おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

安達太良山で熊にバッタリ

2014-09-29 13:53:37 | トレッキング

 最近トトが運動不足気味みたいなので、休日の今日はトトだけ連れてトレッキングに出かけることにした。安達太良のスキー場からの登り口は人気が高いので人でいっぱいだろうと、県民の森の表登山口から出発することにした。こちらは距離が長いので、まったく人気がない。到着すると案の定、車を駐車しているのは僕ひとり。目指すは人気登山道と合流寸前の仙女平だ。

 運動不足解消に出かけて来たので、登りはトトと休憩なしでせっせと登る。結果、仙女平には1時間で到着した。途中はほとんど紅葉していなかったが、さすがに頂上が近くなるとかなり紅葉が進んでいる。仙女平の正面に居座る和尚山の斜面も紅葉が進み、安達太良頂上の乳首山付近も赤く染まっている。あと2週間もすれば見頃だろう。

 30分ほど休憩し、帰りは野鳥や紅葉の写真を撮ろうとノンビリ歩く。

 と、途中両側にクマザサが生い茂る登山道を下っていると、突然目の前にクマザサをかきわけて真っ黒い獣がノソノソと出て来た。うわっ、熊だと瞬時にして判断したが、不思議と恐怖心はない。それどころか、大きなまん丸い頭と耳を間近で見ると、ゆるキャラみたいで、もしかしたら「ドッキリ」じゃないかとも想像する。

 熊は熊で、自分の背丈ほどもある薮をかき分け、やっと登山道に出たと思ったら、目の前に犬を連れた人間がいるではないか。「うわっ」と声をあげると(実際そんな顔をした)、もと来た薮に、プールにでも飛び込むように逃げこんだ。

 距離にしてわずか5メートル。ガサガサと揺れるクマザサを前にして、そのとき始めて恐怖心が湧いてくる。この時期の熊は、子熊に狩りを教えるために、子熊の目の前で獣や人間を襲うことがあるという。もしかしたら、薮の中をこちらに進んで来ているのかもしれないと思い、咄嗟に10メートルほど登山道を登り返す。

 と、すでに辺りはしんと静まり返っている。トトはというと、耳をそばだて鼻をクンクンと鳴らしているが、吠えるようなことはしない。熊にすれば、あまりの突然の出来事に、避難することを最優先したのだろう。

 それにしても、バッタリ遭った瞬間、間違いなく熊と目と目が合い、熊は僕の存在にビックリして逃げて行った。たとえ動物園で熊を見たとしても、熊のほうで僕を意識するなんてことはないだろう。とすると、こんな経験は一生の間に、1度できるかできないかというような経験に違いない。

 そう思うと、なんだかワクワクしてきた。それに、バッタリ出くわした瞬間、驚くと同時に「かわいい!」と感激したのも事実である。

 とは言うものの、再び出て来られると怖いので、近くにあった棒切れを拾うと、しばらくは両脇の薮をバンバン叩きながら下山した。熊の写真は、残念ながら撮る暇はなかった。

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