日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

秘帖の中

2011-12-25 | リブレリア
夢枕獏「秘帖 源氏物語 OKINA」





これがべらぼうに面白かった。
あれだけつまらなかった往路の新幹線が嘘のよう。
あっというまに東京駅に着いちゃったよ。

宇治に行き
太秦に行ったあとだからか・・・

タイトルの通り源氏物語をベースにした物語。
まさに秘帖を冠するにふさわしい源氏物語です。
夢枕獏の著作にはお馴染みの蘆屋道満と光源氏を不可思議な出来事の謎を解く。


「陰陽師」で有名になった夢枕獏の本領です。
この著者の本は本当に出会いのタイミングが良くて
本を読むと旅行が数段、楽しめるオマケがついてくるのだ。
「沙門空海 唐の鬼と宴す」もそうだしこの「OKINA」にしてもそうだ。

旅行と本を読むというの行為は「非日常を楽しむもの」だから、
そこがピタリとはまると相乗効果で強烈な印象を残す。

復路の新幹線に乗っている最中にもう、次の京都旅行を画策する。
入組んだ路地で美味い物を食し、おごそかな寺社仏閣をナナメに見る。

そこに鎮座まします仏の像も、古来より当たり前のようにあるその堂も柱も
つきつめてゆけば大いなる物語をはらむのだ。

奇譚、空想、浪漫、歴史
人の喜怒哀楽まで飲み込んで
静かに存在する京都の日常。
穿って、垣間見て、想像する。


旅行と読書の愉しみ。












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