おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

建前の世界

2024-06-05 11:13:41 | 日記
 自動車の大量生産に必要な認証「型式指定」を巡りメーカー5社で不正が判明した、というニュースが流れた。大手メーカーの不正がこのところ続いているので、それこそ「またか」という感想しかないが、大手自動車メーカーの車が軒並み販売停止になるのかと思ったら、そうでもないらしく、一体何を騒いでいるんだろうという気もする。

 不正はしたが、車自体の安全性には問題がないみたいなことを言っている。一体どういうことなのだろう。考えられるのは、テスト内容が実情に合っていないくらい厳しいか、書類の書き方がバカみたいに難しいかといったところだろうか。現場の人間は、「これだったら大丈夫」と考えていたが、お役所には通用しなかったというのが実情ではないだろうか。

 そう思うのは、僕がカフェを始めるに関して、保健所の検査や書類に辟易したところがあったからだ。保健所の検査は、もしかしたら第二次大戦直後にできた公衆衛生の基準じゃないかというくらい時代遅れだ。が、お役所はずっと変更することなくそれを引き継いでいるとしか思えない。

 例えば、流し台はいくらホーローの新品を使おうと許可は出ない。ステンレスの台でなければダメだという。魚屋だろうがカフェだろうが同じ基準だ。キッチンの床はコンクリートを敷いて水が流せるようにしなければならないという。おしゃれなフローリングは許されない。代替策としてビニールシートならOKだ。カフェの客間とキッチンの間にはドアがなければならないという規則だが、それでは食事をトレーに乗せて運べない。他はどうしているのだろうと思ったら、保健所の検査の時だけドアをつけ、開業したら外すのだという。なんじゃそりゃ。

 というような理不尽な決まり事が多々あり、さっさと時代時代で検査法も書類も更新してもらいたいものだと感じていた。それと同じような問題が、今回の自動車メーカーの不正の根底にあるんじゃないかと僕は疑っている。

 道路だって法定速度が50キロだと言っても、どの車もそれ以上で走っている。他の車の走行を邪魔してはいけないなんて規則もあるのだから、他が全部60キロで走れば、50キロだと邪魔になる。だから、そういう時は警察の交通取締だっていちいち速度超過ですべての車を止めたりはしない。速度違反で捕まるのは、警察の匙加減ひとつなのである。

 日本という国は規則を作るのが極端に下手な民族で、みんなで決めておきながらみんなでそれを平気で破る。本音と建前で規則を作る。車の制限速度は最初から上限70キロくらいにして、破った者はすべて逮捕するくらいでないと、本来なら規則を決める意味はないのだ。
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