「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

エコファーマー

2006年06月29日 | 田舎暮らし
 今日はあおぞら市推進委員会と村産業建設課の共催で「環境にやさしい農業研修会」という催しが行われた。今ほとんど農業はやっていないに等しいのだけど、発展させる会の関係だったので、話を聞きに行った。
 発展させる会で始めた「あおぞら市」の産品のブランド力アップのために、出品者はぜひ環境にやさしい「エコファーマー」になろうという趣旨だったようだ。
 安心・安全が重視される時代になってきて、無農薬や低農薬など環境にやさしい農業関連でも、種々の認定制度ができているけど、その中で、「エコファーマー」というのは比較的ハードルが低く、認定を取得しやすいという話だった。でも、どうも話を聞いていると、一つの作物について、最低1アールは作付けしていないといけないようだった。この村のような耕地の少ない山間地で、産直市に出品しようかというような小規模農家は、自給の延長でいろいろな種類の作物を少しずつ作っている人も多いと思う。でも、それでは認定は取得できないらしい。
 多くのIターンの仲間たちは、認証制度のずっと以前から、普通に土作りに堆肥を使っているし、化学肥料も農薬も使わないで作っているんだけどな。
 

黙祷

2006年06月29日 | 田舎暮らし
 45年前の今ごろ、梅雨前線による集中豪雨で、この地域は大惨事に見舞われた。23日ごろから断続的に雨が降り続き、27日には各所で川が氾濫して家が流されたり、がけが崩れたりして、さらに29日に大西山が大崩壊を起こして、何十名もの命が奪われたという。今日は無線放送でお知らせが入り、全村で1分間の黙祷が行われた。
 今年は45周年ということで、一昨日「語り継ぐ三六災害」という行事も行われ、子どもたちが当時を知る人のお話などを聞いてきたりした。来月には、PTAでも同じ内容の集まりが行われる。
 ちょうど仕事でも地震の話で、1585年の天正地震の際、山崩れによって、白川郷にあった帰雲城が城下町ごと一瞬にして埋まってしまったという話を聞いたところで、本当に自然災害は恐ろしい。
 行事に参加した夫は、災害体験者のお話の中で、災害を生き延びるには、最後は体力がものをいうので、しっかり体力をつけなさいということをぜひ言いたいというお話が印象に残ったとか。

高校生の一人暮らしは難しい

2006年06月27日 | 子ども・教育
 子どもにもよるんだろうけど、何にもない山の中で純粋培養みたいに育った子どもが、いきなり町に出て、親の監視の目が届かないところに行って、解放感やら何やらでちょっとぶっ飛びすぎているなとは思ったけど……。いろいろあって、今は家から通っている。今度は通学時間が片道2時間の世界。
 とにかく子どものことに振り回されて疲れた。思春期の男の子は女親には本当に分からない。

花は採らないでください

2006年06月18日 | 田舎暮らし
 先日、村内某所に咲く花を見にいったところ、去年に比べてとても減ってしまっていて驚いた。去年は群生していて、とてもきれいだったので、楽しみにして行ったのに、本当にかなり減ってしまっていた。どうやら採られてしまうせいらしい。
 先日の講演会の主催者挨拶、村長さんのお話の中にも、村には希少価値のある昆虫類や植物などがたくさんあるけれども、昨今採られてしまう傾向が一段と強まっている、広大な林野であり、見回って管理することも不可能だし、本当に嘆いているというお話があった。
 ある役場の人と話したときも、観光のためには宣伝したいけれども、存在を知られると採られてしまうという矛盾に頭を抱えていると言っていた。
 いわゆるレッドデータブックに載るような希少種、絶滅危惧種なども、生育環境の減少とともに、採取圧によるものが多いという。
 大体、特に高冷地や湿地などに生える植物など、採って平地へ持っていっても、多分ほとんどが枯れてしまうだろうに。
 美しい村の美しい風景を形作る花々が荒らされたら、美しい風景もまた損なわれてしまう。美しい自然はそこを訪れる人みんなの財産だ。そこにあるがままの自然を大切にしてほしいと切に願う。

今年も青いケシ

2006年06月14日 | 田舎暮らし
 今年も青いケシが咲き出したというので、見に行った。昨夏の猛暑にやられて株が減ってしまったと聞いてはいたが、昨年と比べると、かなり減ってしまった感じがした。何せ原産地はヒマラヤだから、とにかく暑さに弱いらしい。
 もしどんどん温暖化が進むと、標高1500mのこの地でも、だんだん栽培が難しくなってしまうのかもしれない。

鳥や蝶の渡りと中央構造線

2006年06月13日 | 田舎暮らし
 大鹿村には日本列島西半分を日本海側と太平洋側に分ける大断層、中央構造線が南北に通っていて、その露頭が見られ、日本列島の地質を研究するのには非常に貴重な場所らしく、中央構造線の博物館もある。昨年秋、村内2か所の露頭が長野県の天然記念物に指定されたことを受けて、つい先日、土日の2日間にわたって記念行事が開催された。
 土曜日には日本地名学研究所長の民俗学者、谷川健一先生をお迎えして、「南朝の道・中央構造線」というテーマでお話を伺ったが、先生は、南朝・山の民の道である以前に、まずは鳥獣の道だったということで、サシバの渡りの話をされた。毎年10月10日前後に中部山岳地域にいたサシバが伊良湖崎に集結して、一気に九州に向かうのだそうだが、それには中央構造線の気流を利用しているのだそうだ。九州から今度は中央構造線とは離れて、南に向かい、佐多岬、宮古を経て、フィリピンまで行くという。秋といえば台風シーズンでもあり、力尽きて海に落ちると、フカが待ち受けているという過酷な旅だそうだが、この話を聞きながら、私はアサギマダラの渡りを思った。 
 少し前の新聞に、大分県の姫島に集まっているアサギマダラの記事が出ていたが、これから中部地方や関東地方にまで北上し、そこで産卵・世代交代をして、秋にはまた南西諸島まで1000キロ以上移動するという。アサギマダラはここらでもよく見かける蝶で、渡りの調査のためにマーキングをしているという話を数年前に聞いて以来、関心を持っている。まだまだ不明な点が多いようだが、どうやら南西諸島で羽化して、こちらまで飛んできて、こちらで産卵する蝶と、ここらで生まれて秋に南西諸島まで飛んでいくのと、両方いるらしい。そう言われてみれば、確かにアサギマダラを見かける時期は間が空いている。
 サシバが中央構造線の気流を利用しているのなら、アサギマダラもきっとそうだろうなと思った。

早朝から何やら動物の鳴き声

2006年06月10日 | 田舎暮らし
 朝、中体連の大会に子どもを送り出して、ホッと一息ついた6時ごろ、突然、何かの鳴き声みたいなものが聞こえてきた。こんな鳴き声聞いたことがない。鹿の声に似ているけど、秋によく聞く繁殖期の声とはちょっと違う。それがちょっと間をおいては繰り返し繰り返し、だんだん声も大きくなって、何かを訴えるかのように聞こえてくる。
 一体何だろうと思って、窓からそっちの方向を見ると、どうも何やらばたばたもがいている姿が見えるけど、遠目では何だかよく分からない。うちの周囲には、以前、羊を飼っていたときの網が張り巡らしてある。どうやら、それに何かの動物が引っ掛かって鳴いているらしい。もしどう猛な動物の類だったら、下手に近づくと怖いし、とにかく何だろうと思って、長靴を履いて、朝露で濡れている草むらの中に入っていくと、
 何と鹿の子どもというより、まだ赤ちゃんだろうな。背中にバンビの絵みたいな白い斑点があるやつが、20㎝もない格子の中に突っ込んで、はまってしまって、ばたばたもがいて鳴いていたのだった。子鹿なら怖くない。引っ掛かっているところを外して、引っ張り出してやったら、慌てて森の中に逃げていった。まだ近くにお母さんがいただろうか。
 鹿は嫌になるほどしょっちゅ見かけるし、畑を荒らす本当に憎たらしいやつだけど、やっぱり子鹿はかわいいし、憎めない。もがいている姿を見たら、やっぱりかわいそうでほっとけない。
 ここ数日、動物をよく見る。鹿、猿以外に、昨日はリスが、一昨日はテンらしき動物が車のすぐ前を横断していった。

高校生の一人暮らし

2006年06月08日 | 子ども・教育
 あれこれ心配だなと思いながらスタートした息子の一人暮らし、ま~代表的な心配を次々経験させてくれること。
 先週は風邪で具合が悪いから病院へ連れていってほしいと連絡が入り、てくてくさんで教わって、近くの医者へ連れていった。(その節はお世話になりました。ありがとう)
 薬ももらったし、土日に寝てれば治るだろうと思ったら、体調が悪いくせに、友達に誘われて遊びに出掛けたらしい。まさに風邪をこじらせて悪化させて、のどが痛くて、食事も取れないわ、熱は出るわで、もうアパートに置いておけなくて、家に連れ帰る。たかが風邪と軽く考えていたのだろうけど、今まで経験したこともないような症状が長引いて、少しは懲りただろうか。

分杭峠の気場

2006年06月03日 | 田舎暮らし
 今日は子どもの部活の練習試合で、朝、伊那市まで送っていく。村から町場へ出るときは、普通は小渋川沿いの道を行って松川町に出るのだけれど、伊那市方面へ行くときは、夏場なら(冬期は通行止め)国道152号線を通って、長谷、高遠経由で行く方が近い。帰り道、一人で分杭峠を通ることになったので、天気もいいし、気のスポットに立ち寄ってみた。
 初めて行ったころは、目印も何もなくて、知っている人と行かないと分からないような場所だったけど、さすがに有名になって、トイレ付きの駐車場もできていて、そこから歩きやすい道も付けられていた。
 まだ朝の8時過ぎだったけど、すでに10人弱の人が来ていて、写真のような景色の中に座っている。私はゆっくりそこに座っているほどの時間はなかったので、座っている人たちの後ろに立って、足の裏から大地の気を感じながら、背筋を通していくつもりになって、八段錦の第一段を2~3回ゆっくりとしてみた。それから、思いついて、ちょっと合掌行気をしてみると、すぐに手と手の間に気を感じることができた。やっぱり「気」のパワーの強い場所なのかな。ついでに、いつもこりこりの首を少し回して、ちょっとほぐれたような気になって車に戻る。
 でも、家に帰って、またパソコンに向かって仕事をしたら、元のもくあみかな?