「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア準備書

2013年09月19日 | リニア新幹線
 昨日リニアの環境影響評価準備書が公表された。午前中の記者会見後ぐらいにJR東海のホームページ上で公開されたため、アクセスが一斉に殺到して、ダウンロードするのに相当時間がかかったが、何とか長野県分の準備書本編と要約書、資料編、関連図をダウンロードして、ぱらぱらと読み始めている。何せ要約書だけでも400ページを超える分量だし、自分の知りたい内容がどこに書いてあるのか、書いていないのかを探すのにも一苦労だ。でも、リニア計画に対して一般の人が意見を言えるのは、この準備書が最後の機会になるので、ぜひ多くの人たちに内容を知ってもらって、説明会にも参加して、意見を出してほしいと願っている。意見書の提出期間は9月20日~11月5日まで。説明会は9月27日(金)~10月18日(金)の期間に沿線各県で計92回開催される。詳しい日程はこちら

 とりあえずぱらぱら見た中で、大鹿村関連を幾つか。
 大鹿村で大きな懸念材料となっている残土の問題については、長野県内では残土置き場が決まっていないため、ほとんど記述がない。(参考:8-6環境への負荷、8-6-1廃棄物等、(1)建設工事に伴う副産物、9章、10章)
 また、もう一つ大きな懸念材料である水資源への影響については、「一部において断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある」と明記されている。例えば大鹿発電所が取水している小河内沢については、現況の流量0.99m3/sが工事期間中0.72m3/s、工事完成後0.66m3/sと予測されている。釜沢水源付近の所沢については現況0.030m3/sから工事期間中及び完成後0.027m3/sで、1割程度の減少と予測されている。(8-2水環境、8-2-4水資源、(2)予測及び評価)
 騒音・振動なども環境基準ぎりぎりや、ものによっては基準を超えるような値も予測されていて、今までの静かさを思えば相当うるさくなるのではないかと心配になる。評価結果の表(要約書では表8-1-2-11)で大鹿村の環境基準が70dBとされているのも納得がいかない。大鹿村では概して工事の影響による寄与率が大きい。(8-1大気環境)
 クマタカについて、「繁殖エリアの一部が改変を受ける可能性がある範囲に含まれるペアが存在することから、騒音及び振動により繁殖環境への影響が生じる可能性がある」とも書かれている。(要約書、表8-4-3-8(1)注目種等への予測結果)
 
 自分の住んでいる地区でいつどのような工事が行われるのかを知るには、資料編の中にある工事計画を見ると、持ち込まれる建設機械の台数まで書かれている。大鹿村の坑口となるエリアでは、1年目や2年目から12年目、13年目まで、長期間にわたって工事が行われる計画となっている。

 南アルプス・小河内岳山頂から見た小河内沢。この谷の下を一直線に通る計画。

9月定例会終わる

2013年09月18日 | 議員活動
 9月定例会が本日で閉会した。今回は報告3件、議案が12件、発議が2件で、すべて原案どおり可決された。9月議会は決算の認定で、議案第1~6号が24年度の一般会計、特別会計の決算の認定で、議案第7~12号が25年度の補正予算。
 平成24年度の一般会計の歳入額は22億9590万円、歳出は22億5185万円、差引額4405万円で、翌年度へ繰り越すべき財源2410万円を引いた実質収支は1995万円。24年度は普通交付税の算定額が前年度に比べて2億8279万円増額となり、経常一般財源が増え、経常収支比率が前年度より12.9ポイント減の60.3%となった。また、実質公債費比率も地方債残高の減少に伴い公債費が減少したことにより、3.7%減の9.0%となった。特別会計も含めた歳入総額は28億6968万円、歳出総額は28億2157万円、翌年度へ繰り越すべき財源2860万円を引いた実質収支は1951万円。
 補正予算は決算額の確定によるものが主だが、目新しいところで電気自動車の急速充電器を役場駐車場に設置するのに1312万円(次世代自動車充電インフラ整備促進事業交付金が800万円入る)。また、猿の大型捕獲檻を試験的に鹿塩、大河原に各1基設置するのに338万円など。
 発議は森林吸収源対策及び地球温暖化対策に関する地方の財源確保のための意見書と、道州制導入に断固反対する意見書。

 今日は午後から、議会のあり方研究会、全員協議会、本会議とあったが、午前中にリニアの準備書が公表され、みんなの関心は専らそちらに向けられていた。膨大な準備書を今からしっかり読み込まなくては。

一般質問

2013年09月10日 | 議員活動
 9月定例議会が昨日開会し、今日は一般質問が行われた。今回の質問者は5名で、最初に私がリニア準備書公告後の対応について、次に伊東議員が空き家・廃屋対策について、続いて東村議員が山野草の盗難と防犯カメラ設置のお願い、災害時における燃料の備蓄について、次に矢沢議員が大鹿村の職場確保について、最後に北島議員がリニア新幹線トンネル発生土運搬について。

 私の一般質問の通告内容。
1.リニア準備書公告後の対応について
間もなく公告されるリニアの環境影響評価準備書への対応について伺いたい。リニア対応は、今後も庁舎内の対策会議で行うのか。民間も交えた対策チーム設置の考えはないか。村の要望事項が準備書において受け入れられていなかった場合の対応について、これだけは譲れないという線をしっかり持って強い姿勢で対応していただきたいと思うが、いかがお考えか。広域ではリニア後の地域づくりや交通アクセスなどの議論の場が次々設置されたが、課題についての連携した取り組みが残土活用以外に見えてこない。例えば残土運搬経路についても、もっと近隣町村と連携した取り組みが必要ではないか。また、南アルプスへの環境影響について、ユネスコエコパーク登録を目指す取り組みもあり、世界自然遺産の協議会として、長野県だけでなく、静岡県、山梨県の関係市町村と連携して対応すべきではないか。

【追記】この一般質問への村長答弁の一部が昨日の信濃毎日新聞に掲載されている。「当面は副村長や課長級職員らで構成する村役場リニア対策会議で対応するが、準備書で工事方法などが明確になった段階で村側のリニア体制をを強化する」、また通告書にはないが、村の対応として豊丘村での水資源の独自調査についても触れて質問したところ、「JR東海が村や所有者などと一緒に調査をするよう求めた方がいいのではないかと思う」という答弁があった。
 昨日のJR東海社長の定例会見によれば、準備書は18日に関係市町村に届けられるとのこと。午後から全員協議会が予定されている日なので、早速対応が話し合われることになるだろう。

9月定例会の日程

2013年09月02日 | 議員活動
 今日は議会運営委員会が開かれ、9月定例会の日程が決まった。

9月 9日(月) 午前10時~ 本会議開会 
             議案説明、質疑、審議、一部採決、発議、委員会付託

9月10日(火) 午前9時~ 一般質問 
             
9月11日(水)~17日(火) 委員会

6月18日(月) 午後4時~ 本会議

 今回は報告3件、議案が12件、議員発議2件。議案は平成24年度の決算の認定6件と、補正予算6件。一般質問は5名。私は今月半ばにも公表されるというリニアの準備書対応について質問する予定。

※リニアの準備書に向けては、9月7日に大鹿の100年先を育む会主催で、日本自然保護協会の方をお迎えして勉強会も予定されている。詳しくはこちら