原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

好きでもない相手と何故交友する??

2017年06月21日 | 人間関係
 高齢者介護施設に暮らす義母の保証人を担当している私に課せられている定期的な“お仕事”の一つに、義母の「病院付添い」業がある。

 この「病院付添い」だがその実務の中核をなすのは、義母の“愚痴の聞き役”である。

 
 昨日も義母の「病院付添い」業を果たしたのだが、私が施設へ到着するなり、いつもの事だが義母の“愚痴オンパレード”が開始する! 
 付添い側の私としては、とにかく早めに病院へ連れて行き、一人でも早い診察予約順番を確保したいものだ。 
 それに対し、認知症状が進み耳の聞こえの悪さも日々悪化する義母は、私が施設へ到着したことをとにかく喜ぶ。  待ってました!とばかり、心中に留めていた“愚痴”が、まるで「千と千尋…」の“顔なし”が食い漁った体内の汚物を全部吐き出すがごとく、排出し始めるではないか!

 やむを得ない。 これも保証人の任務と心得て、とりあえず“愚痴テーマ”の一つを施設の母の部屋で聞く事とした。 それを5分程で聞き終えある程度義母を安堵させた後、やっと私は「お義母さん、病院へ急ぎましょう!」とけしかけ、部屋から出る事が叶った。
 
 部屋から出て廊下で出くわしたのが、施設入居者の某女性だ。(後に聞いたのだが、この女性を義母が好んでいて、出来ればこの方とお付き合いしたいらしいのだが、相手が施設内で人気者らしくなかなか“お近づき”になれないとの事だ。) 
 そうしたところ、その女性が私の事を覚えて下さっていたらしく「お嫁さんでいらっしゃいますね?」と声を掛けて下さる。 私の方も記憶があり、「そうです、嫁です。 以前にもこの廊下でお目にかかりまたね。」と応えると、「今日は、お義母さんと何処かへ出かけられるのですか?」と問うて下さるので「はい、病院へ行きます。」と応えた。
 その短時間の応答より判断して、私はこの女性が施設内で“人気者”である理由が直ぐに理解出来た。
 要するに、ご高齢(90歳近いご年齢らしい)にもかかわらず実にしっかりされているのだ。 こういう“特殊な場”で人気者でいられる条件とは、頭脳明瞭で心身ともに充実し相手のことを慮れる素養を失っていない、との事だろう。


 さて病院へ到着し受付を済ませ、待合場所で順番を待ち始めると、案の定怒涛のごとく義母の口から“愚痴”が吐き出て来る。
 ただ今回ラッキーだったのは「検査」があったことだ。 その検査中は付添人立入り禁止との事で、私は義母の“お守り”から解放されたのだ!  (これぞまさに我が娘幼き頃に病院へ連れて行った折にも、束の間でも検査中は看護師氏が泣き叫ぶ娘を預かってくれた事を思い起こす。) 

 その後、検査後の医師による診察までの待ち時間に義母の“愚痴オンパレード”が再開する。
 そのテーマはいつも決まっていて、必ずや最初に出るのが「私は早く死にたい」である。 既に耳にタコが出来ている私だが、いつものように一応初めて聞くふりをして聞く。
 ただ今回義母の訴えが少し“進化”を遂げているのを実感した。 義母曰く、「私はもう手術はしないの。 もし何処かが痛くなったら痛み止めは欲しいけど、その他の事はしない事に決めてるの。 とにかく早く死にたいの。」  (過去に、私がその種の“指導”を何気なくしたような気もするが……)

 
 義母の“愚痴”はテーマを変えて続く。
 「生きていても面白い事が無いし、あそこの施設で暮らしていても一人として好きな人がいない。 もう5年も暮らしていると周囲の皆が嫌になる。 」
 そこで私が振って曰く、「さっき施設でお会いした女性など、良き方だと思いますけど」  直ぐに返ってきた義母の返答とは、「あの人は皆と仲良しなのよ。いつも入居者の誰かがそばにいて、私が入れる隙間がない。」 

 私見だが、「ははあ、分かった。」と私は内心ガッテンした。
 要するに義母という人物とは、“自分だけ”に特化して付合ってくれる人物を高齢に達した今尚欲しているのだ。
 それは、思い起こせば義母が昔からの「恋愛好き」である事実に遡るのだろう、と結論付けられるように私は考える。 恋愛とは二人の密室の世界だ。 その二人の世界が貫徹される程に他者が入る隙間が無くなる。 その1対1の関係に於いて、恋愛が激しく成就しているうちは二者関係にてすべての物事が進む世界と、私も若き時代の経験から認識している。 
 そんな世界を長年ずっと堪能して来た義母にとっては、高齢域に達した暁にも“自分のことだけを考えてくれる人”を求め彷徨わざるを得ないのだろう。
 そんな義母なりの宿命は理解可能なものの……


 それにしても困惑するのが、そんな義母が施設内で「好きでもない人物達」と交友してストレスを溜め込んでいると、私に訴える事態だ。
 保証人の私としては義母が内面に抱えている「恋愛好き」なる特質を理解しながらも、そうだとしたら他に選択肢もありそうなのに‥… と考えたりもする。 施設暮らしにして交友関係中心生活ではなく、自らの生き甲斐を優先する生活をする、等々。 そうして主体的に施設暮らしをしている人物も少なくないとケアマネ氏より伺ってもいる。

 選択肢は他にもありそうなのに、何故好きでもない人物と敢えて交流してストレスを溜め込まねばならないのか??  その解答とは、義母がそもそも“他力本願”志向者であり主体性に欠けているせいだろう。
 いや、確かに職場の人間関係等々個々人の実力のみでは融通が利かない場では、どうしてもストレスが発生せざるを得ない事実は私自身も過去に幾度も経験済みだが。
 
 高齢者施設とは、それとは異質と捉えつつも…
 確かに自身の身体が老化を遂げ、自分が欲していなかった(認知症状や耳の聞こえの悪さ等々)の不具合を抱え込む事とは、「好きでもない相手との交友」との“拷問”を強制される事態か!?!  と多少納得できる気がこの私もして、背筋が寒くもなるなあ……

小池党首公認「都民ファーストの会」 v.s 公認漏れ「希望ファーストの会」

2017年06月19日 | 時事論評
 原左都子の視点からは、結局こういう構図になるであろう事態に小池塾立上げ時点より想像が及んでいた。


 昨日ネットにて発見した、表題の “小池党首 “V.S″ 公認漏れ塾生による「希望ファーストの会」”騒動に関する情報を、以下に要約して引用しよう。

 安倍自民党が森友、加計学園問題などで失速する中、追い風が吹く小池百合子東京都知事率いる「都民ファーストの会」(以下は都ファ)に問題が持ち上がった。
 都ファは都議選に48人前後の公認候補を擁立する予定だが、公認選考から漏れた「希望の塾」(小池氏が主宰する政経塾)の塾生たちが無所属で立候補すると訴えているのだ。
 「希望の塾」には約4 千人が受講し、昨年12月には小池氏は塾生から都議選の候補者を擁立する考えを示していた。
 結果的に公認されなかった齋藤一恵氏(48)、土居範洋氏(35)、宮本しゅんま氏(26)の3人の塾生たちが6月13日都庁で会見を開き、「『都民ファーストの会』からは公認されなかったが、都議選に立候補します」と出馬表明。「都ファの選考過程が不透明だった」などと訴えた。
 齋藤さんは塾の1期生で、シンガポールで12年間人材育成会社を経営していたが、ネットで希望の塾の創立を知り「小池知事のビジョンに共鳴した」という。 シンガポールから応募書類を郵送し、飛行機に乗って希望の塾の授業を受け、またシンガポールに戻るという生活を送った。
 今年1月、東京・池袋で都議選に擁立する候補者を育成する「都議選対策講座」の受験が行われ、約1600人の受験者の中から約300人まで絞り込まれた。
 「合格通知が来たことがきっかけで、シンガポールの仕事を辞めて3月初め帰国しましたが、次の面接で落とされてしまった。面接時間はたったの10分。それくらいで何がわかったのでしょうか」(齋藤さん)
 公認はとれなかったが、都議選に出ようと齋藤氏は6月初旬、「希望ファーストの会」なる政治団体を立ち上げた。 名前が都ファと似ていることについてこう説明した。
 「なんとかファーストというのはトレンドなので。 メンバーはまだ私1人ですが、政治団体を持っている方が、無所属よりは活動の幅が広がります」
 同じく希望の塾の塾生で、会社員の土居範洋氏(34)は南多摩から、宮本しゅんま氏(27)は荒川区から無所属で出馬する。 
 宮本氏はこう振り返る。
 「都議選対策講座の筆記試験はかなり手応えがあり自信があったんですが、『このたびは残念ながら不合格となりました』という通知が送られてきました。試験の採点も公表されておらず疑問を持っています」
 選考のプロセスが不透明とも訴える。
 「公認されたのは、知名度、お金、または経歴のきらびやかな人ばかり。 毎回、講義を受けていた塾生の中からは何人が選ばれたのでしょうか」
 土居氏は都ファが「自民党の旧態依然とした地盤、看板、鞄の3ばん方式と同じやり方をしている」と批判した。そして塾の収支を開示していないことにも疑問を抱いたという。
 「塾の公式ホームページで何人かが、『収支報告を公開してください』と呼びかけをしているにもかかわらず、公表しない。小池知事のいう情報開示、透明性からはかけ離れているのではないでしょうか」
 ある塾生は「公認に選ばれた女性は、幹部の好みのタイプの女性が多いですね」とも証言する。
 塾生からのさまざまな指摘に関し、都ファ事務局はこう回答した。
 「個別の事例について論評する立場にはありません。試験の採点結果についてはお答えしておりません。(略)希望の塾は都ファが運営する事業の一部。都ファは、政治資金規正法により政治団体として政治資金収支報告書を作成し、東京都選挙管理委員会に提出することが義務づけられており、同法の規定に基づいて適正に開示されています」
 塾生の反乱に小池都知事の心境はいかに?
 都ファと希ファの戦いはいかに。
 (以上、ネット情報より引用したもの。)


 原左都子の私事及び私論に入ろう。

 実はこの私も、昨年秋に小池知事が「小池百合子政経塾・希望の塾」を立ち上げるに当たり塾生を募集した際、ほんの一瞬だが「応募しようか?」なる邪念が脳裏を過ったのは事実だ。
 ただ私の場合、その邪念を却下する決断は早かった。
 何故ならば、第一に私が既に還暦過ぎた高齢者である事実だ。 小池氏がまさか自分とさほど年齢が変わらない“高齢女性”を塾生に招こうなどと考えている訳も無く、所詮“全然お呼びでない”事が歴然と判断したのだ。

 いや小池さんが政経塾を立上げた当初より、私の視点からは小池氏の魂胆はある程度見えていたような気がする。

 2017.6.4 公開の「小池さんが集めた“都民ファースト”メンバーの貧弱さが気になる」と題する本エッセイ集バックナンバーより、そんな我が推察の程を再度以下に紹介しよう。

 たとえ大都会東京都とは言えども、所詮「地方議会選挙」など党員を頭数だけ揃え勝利すれば党首としてはそれで済むのだろうし…
  それにしても東京都知事の小池さんて、もしかしたら「学歴・経歴コンプレックス」でもおありなのだろうか???  と疑りたくもなる。 「商社マン、弁護士、医学博士。 すごい人材がそろった。」  このように、総決起大会会場で小池氏が豪語したとの事だ。   何をもって“すごい人材”と評価するのかが分かりにくい発言だが、要するに小池氏が自身の“インテリ好き”を暴露したという事だろうか??
 私論だが、この私とて一東京都民であるが故に、7月第一日曜日に実施される「東京都議会選挙」に出向かねばならない。  その立場として、実際「都民ファーストの会」党首であられる小池氏の発言があまりにも幼稚である事実に、現在困惑させられている。
 まず、その小池氏の “インテリ好き” に嫌気が指す。 もちろん、選挙戦で闘うには立候補者には表立ってアピール可能なバックグラウンドは重要であろう。  ところが今回小池氏が集めた“人材”とは、まさに “表立った経歴アピール力しかない” 有様と、都民に受け入れられてもやむを得ない状況なのではなかろうか?
 更には、その“インテリ”達はもしかして都議会選挙に当選した暁には、本気で今現在の専門をかなぐり捨ててでも、都議会議員として都民のために誠実にその役割を果たす志があるのだろうか??   そうでないとすれば、それは都民に対する“裏切行為”であろうし、はたまた、実は元々自身の専門分野で行き詰まっているからこそ、小池氏が立ち上げた新党に安易に応募しただけの話のような気もするのだ。
 もしも小池氏が、それら自ら選出した人材に真に都政改革可能な潜在力があると信じるのならば、むしろ選挙戦にて、思い切って立候補者個々の選挙公約を発表させては如何だろうか??!   私など、それを聞かせてもらった上で、投票する人材を自分で見抜きたいと考える都民だ。
 何はともあれ、小池氏が操る「都民ファーストの会」とは、小池氏自らが自覚し欲する程には成熟していない未だ未熟段階であろう。   今後、都民からの絶大な支持を得られる程の政治団体に成熟するには、党首であられる小池氏自らが「独裁制脱却」等々越えねばならないハードルが大きいと、私は指摘したいのだが。
 (以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を引用したもの。)


 冒頭のネット情報に戻ろう。

 今回、小池「都民ファーストの会」より公認漏れになった塾生の皆様のお嘆きの程を察して余りある。
 要するに私がバックナンバーで綴った通り、小池知事とは、表向きの肩書・経歴を筆頭に庶民に選挙受けする候補者の外因的要因にのみこだわり、都議会選の候補者として選出したとの事なのだろう。
 そんな小池氏の候補者選抜が旧態依然とした「自民党方式」であるとの記述にも、都民の一人として嫌気がさすというものだ。
 小池氏が塾の収支を報告・公開していないとの記述に関しては、公認者に弁護士もいるとの事実にして何故その違法性を責めないのだろうか?、理解しにくい点でもある。

 これら小池都知事よりの理不尽な扱いに反発して、「希望ファーストの会」を立ち上げた“公認漏れ”の面々が未だ20代から40代との現役世代であるが故に混乱を来している様子が手に取るように理解出来て、痛々しい感すら抱かされる。
 
 ここは、“小池氏公認漏れ”「希望ファーストの会」が結束し、都議会選挙に出馬する事を都民の一人として私も応援したいものだ。

 ただその際には必ずや候補者個々人が、一都議会議員になった暁の公約の詳細を自らの責任に於いて公開して欲しいものだ。
 すべての候補者の公約を熟読した後に、私は7月第一日曜日に都議会選挙に臨もうと考えている。

加計学園獣医学部が開学したとして入学したい学生がいるのだろうか?

2017年06月17日 | 時事論評
 これ程までに世間一般人までをも巻き込み世の物議を醸して尚、「総理の意向」に関する文科相と内閣府の説明が対立しているお粗末な現状。

 一旦は安倍内閣の支持率を下げた事態を受け、ついには文科省が記者会見にて“怪文書”の存在の一部を認めたものの、結局内閣府側が文科省の発表をもみ消そうとまでする始末。

 加計学園に関する「総理のご意向」文書の発覚から1ヶ月が経過したが、様々な疑惑を残したまま国会は事実上閉会してしまった…。

 私論としては、野党にもっと頑張って貰い是非とも「総理の(加計学園に対する特権授受)ご意向」の事実の程を暴き、獣医学部新設認可を阻止し、現在建設中の獣医学部新設を中止に持ち込んで欲しいものだ!


 そんな私が思うのが表題の通り、もし加計学園獣医学部が開学したとして、こんな“インチキ新設認可獣医学部”に入学したいと志す学生及び保護者が存在するのだろうか?? との事だ。
 独裁安倍政権首相と理事長との友達関係より、まんまと特権的に開学せんとしている学部に平然と入学したいと考える学生(及び保護者)が存在するとすれば、その“我が身息災”加減に世も末感を抱かされるというものだ!


 さて、医学部に在籍した経験があるものの、一文字加えた「獣医学部」との学部には今までの人生に於いて全く縁が無い原左都子が、今回現存する「獣医学部」の特に「学費」に関する調査を少しだけしてみた。

 そのネット調査内容を以下に紹介しよう。  (某獣医専門予備校の資料より引用させて頂いた。)
  
 国立獣医学部の場合
入学金 授業料(年額) 初年度納入金 6年間総額
282,000円   535,800円    817,800円   3,496,800円

私立獣医学部の場合

「酪農学園大学」
 入学金 授業料 実学充実費 諸会費 初年度納入金 6年間総額
300,000    940,000    160,000   47,500   1,447,500    12,899,500

「北里大学」
 入学金 授業料 施設費 初年度納入金 6年間総額
300,000    1,500,000    530,000   2,330,000   12,480,000

「日本大学」
 入学金 授業料 施設費 実習費 初年度納入金 6年間総額
 260,000   1, 500,000   350,000   300,000    2,410,000   13,160,000

「日本獣医生命科学大学」
 入学金 授業料 施設拡充費   +  教育充実費 実習費 初年度納入金 6年間総額
 250,000   1,300,000   720,000   200,000   2,470,000   13,570,000

「麻布大学」
 入学金 授業料 施設費   + 教育充実費 実習費 +  諸会費 初年度納入金 6年間総額
 250,000    1,250,000    700,000   277,740   2,477,740   13,312,740

  私立大学と国立大学では6年間で総額950万円もの差があります。 さらに自宅から通える国立大学(私立は関東にしかありませんが国立は全国に11ヶ所あります。)に入学できたなら、下宿費が年間120万円(1ヶ月10万円で生活したとして)、6年間で720万円を得します。 つまり高1から準備をすることで自宅から通学できる国立大学に合格できたなら、約1670万円も得することができるのです。
  費用の面で国立を志望する方は大変多いのですが、これだけの金銭的メリットがありますので国立大学の難易度は相当高いです。 だから、これだけはご理解していただきたいのは国立大学は受験勉強開始から1年や2年では絶対に合格できません。だからこそ早期の準備が必要不可欠です。
 攻略① 志望大学の早期決定 攻略② 英数理に力を注ぐ 攻略③ オープンキャンパスに行く 攻略④ 推薦入試は圧倒的に有利

 (以上、ネット情報より獣医学部の「学費」に関して引用したもの。)


 原左都子の私事及び私論に入ろう。

 まずは学費に関してだが、私立「獣医学部」の学費はさほど高額ではない事実が意外だ。
 上記中一番高額の「日本獣医生命科学大学」でも、6年間(おそらく大学院修士課程も含めての計算なのだろうが)総額1357万円との事は、1年間約230万円弱。
 我が娘も一応理系に属する私立大学に4年間通わせたが、1年間の学費はほぼ同額だった。
 私立医学部の場合、6年間で数千万円の学費を計上している大学も存在する事実と比較すると、その低額との意外性を理解頂けることであろう。

 それよりも、このネット情報により私は学費よりも重要な事実を発見した。

 それは、日本には既に数多くの「獣医学部」が存在しているとの事実だ。
 国立だけでも、全国に11ヵ所! 
 そして私立に関しては、関東地方に集中しているとはいえ、既に長年に渡り「獣医学」を伝授し続けている伝統ある大学が5学も存在しているとは、今までまったく認識していなかった。

 いや、確かに「獣医学部」が果たしている役割を、今に至るまで何ら知ろうともしなかった事実は自分でも反省材料だ。
 と言うのも、上記情報以外にも現在の獣医学部には各分野の「学科」が存在し、各分野へ多くの卒業生を輩出しているとの記載がある故だ。


 それにしても…。

 安倍政権が率先して着手するべきは、当然ながら全国に11ヵ所も存在するとの国立大学獣医学部こそを更に発展・充実させるべく文科省を指導する事なのではなかろうか?!

 にもかかわらず、安倍首相がしでかした取り返しがつかない失策とは…

 自分の友人である加計学園理事長を特待するべく「総理のご意向」まで作動させ、内閣や文科相に“口封じ”の上加計学園に獣医学部を開設させるべく働きかけるとの、一国の首相としてはあるまじき断じて許し難き事態だ。
 しかもその口封じをして、未だ首相としてのさばり続けられると信じているそのアンビリーバブルかつ能天気な姿勢……
 
 これを「安倍独裁国家」と言わずして何と言う?!?

 
 繰り返すが、我が希望としては今後早い時期に「加計学園獣医学部」新設が不認可・開学阻止に持ち込まれ、将来こんな許し難き私立学部の門をくぐる学生が一人として発生しない事を願うばかりだ。

絵むすび(朝日新聞2017.06.17編)

2017年06月17日 | 自己実現
 (写真は、本日2017.6.17付朝日新聞 パズル「絵むすび」に原左都子が解答したもの。)



 朝日新聞 「絵むすび」 ファンの皆様、お待たせ致しま“せん”でした。


 本日の「絵むすび」は“難易度4”にもかかわらず、全体像を一見した後、約3分で解答が叶いました!


 解説は不要かと思いますが、少しだけ説明しましょう。

 右上に並んで存在する「マンボウ」「あじさい」は、線を延ばす方向が最初から運命付けられています。
 それをまず、一マスだけ延ばしましょう。

 次に右下の「ベル」ですが、これも左側へ横へ線を引き、ひとまずそこで様子を見ましょう。

 上段の「きのこ」ですが、これも最上段を左に線を引き、左上から一マス下へ降ろすまでで止めておきましょう。

 「マンボウ」は「段ボール」の横を通りそのまま素直に結んでも、他のアイテムの妨害とならない事に気付きます。

 後は、“駆け引き” といつもの “道の譲り合い精神” を発揮すれば、無事に解答が叶うはずです。



 本日、他のエッセイ執筆・公開を予定しておりますので、「絵むすび」解答解説はこれにて終了させて頂きます。

 皆様のご解答の成功をお祈り致します。 

 

安倍政権の乱暴で強引な手法により産み落とされた「共謀罪」

2017年06月15日 | 時事論評
 犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が本日(6月15日)朝、参院本会議で成立した。 自民、公明両党が委員会採決を省略できる「中間報告」の手続きを使って一方的に参院法務委員会の審議を打ち切り、本会議採決を強行。 異例の徹夜国会の末、与党や日本維新の会などの賛成多数で可決した。 投票総数235票のうち賛成が165票、反対が70票だった。
 政府・与党は18日までの会期通りに通常国会を閉会する。 
 安倍首相は共謀罪法の成立を受け、「東京五輪・パラリンピックを3年後に控え、一日も早く国際組織犯罪防止条約を締結し、テロを未然に防ぐために国際社会としっかりと連携していきたい」と首相官邸で記者団に語った。 金田法相は「理解は深まったと思う。限られた期間に誠意を持って一生懸命説明してきたつもりだ」と述べた。
 これに対し、民進党の蓮舫代表は「共謀罪が成立したから不安が消えるというものではなく、むしろ成立したことによって不安は増幅される」と指摘。 「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題の追及の場だった国会が閉じることを念頭に、「究極の強行採決である中間報告を活用したことは、これ以上加計問題に一切触れてもらいたくないという、総理忖度(そんたく)ありきの国会運営としか思えない」と批判した。
 共謀罪法案は、犯罪を実行に移した段階から処罰する日本の刑事法の原則を大きく変える内容で、過去3回廃案になった。 政府は今回、「テロ対策」を強調し、国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠だと説明。 対象範囲を「組織的犯罪集団」に限定したとして「一般人は対象外」と主張してきた。
 だが、衆参の委員会審議で、テロ対策の有効性や必要性の根拠が揺らぎ、処罰や捜査の対象もあいまいさが浮き彫りになった。 国連の特別報告者も「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と懸念を表明。民進、共産、自由、社民の野党4党などが廃案を求めていた。
 委員会での審議時間は衆院の30時間25分に対し、参院は17時間50分にとどまった。野党4党は異例の手続きによる審議打ち切りに反発し、「情報の隠蔽(いんぺい)、法案の成立強行など安倍政権の暴走ぶりは常軌を逸している」などとする内閣不信任決議案を提出したが、15日未明に衆院本会議で与党と維新などの反対多数で否決された。
 改正法は6月21日に公布され、7月11日に施行される見込みだ。
 (以上、「共謀罪」法案成立に関する本日のネット情報より引用したもの。)


 引き続き本日の朝日新聞朝刊より、「国会最終盤 極まる政権の強権姿勢」と題する社説を要約引用しよう。

 あまりに乱暴な国会運営だ。 到底承服できない。 
 「共謀罪」法案について、自民党は参院法務委員会での審議を打ち切り、本会議での直接採決に向けて「中間報告」を行う事を提案した。 この「中間報告」は、国民の代表である国会議員の質疑権を事実上奪うものだ。 憲法が定める国会への閣僚の出席・発言義務を免ずることにもなる。 提案自体が参院無用論につながりかねない強権姿勢を、与党の参院議員はどう考えるのか。
 政権側の思惑は明らかだ。 国会会期を延期する事態になれば、加計学園等々の問題で野党に追及の機会を与える事になる。 とにかく早く閉会したい。 強引な手法をとっても、人々はやがて忘れるだろう。
 異なる意見に耳を貸さない。 数の力で押し切る。 国民を軽視する。 繰り返してきた政権の体質が、国会の最終盤に最悪の形であらわれた。  (中略)
 政府は「一般人」には影響は及ばないと説明するが、それを担保するものは何か。 「正当な業務」と開き直る警察当局を、この先どのようにコントロールし、逸脱・暴走を防ぐのか。
 国民の不安が拭えていない状況を見れば、一旦廃案にし、答弁能力に疑問符がつく法相を交代させて出直す。 当初の会期にとらわれずに審議を尽くす。 それが政治が果たすべき当然の責務だ。 (中略)
 単に共謀罪法案の行方にとどまらない。 「熟議」「謙譲」という言葉の対極にあるこの政権下で、民主主義は何処へ行くのか。 懸念が膨らむ。
 (以上、朝日新聞本日の「社説」より一部を引用したもの。)


 引用が長引いたが、原左都子の私事及び私論に入ろう。

 少し前の事だが、我が亭主が「共謀罪法案が成立したら、もしかすると〇子(私の事だが)も政権のターゲットになって、警察当局の取り調べを受けるかもしれないねえ。」と冗談半分で物騒な事を言い始める。

 これには理由がある。
 昨年夏の参院選直前に当「原左都子エッセイ集」にて“安倍政権バッシングエッセイ”を公開したところ、直後よりまんまと「言論統制」にはまってしまい、複数の検索エンジンより数カ月間我がエッセイ集が抹消され、検索不能となるとの事態を経験しているのだ。
 その時の様子を綴ったバックナンバーを、以下に少しだけ紹介しよう。
 2016.7.2 に公開した 「許し難き公的年金積立金5兆円損失計上の失策」 が、どうやら(おそらく安倍政権)よりの言論統制に遭遇している様子だ。  幾度も各種外部検索元より当該エッセイを検索しても、そのすべて(特に国内検索元)に於いて、「一部の検索結果が削除されています」との検索画面下欄での説明だが、我がエッセイもその対象の一つとなっているようで検索不能な状態だ。   既に9年来、時事問題等のエッセイを綴っている私にとってこの種の経験は決して初めての事ではなく、過去に於いても幾度かその被害に遭遇している。 (中略) 
 許し難いのは、自民党政権がGPIFによる国民年金及び厚生年金積立金運用損5兆円との巨額損失計上事件を、7月10日に実施される参議院選挙の “後に” 「正式発表」すると言う事実だ。  これでは、野党から「損失隠しだ!」と批判されて当然だろうし、私自身も、その「票取り」の見え透いた手口に唖然とさせられるばかりだ。  自民党の「票取り作戦」とは、結局、“平和ボケ政治無関心派多数の国民”から何でもいいから票をもぎ取りたい魂胆であることが見え見えであるのにとことん嫌気がさす。 選挙年齢を急きょ18歳に引き下げたのも、要するに票取り政策の一つである事は歴然だ。 
 (以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を引用したもの。)

 話を本日に戻そう。
 「共謀罪法案成立」テレビニュース報道の中のインタビューに市民が応えて「東京オリンピックもある事だし、早めに法案成立してよかった」なる反応もある事実に驚かされ、背筋が寒くなったものだ。

 こうやって安倍政権は、“平和ボケ政治無関心派多数の国民”から手段を問わず“似非支持”を得つつ「共謀罪」法案を強行成立させてでも「独裁政権」を続行する意向なのだろう。


 最後に、少し前の 2017.5.28 朝日新聞記事 「今はまだ岸辺漂う笹舟か」と題するコラム記事より、朝日新聞編集委員氏が綴った当該「共謀罪」に関する記述の一部を紹介しよう。

 戦前の治安維持法は、成立すると可能な限り拡大解釈された。 解釈が限界を超すと改悪が図られた。
 そうして生まれた悪法がおそるべき怪物と化していく中で、おびただしい理不尽と悲劇が起き、戦争で国は破滅した。
 今の「共謀罪」をただちに治安維持法の再来とは言えないだろうし、当時とは司法や社会のありようも違う。
 とは言え、相似形は疑いようがない。 犯罪者を捕らえるというより、捕らえたい者を犯罪者にする道具になりかねない。 「テロ」「五輪」と反論を封じやすい語に包まれて、危うい卵は参院選へ送られ産み落とされようとしている。
 (以上、5月28日付朝日新聞記事より一部を引用したもの。)


 その“危うい卵”が、本日まさに安倍政権による乱暴かつ強引な手法により、再度我が国に産み落とされてしまった……