフォトモンタージュが小さくて分かりにくいという意見を出しておいたら、会場に大きな写真も掲示してあった。
 ちなみにコピーやWebでの公開がされなかったことについては、「報告書は当社が著作権を有しており、また当社のノウハウを含んだ技術資料であることから、これらの流出の防止および環境保全の見地からの意見書作成という目的以外での利用を防止するため、コピーおよびWebでの公開は行わないこととしております」という回答。
 調査結果は、今後、関係自治会への説明が行われるとのこと。

 小渋線トンネルは西下トンネルが年内の開通予定、四徳渡トンネルが年度内の開通予定。南アルプストンネルの進捗状況は、除山非常口からが450mくらい、小渋川非常口からは750mくらい。除山でも夜間発破が始まった。
 観光協会からも強く要望が出ていた土曜日の休工については、紅葉シーズンとなる歌舞伎の前日の土曜日から、11月の勤労感謝の日の連休まで、場内作業+大型資材搬入車両10台/日のみとするそうだ。

 9月29日付け南信州新聞Web、30日信毎で、大鹿村から出る残土の行き先とされてきた松川町生田の候補地3か所について、地元の会合で、2か所を取り下げることが決定されたと報道された。時間が押している中だったけど、最後にこのことについても聞いてみた。

松川町の残土処分候補地が難航(南信州新聞)