おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

はさがけ、ぼうかけ

2014-09-28 11:57:59 | 福島

 用事があって福島県の県南に車を走らせると、途中の丘陵地帯の田んぼはすでに黄金色一色に輝いていた。広い田圃もあれば、細い階段状の棚田もある。柿の実も赤く色づき始め、木々も葉っぱも紅葉を始めている。東北はどこもかしこも秋色だ。

 早いところでは稲刈りも終わり、竹で組んだ稲木に布団を干すように稲を天日干ししている。九州でも山間部の小さな田んぼでは今でも稲を天日干しにしているが、ほとんどの田んぼは大型のコンバインで刈り取ってしまうので、天日干しの光景も珍しいものになってしまった。その点福島では、天日干しはまだまだメジャーだ。

 学生のとき、友人が東北をひとりで旅行して来たことがあり、そのとき旅行の写真をたくさん見せてくれた。リンゴの実のなる頃を見計らっての旅行だったので、季節は秋だったのだろう。そんな写真の中で、印象的な1枚があった。それは田んぼにまるで兵隊のように直立不動で整列した不思議な物体だった。尋ねると、稲を天日干ししているところという。それまで、稲木を渡したところに布団を干すように稲を掛けたものしか見たことがなかったので、不思議な光景に異国情緒を感じた。同じ日本でも、場所が違えば稲を干すやり方も違うのだ。

 そして現在、福島にいる僕はみの虫型に串刺しにされた稲架けは当たり前のように目にしている。それを棒掛けというらしい。ちなみに布団を干すタイプは稲架掛け(はさがけ)、みの虫みたいにするタイプは棒掛けというんだそうだ。そういうことを考えていると、なんだか感慨深くなる。

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