日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

盛りか否か

2011-09-27 | リブレリア
「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」
三島由紀夫「潮騒」より









ニュースで潮騒の舞台となった神島が話題になっていた。
伊勢湾 鳥羽市の小さな島、神島。
ここには物語に登場する八代神社、そして監的哨があり
何より潮騒ががさざめくのだ。


この小説が傑作だと思うのは「若さ」の何たるかが
簡潔に力強くそして美しく描かれているからなのだと思う。





漠然とした不安
持て余ます鬱屈と力
夢、希望、初恋。

人にとっては若さというのは不変ではない。
年老い、日々の変化の中で経験した若さの普遍を鮮やかにみせてくれる
「潮騒」は三島文学の真骨頂だと思う。



風雨がざわめく監的哨。
その中で燃える小さな火は若い二人の顔を赤く照らし、
その目の中に更なる光を映し出す。


幻想的で力強く静謐な美しさ。
何度も映画化され、CMになるのもわかるわ。





「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」







久しぶりに読み返す。
三島由紀夫「潮騒」
盛りを過ぎた時、その頂きたる瞬間がどういうものだったかに気がつくのだろう。
若さってこういう事だったんだと。

花も、
辛さも幸福も過ぎ去ってわかるその頂と底。
ついでに言うと為替もね。
暑さも過ぎ去ってわかる夏の盛りです。




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