「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

第14回リニア対策委員会

2016年03月24日 | リニア新幹線
 今日は14回目となるリニア対策委員会が開催された。初めに中部電力から、架空送電線のフォトモンタージュについて、前回視点場の追加などを要望していたことを受けて、青木地区の3か所からのフォトモンタージュも示された。また、拡大して、電線の位置等がよく分かるような写真も示してもらった。改めて、15万4000ボルトの送電線+鉄塔というのは、これまでの大鹿発電所からの2万2000ボルトの送電線+鉄塔と比べて鉄塔は高く、電線の本数も多く、はるかに景観を台無しにするものであることが実感された。住宅の上空は避けるとのことだが、一番近いところは水平距離で100m程度、磁界は100m離れると測定できない程度との説明だったが、あれだけの本数の電線が付近の上空に見えたら相当嫌だろうなと思った。
 次にJR東海から、県道松川インター大鹿線、赤石岳公園線の道路改良や国道152号線の迂回ルートなどの説明があった。松川インター大鹿線は二本のトンネルを県もお金を出して新設するということで県議会で承認され、3月14日に県とJRで協定を締結。事業費や工期、発注方法など、より具体的に示された。しかし、大型車のすれ違いができない四徳大橋について、欄干を外付けにする形で拡幅できないかという村からの要望に対して、地震時の耐力が不足するので行わないとのことだった。このトンネルは出口手前で大きくカーブしているので、すれ違いのために待機する車列がトンネル内にまで延びると危険ではないかという意見が委員から出た。赤石岳公園線については、最初の説明は従来の改良箇所とほとんど変わらなかったが、福徳寺とイチョウの木の間を通らないでほしいという要望が地域から出ていることを質問したら、迂回する方向で検討しているとのことだった。
 驚いたのは152号線の迂回ルート。小学校や福祉施設のすぐ横の堤防道路は避けて、対岸(左岸)を通るようにしてほしいとの要望に沿った検討をしているとのことだったが、小渋川を渡って、青木川を渡って、再び小渋川を渡る際にさくら橋を通りたいとの説明。質問したら、さくら橋を渡ってそのまま国道に出るのではなく、右岸の堤防道路を通るとのことだったけど、国道と大西公園を結ぶさくら橋の通行は、いくら何でも大鹿村民誰もが到底「理解」などできないだろう。
 あと、今回初めて鹿島建設の人たちも出席していて、現場事務所や宿舎等の設置計画について説明があった。これは大鹿村議会の一般質問でも北島議員が質問していた。JRの分室近くの沢戸地区の田んぼが候補地ということで、既に地権者や耕作者の同意を得ているとのことを、1週間程前の議会全員協議会でも聞いていた。大鹿村の中で平らな広い土地というと、ほぼ農地しかないのかもしれないけど、田んぼが飯場になってしまうのはやはり悲しい。
 その他については口頭での説明だったが、かねてから聞いている伊那山地の水収支解析については、現在、予測結果について関係各所へ事前説明中とのこと。その後に公表されるそうだが、村は関係各所に当たらないのか???
 
 このような内容などの住民説明会を4月下旬に開催したいとのことだったが、さくら橋を通りたいなんて案を出されても、対策委員会でも認められない。

3月定例会終わる

2016年03月17日 | 議員活動
 昨日、3月定例会が閉会した。 今定例会は報告4件、議案が28件、請願・陳情が1件、要望書4件、発議が2件。報告は先月の全員協議会で説明があった専決処分の承認を求めるもので、個人番号制がらみの条例改正2件と一般会計、水道特別会計の補正予算。議案第1号~3号は人事院勧告に基づく議員報酬、特別職、一般職の給与についての条例の一部改正で、期末手当や勤勉手当の率が少し上がるものなど。議案第4号~11号は行政不服審査法の改正に伴う公文書公開条例、個人情報保護条例などの一部改正で、文言を改めるものなど。議案第12号は若者定住促進条例の一部改正で、「若者」の定義を「40歳以下」から「45歳以下」に拡充することや、結婚祝金の創設など。議案第13号は介護保険条例の一部改正で、「個人番号」を加えるもの。議案第14号は放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定。議案第15~19号は27年度の一般会計、特別会計の補正予算で、実績による増減が主。
 議案第20~25号は平成28年度の一般会計、特別会計の当初予算。一般会計は総額19億1000万円で前年比19.8%減。昨年は老人福祉施設の改修工事や村営住宅の建設等があって増えていたので、それらがなくなった分、減額となっている。主な新規事業としては、結婚祝金、文満団地村単住宅の建て替え、不妊・不育治療補助金、村内事業所就職祝金・雇用助成金、道の駅検討委員会、ジオパーク・エコパークPR事業、山村留学、文化財保存補助金、平和学習事業等々。
 議案第26号は過疎地域自立促進計画について。この計画に載せておかないと過疎債が借りられないとのことで、実現可能性が高くなさそうなものも書き込んである。議案第27号は南信州広域連合規約の変更について。議案第28号は固定資産評価審査委員会の委員の選任。
 請願は、へき地教育の充実と僻地級地指定改善を求めるもので、採択されて意見書を提出。もう一つ、議員発議で宮田村の放射性物質含有の廃棄物最終処分場建設について慎重な対応を求める意見書の提出について賛成多数で意見書を提出。大鹿村は直接の下流ではないため「慎重な対応を求める」意見書となったが、明確に反対を表明すべきではないかと意見を述べた。

 一般質問は5名で、東村議員が商業活性化で未来を切り開くために、林業再生プロジェクトの可能性。秋山議員が村指定外文化財保存管理補助金について。私はリニア工事についてと、CATVのFTTH化(光ファイバー化)について。齋藤議員がリニア工事に伴い商店の活性化について、女性防災組織作りについて。北島議員がリニア工事による水枯れ水道対策について、リニア工事の宿舎の土地利用について。

 私の一般質問の通告内容は、
1.リニア工事について
 JR東海が先日の工事契約締結をもって「着工」と位置づけたいとし、新聞等で「着工」と報道されたことをどう考えるか。小渋線の改良着工前に南アルプストンネル工事に着工したいというJR東海が示したスケジュール案をどう考えるか。今後も説明会の内容を見ながら対策を求めていくとのことだが、住民の理解の度合を村としてどのような形で判断していくのか。岐阜県の地下水、土壌調査で基準値を超す汚染物質が検出されたのに報告されていなかったそうだが、事業者の調査のみに任せておいて大丈夫なのか。事後調査の頻度などの要望にも現状では応えられていないが、村として独自調査を行っておく必要はないのか。

2.CATVのFTTH化について
 過疎地域自立促進計画、28年度の新規・主要事業一覧にCATVのFTTH化が記載されているものの、当初予算には盛られていないが、本年度実施される見込みなのか? インターネットの高速化は在宅ワークなど多様な働き方を可能にし、広報、観光、福祉、教育分野など様々な可能性を広げるものだが、村内でインターネット活用を進める方策をどう考えているか。

 リニア工事についての質問は、「「着工」位置づけに疑問の声」という見出しで、今日の南信州新聞のトップ記事になっていた。信濃毎日新聞では「大鹿に作業員宿舎建設意向」として北島議員の質問が主に取り上げられていた。

3月定例会の日程

2016年03月04日 | 議員活動
 昨日、議会運営委員会があり、3月定例会の日程が決まった。

 3月7日(月)午前10時~ 本会議開会、議案説明、質疑、審議、委員会付託、一部採決

 3月8日(火)~15日(火) 委員会

 3月16日(水)午前9時~ 一般質問

         午後4時~ 本会議

 今回は平成28年度の当初予算など議案が28件、陳情・請願が1件。
 一般質問は、初日の村長の施政方針を聞いた後に通告書を提出し、最終日に行われる。