昨日、夕食を食べ終わりのんびりしていて、ふと窓の外が赤くなっているのに気がついた。朝からずっと雨が降り続き、夕方になってようやく晴れ間が広がってきていたが、どうやら夕焼け空になっているようだ。
すぐにテラスに出て見ると、日没前の西の空が真っ赤に染まっている。久しぶりに見る夕焼けに思わず見惚れ、すぐにタミちゃんに「夕焼けがすごいことになっているよ」と声をかける。
夏至も近い。今が一番昼が長い時期である。時計を見ると午後7時半。本来なら梅雨入りしている頃なので、こんな夕焼けが見られるのは実に貴重なのだ。
しばらく、テラスから実を乗り出すようにして夕焼けに見入っていた。が、10分もするとどんどん辺りは暗くなっていき、夕焼け空も赤から濃い紫色へと変化して行った。
夕焼けと言えば秋の季語ということになっているが、秋だけが夕焼けがきれいなわけではない。冬でも春でも夕焼けは広がる。女流詩人・茨木のり子さんの詩にまさに今の時期を謳った「六月」というタイトルの作品がある。詩の中で6月の夕焼けが謳われているが、秋の夕焼けと違って寂寥とした感じはないようである。
「六月」
どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
すぐにテラスに出て見ると、日没前の西の空が真っ赤に染まっている。久しぶりに見る夕焼けに思わず見惚れ、すぐにタミちゃんに「夕焼けがすごいことになっているよ」と声をかける。
夏至も近い。今が一番昼が長い時期である。時計を見ると午後7時半。本来なら梅雨入りしている頃なので、こんな夕焼けが見られるのは実に貴重なのだ。
しばらく、テラスから実を乗り出すようにして夕焼けに見入っていた。が、10分もするとどんどん辺りは暗くなっていき、夕焼け空も赤から濃い紫色へと変化して行った。
夕焼けと言えば秋の季語ということになっているが、秋だけが夕焼けがきれいなわけではない。冬でも春でも夕焼けは広がる。女流詩人・茨木のり子さんの詩にまさに今の時期を謳った「六月」というタイトルの作品がある。詩の中で6月の夕焼けが謳われているが、秋の夕焼けと違って寂寥とした感じはないようである。
「六月」
どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる