「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

青いケシ

2023年06月22日 | 田舎暮らし
 ここ何年かコロナ禍で休園していた青いケシの中村農園が、今年は久しぶりに開園とのことで、先週見に行ってきた。コロナ以前から既に、夏の高温など気候変動の影響を受けて栽培が難しくなってきていて、株数は減っていたけれども、今年は20株程度が開花している状態だった。最盛期に何千本もの青い花が広い畑一面に咲いていた光景を思うと激減しているわけだけれども、ヒマラヤンブルーと称されるあの美しい青色は健在で、何とか村の宝として存続してほしいものだなと改めて思った。
 今、村では中村農園の後継者となっていただける人材育成のために、地域おこし協力隊インターンを募集している。標高1500mの畑に、青いケシばかりでなく、色とりどりの花たちが栽培されている。


臨時議会

2023年05月08日 | 議員活動
 今日は改選後初の(臨時)議会が開催され、新たな議会構成が決まりました。8人中、4期目は私一人だけとなり、3期目が2人、2期目が2人、新人3名という中で、引き続き議長の要職を務めさせていただくことになりました。
 新たな議会は、女性は3名で改選前と同じ顔ぶれですが、新人で40代の若者が加わってくれました。また、熊谷村長が立ち上げた村づくり検討委員会のメンバーから、彼を含め2人が新たに加わってくれています。どんな議会になるのか、新人の皆さんの今後の活躍が楽しみです。
 今日から新型コロナが5類となり、さまざまな制限がなくなってきます。過去3年ほど書面決議だった村内団体の総会のご案内もいただいています。議会としても、議員間討議や村の皆さんとの懇談会等、ぜひ活動を充実させて、持続可能な村づくりに寄与できるよう、議会改革を進めていきたいとご挨拶させていただきました。
 南信州広域連合議会の議員、下伊那北部総合事務組合の議員、あとリニア連絡協議会の委員も引き続き務めさせていただきます。

無投票

2023年04月18日 | 議員活動
 2年ぶりの投稿になります。
 統一地方選後半、大鹿村議会も改選で、今日が告示日でしたが、定数8に対して、立候補者も8人。私も4期目の立候補をさせていただきましたが、初めての無投票当選となりました。大鹿村では1991年以来、32年ぶりのことだそうです。全国的に町村議会のなり手不足が言われていますが、大鹿村も例外ではなく、現職が3人引退、立候補予定者説明会には新人1人で6人しか来ていませんでした。事前審査で8人となり、何とか欠員は免れたという状況です。
 なり手不足の要因はいろいろ言われていますが、そのうちの1つと言われる議員報酬については、大鹿村は全国で下から10番目くらいの低水準でしたが、直前の3月定例会で報酬引き上げを実現しました。また、議員報酬について村民アンケートを実施した際、議員が何をしているのか分からないという声を多くいただいたことから、3月に「大鹿村議会はこんなところ!」という議会紹介冊子を作成して全戸配付しましたが、今回の改選には直前すぎました。
 12年前に最初に村議になったときは、2期か3期くらいのつもりでしたが、何と4期目となり、議会の中でも一番の古株になってしまいました。この3年余りはコロナ禍で、村民と議会、また議員間でも、コミュニケーションの機会がなかなか思うように作れませんでした。今度の4年は、議会をもっと身近に感じてもらえるような広報活動や、村づくりを担う人材育成につながるコミュニケーションに積極的に取り組んでいきたいと思っています。
 

ご報告

2021年07月02日 | 議員活動
 大鹿村議会では申し合わせにより2年で議会構成の編成替えを行っていますが、この5月の臨時議会で新議長に選任されました。議長には中立性が求められますので、村内で賛否の分かれる問題についてのネット上での発信は控えたいと思います。最近はリニア連絡協議会の報告ぐらいしか更新できていない状態でしたが、連絡協議会については大鹿村のホームページのリニア新幹線情報などをご覧ください。
 なお、6月24日のリニア連絡協議会において中部電力パワーグリッドより、伐採中止を求めていたブナの巨木2本について、「詳細設計の結果、伐採は不要になった。ブナは存置する」というお答えをいただきました。署名等で思いを寄せてくださった皆様に深く感謝いたします。
 ちなみに女性議長は大鹿村議会初で、県内町村では現在5人です。大鹿村は移住者の多い村で、議会でも移住者の比率が多くなりました。多様な意見を尊重しつつ、相互理解を図りながら、より良い村づくりの一助になれれば幸いです。

村長選・村議補選

2021年01月12日 | 議員活動
 今日は大鹿村の村長選と村議補選の告示日だった。それぞれ立候補者は1名のみで、無投票で決まった。
 村長選挙の方は、3期務めた柳島村長の引退表明と同じ日に、村議会議員で、12年~19年まで議長も務めた塩湯荘の熊谷さんが立候補表明、他に特に動きもなかった。熊谷さんは2003年に30代の若さで村議になり、現在5期目だった。このところ(7期28年)役場出身の村長が続いていたので、民間からの村長は、村政に新しい風を吹き込んでくれるものと期待したい。10年近く議会で一緒に活動する中で、リニアに対する考え方などは違っていたけれども、異なる意見に対しても真摯に耳を傾けてくれる人だと感じてきた。公約にも村民との対話、村民の声にしっかり耳を傾けることを挙げている。
 一方、熊谷さんの辞職に伴って行われた村議補選の方は、直前まで立候補の動きが全く見られず、一体どうなることかと思っていたところ、私たちより少し前に大鹿村に移住して、現在は有機農業と自給自足の塾を実践されている大倉さん(私たちはゲタさんと呼んでいる)が立候補してくれることになった。村には大倉さんの塾が縁となって移住してきた若い世代は多い。村の移住施策や、有機農業の推進にも大きな力となってくれそうで楽しみだ。
 これで大鹿村の議員はなんと8名中5名が移住者になる。(移住者といっても、大倉さんやうちはもう孫が大鹿小学校に通う年代だ)
 コロナ禍で大変な状況が続く年明けではあるけれど、新しい村長、新しい議会構成で、村が活気づくとよいなと思う。


 


第18回リニア連絡協議会

2020年12月13日 | リニア新幹線
 一昨日になってしまったが、12月11日に18回目のリニア連絡協議会が開かれた。今回は松川インター大鹿線(小渋線)の迂回路となる河川内道路の復旧と、それに伴う飯田市、喬木村への発生土運搬が絡むことから、いつもは定例議会月の下旬に開かれていたけど、早めの開催となった。
 7月豪雨で4か所で道路崩壊や路肩崩落など被災して通行止めになっていた小渋線の河川内迂回路が、12月1日より通れるようになった。利用時間は7時~17時まで。以前、連絡協議会で要望して18時までに延ばしていただいた経過があったが、今は冬季で日が短く暗いため、当面は17時までとし、日が長くなったら、また18時までにしていただけるようだ。
 続いて、飯田市と喬木村の代替地造成にリニア発生土を運搬する計画についての説明があった。河川内道路が通れない間は計画の半分の50台で飯田市に運んでいたが、今後は喬木村への運搬も始まる。喬木村は農業振興地域の除外の許可を得るのに「地域未来投資促進法」を使う関係で、年度内に実施しなければならないことから、台数は当初の計画より増えて片道最大150台。12月は40台、1月は90~150台と増やしていき、2月、3月は150台となるそうだ。6月に説明があったときは、飯田市と喬木村合わせて150台と言っていたが、河川内道路の被災で飯田市への運搬台数が半減して遅れていたことから、喬木村だけで150台、飯田市への運搬は72台ずつとして、6月まで延長されるという。両方合わせると最大片道222台、往復で444台になり、この他にリニア工事の資機材運搬の大型工事車両も46.9台通るそうなので、役場前の台数では往復500台近くになるようだ。
 釜沢地区の地すべり対策工事は集水管6か所が工事完了、集水井2か所が工事中または発注済み、集水井1か所が今後実施。川沿いは押さえ盛土は工事完了し、今後洗掘防止工が実施される。除山ヤード通路部の復旧工事も行われており、休止している除山・釜沢非常口のトンネル掘削再開はこうした工事が終わって、工事車両通行の安全性が確認できたらとなる。具体的な日程は関係する方にお知らせしますとのこと。
 小渋川非常口では先進坑の4割の掘削が完了。隣接する発生土仮置き場に、シートをかぶせた残土が置いてあって、あれは何だろうと気になっていたが、溶出試験で基準超のヒ素が確認されたそうだ。もともとヒ素等が出ることは想定されており、仮置き場内の要対策土仮置き場に仮置きしているとのこと。前に報告のあった蛇紋岩やホウ素を含む発生土はトンネル内に仮置きのまま。要対策土の搬出計画については改めてご説明しますとのことだったので、早期に示していただくよう求めた。
 青木川非常口では斜坑延長(約600m)の約3割が掘削完了。青木川非常口の残土は当面、深ヶ沢の発生土置き場に運搬することになっているが、喬木村の造成工事に青木川工区の発生土を活用したいそうで、拡幅工事の進捗に合わせて(施工中の箇所が終わったら)、喬木村に運搬したいという話があった。南アルプストンネルの発生土は粒径が大きく、隙間を埋めるのに小さい粒径の物が必要で、破砕して使うという話が前回もあったが、喬木の工事は急いでいるため、青木川工区の発生土を使いたいのだそうだ。メインは南アルプストンネルの物になるが、往復で0~100台青木川工区からも運搬するという説明があった。老朽化した下榑渡橋を心配する声を伝えたが、通れるのは通れる、1台ずつ、儀内路への運搬台数を上回らないようにするといった返答。
 送電線工事では、モノレールの設置が完了したという報告や、ヘリコプターの試験飛行の計画について説明があった。ブナの木については、現在再調査をしてレイアウトの見直しなどを行っているが、まだ結果を報告できる段階ではないということだった。
 村からは、鳶ヶ巣沢の盛土について、追加の設計照査を委託している説明があった。4か所で土を採取して液状化現象の調査をするそうだ。これについては8月の臨時議会で287万1000円、今回12月定例会で84万7000円、追加照査の予算が盛られていた。


第17回リニア連絡協議会

2020年09月30日 | リニア新幹線
 昨日は第17回リニア連絡協議会が開催された。6月の協議会の後、6月末から7月にかけて、大鹿村では三六災を超える記録的な大雨が降り、人的被害はなかったものの、村内各所で道路等が被災した。リニア工事関連でも、飯田市への発生土運搬が始まっていた小渋線の河川内迂回路が被災して通行止めになり、釜沢地区では地すべりが発生して、二つの非常口へ通じる道が陥没したり、大きく亀裂が入ったりして通行止めになり、釜沢地区での工事はストップしている。中電の送電線工事も、豊丘村でヘリポートに通じる道路が被災し、村内3基の鉄塔工事が1~2年先送りになるそうだ。
 まずは県から小渋線関係の説明。飯田市への残土運搬は現在、計画の半数の50台で行われている。河川内道路の復旧はできるだけ早く、遅くとも年内とのこと。復旧の見通しが立った後に、喬木村と調整した上で、再度運搬期間や運搬台数について連絡協議会で諮られるそうだ。河川内道路の復旧にもリニア残土が使われ、岩ズリを細粒化する必要があり、半の沢の迂回路沿いに破砕作業ヤードを設けるとのこと。この破砕のための運搬が最大50台、飯田市への運搬50台に加わる。
 JR東海からは各工事箇所の状況説明。小渋川非常口では先進坑の延長約1600mのうち、約3割の掘削が完了。前回も3割と言っていたので、全然進捗していないのでは?と思ったが、蛇紋岩地帯を慎重に掘っているためとのこと。この蛇紋岩の発生土から、溶出試験で基準値を超えるホウ素が確認されたそうで、これまでの蛇紋岩と同様トンネル内に「区分土」として仮置きしているそうだ。委員からホウ素が流出した場合の影響について質問があったが、今は雨が当たらないトンネル坑内に仮置きしている、搬出する際は改めて説明するとのこと。
 釜沢では県道(と林道)はまず仮復旧工事が行われ、水抜きボーリングや押え盛土などの復旧工事が行われている。今後さらに地すべり対策事業として、集水井なども施工される。非常口ヤードも通路部が被災したようで、トンネル掘削がいつ頃再開するのかという時期的な見通しの話はなかった。掘削再開にあたっては、関係者に知らせるとだけ。
 伊那山地トンネル青木川非常口も掘削が始まっている。ここは掘り始めてすぐに硬い鹿塩マイロナイトに当たり、防音扉設置前に発破作業が始まった。人家も近く、かなりの騒音だったが、現在は防音扉が付いて、騒音はある程度軽減されたようだ。
 そして、中部電力から送電線工事の説明。鉄塔工事で伐採予定とされていたブナの巨木について、前回の協議会では1本は伐らなくては工事ができない、もう1本はさらに検討するという話だったが、その後、村民有志から2本とも伐らないでほしいという伐採の延期・中止を求める要望書が8月に署名217筆を添えて提出された。それに対し、ブナの木は来年7月まで伐採しないという回答が得られたと聞いていた。中電からの最初の説明の中ではブナの話は特になかったものの、委員からの質問に答えて、改めて2本のブナの木は来年7月までは伐らない、再度検討するという回答があった。何とか残してほしいものだ。
 この件については現在オンライン署名も行われている。若い人たちを中心に、改めてリニアを問う動きが始まっていて、こんなポスターもできた。


 


第16回リニア連絡協議会

2020年06月25日 | リニア新幹線
 第16回リニア連絡協議会が昨夜開催された。3月の時もそうだったが、コロナ対策で入り口に消毒薬、全員マスク着用で、広い会場で開催された。
 まずは小渋線について。5月11日とから運用開始されている河川内迂回路について、利用時間が朝7時から夕方5時までとなっていたのを、前回、前々回の連絡協議会での要望を受けて、7月1日から7時までとする。退勤の交通量の多い時間帯に通行できるようになる。また7月の連休については同じ時間で開放するとのことだった。この迂回路は一方通行なので対向車もなく、カーブが少ないので走りやすいと好評だ。
 南アルプストンネルについては、小渋川非常口は先進坑1600mのうち3割、除山非常口については斜坑1870mの約7割、釜沢非常口は斜坑約350mの約2割の進捗。
 小渋川左岸の迂回路は、7月27日供用開始予定。この辺も造成により景色が変わっている。
 伊那山地トンネルは準備工事が進み、先日、地元自治会への工事説明会が行われた。ここは青木川のすぐ下を通るし、地質の非常に脆弱な所を掘るので難工事が予想される所。他の箇所もそうだったが、最初は昼間作業で機械掘削。防音扉設置後に発破掘削。発破掘削開始時期は改めて回覧等でお知らせ。ちなみに釜沢では騒音について何度も住民立ち会いのもとで測定して、防音扉を増やしてから発破を開始するなどのやりとりをしている。残土運搬先までの道路がとても狭いが、一般車両が通行する際は、誘導員の指示でダンプは待避所で待機して、一般車両が優先できるようにするそうだ。ヤード手前の老朽化した下榑渡橋は県のJRの費用負担で架け替えることになっているが、現在の橋を撤去してから工事になるため、今年度中に仮橋設置まで行いたいとのこと。
 飯田市の代替地整備のために小渋川非常口からの発生土を運搬しているが、運搬開始時期が河川内道路の供用開始を待って、当初3月といってたのが5月からとなったため、また土砂(というより岩ずり)の比重が想定より重く、運搬台数が増加しているため、9月までが来年1月までとなるそうだ。
 また、喬木村でも移転企業の代替地造成のため、リニア発生土を使いたいとのことで、12月から3月まで。飯田市への運搬は最大片道100台だったが、12月は両者合わせて120台、1月からは150台となるという。どちらも日曜日のみ休みで、土曜日も祝日も運搬するという。観光に配慮して土曜日は休んでほしいという意見が出た。
 中部電力の送電鉄塔工事の進捗状況の説明もあった。12月に要望していたブナの巨木について、鉄塔に近い1本は根元から切らないと工事ができない、もう1本についてはさらに検討するとのこと。あの立派なブナが切られてしまうのは何とも悲しい。


 村からは、鳶ヶ巣沢の盛土についての照査結果を6月25日に村ホームページに掲載するとのことで、早速掲載されている。


リニア連絡協議会

2020年03月26日 | リニア新幹線
 昨夜、15回目のリニア連絡協議会が開催された。連絡協議会は概ね3か月に1回、議会月の議会終了後の最終週くらいに開催されている。
 前回の12月の協議会で、飯田市の駅周辺整備に伴い移転を余儀なくされる住民の代替地整備のため、南アルプストンネルの発生土を使いたい、運搬を3月から始めたいという話だったが、小渋線の河川内道路整備が終わったらという確認をした上で協議会として了解していた。ところが、河川内道路の整備がいっこうに進む様子が見えないのに、3月3日に中川村渡場で行われたこの事業の説明会を報じる記事の中に、今月中旬から運ぶと書かれていて、あれ?約束が違うと思っていた。
 このことについて、まず飯田市からおわびがあった。その場で決定したわけでなく、大鹿村の了解が得られれば、河川内道路整備前に少しでも運びたいと言ったものが、あたかも決定のような報道が一部なされてしまったとのことだった。
 河川内道路の整備は道路区域変更等の手続きに時間がかかって、供用開始は5月の連休明けになるとのこと。
 当初の約束どおり、運搬はこの河川内道路整備完了後にしていただきたいと意見を言ったところ、特に異論もなく、飯田市への残土運搬は河川内道路完了後、連休明けからとなった。
 しかし、議会の全員協議会で聞いた説明によれば、小渋線の拡幅工事が始まると、災害復旧工事、防災工事と合わせて、最大8か所で片側通行になる可能性があるという。河川内道路の利用時間が平日の朝7時から夕方5時までとされており、前回の連絡協議会でも路線バスの運行時間は通れるようにしてほしいとか、休日も通れるようにしてほしいという意見が出ていたけれども、意見を汲んで変更されてはいなかった。改めて、退勤時間の車が多いので6時までにしてほしいとか、終日通れるようにしてほしいといった意見が強く出た。しかしながら、夜間は安全面等の課題もあり、検討はするが、スタートは5時にさせてほしいとのことだった。このことについては、今後も強く求めていく必要があると思う。
 南アルプストンネルの方は、小渋川非常口は、先進坑約1600mのうち2割の掘削が完了、除山非常口は斜坑延長の約6割、釜沢非常口は3月3日に掘削開始とのこと。(後で前回の資料を見たら、除山非常口は前回も6割となっていたので、あまり進んでないみたいだ。聞いてみれば良かった)
 小渋川非常口から掘っている先進坑では、先進ボーリングで蛇紋岩が出たそうだ。蛇紋岩は石綿鉱物を含むことから飛散防止の対策が必要となる。当面の間、坑内に仮置きという。今後も本坑や伊那山地トンネルでも出ると思われるので、扱いをどうするのか質問。
 大河原中心部の国道を避ける迂回路については、仮桟橋の設置は完了したが、桟橋から新小渋橋までの道路整備は着手したばかりで、完了予定は6月末、供用開始時期は7月初めの見込みとのこと。そのときの迂回路の車両台数は往復300台くらいになるという!
 委員から、当初の計画より随分遅れていること、静岡で着工できずにいることの影響などについて質問があった。重ねて、静岡の方で、工事が遅れた場合に工区を変更して、山梨側、長野側からも掘削する可能性について言及されていたのをニュースで見たので、その点を確認。現時点では、長野工区は長野工区というような言い方をされたので、現時点でなくても、とにかく静岡工区の分まで掘るのはやめていただきたいと言った。
 中部電力からは送電線工事の進捗状況。前回切らないでほしいとお願いしたブナについては、冬季間だったため、まだ調査していないとのこと。
 最後に村から、鳶ヶ巣沢環境対策事業について、昨年12月末に委託先の砂防フロンティアから設計照査結果をもらったということで、その内容について概要の説明があった。照査結果内容については村のホームページで公表されるそうなので、それを見た上で、また考えなくては。何しろ、この計画の上部は前回のブログに紹介しているとおり、長年ずっと治山事業が行われている大崩壊地だ。

鳶ヶ巣復旧治山工事

2019年12月19日 | 地震・防災
 昨日は午前中、治山工事の、午後は砂防工事の現場視察があり、治山事業所や砂防出張所の方々から工事の現場を見ながらお話を伺った。
 最初に行った場所が鳶ヶ巣復旧治山工事の現場。治山事業は大崩壊地の中腹より上部で行われているが、下部の河川区域で今、リニア残土を活用した事業が計画されていて、その安全性について第三者機関により検討されている。
 この崩壊地(昔はアカナギとかオオナギとか言われていたらしい。崩壊発生時期は不明で、明治以前からの崩壊地)では、昭和39年から復旧事業が延々と行われているが、蛇紋岩化したかんらん岩で、強アルカリのため植生が定着しにくい上に鹿の食害もひどく、さまざまな緑化工法の試験を行いながら復旧を図っているという。毎年6月定例議会の会期中に治山懇談会が行われていて、パワポを見ながら説明を伺ってはいるが、今回は現地で間近に見学することができた。日頃、対岸の上蔵からは見ているものの、崩壊地の中まで入って事業の様子を見るのは初めてで、改めて本当に大変な工事を延々と続けられていることが実感できた。
 緑化が大変厳しい中で、木の緑がちょっと見えるのはアカマツで、こうした厳しい条件下でもアカマツだけは定着しているものがあるそうだ。
  

 奥に見えるのは上蔵集落。