原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

建設作業員達のプロ技と体力に感動!

2015年12月04日 | 仕事・就職
 (写真は、自宅住居マンション物件の第一回大規模修繕工事が終了し、足場解体に取りかかった建設作業員氏達の作業風景を、高層階に位置する我が家室内より撮影したもの。  参考だが、写真左側付近から直線距離約6km地点に東京西新宿超高層ビル群が展望可能。)


 私の場合、残念ながら親しい間柄の人物に建設業に従事する方々が存在せず、それらの人物との交流がほとんどないまま現在に至っている。

 ほんの少し経験しているのは、私が過去に勤務していた公立高校での話だ。
 マンション物件管理工事現場にてアルバイト職員として働いている男子生徒との雑談の中で、作業現場の話を聞いた事がある。
 男子生徒曰く、「僕は時々マンションビルの排水管高圧洗浄の仕事に行くんだけど、その仕事って凄いんだよ。 自分は補助の立場だけど、高圧洗浄の仕事はとても大変なんだ。 少しその扱いを誤るととんでもない事になる。 それを傍で見つつ先輩達は凄い仕事をしてるなと思いながら、僕も頑張っているよ。」
 目をキラキラ輝かせながらそんな話を私相手にしてくれる男子生徒に直面して、この私がウルウルと感激しない訳もない。
 「へえ~、凄い仕事を頑張っているんだね。 私が住んでるマンションも定期的にその排水管高圧洗浄のお世話になっているけど、作業をしてもらった後の排水の流れが気持ちいい程素晴らしいのにいつも感動しているよ。 ホントに世の中の役に立つ仕事だよね。 ○君は卒業したらその分野のプロを目指すのかな? 応援しているよ!」 などと返答したと記憶している。 


 さて、我が住まいであるマンション物件が現在大規模修繕工事中である事に関しては、当エッセイ集バックナンバーにても公開している。
 そもそも我が家は今回の第一回大規模修繕工事着工に対し、管理組合を通して反対(先送り)の立場を貫いていた。  と言うのも、民間マンションの大規模修繕事業とは建設会社の子会社(あるいは系列会社)の主たる収益目的”との事実が歴然としている故だ。  建設企業側としては、管理会社に毎月チマチマと管理費のみを稼がせていたのではその運営が成り立たたない事など、素人考えでも理解可能だ。 十数年に一度大規模修繕工事を施す事により一挙に多額の収益を上げ、月々の修繕積立金を値上げしない事には継続的経営が成り立たないのだ。
 しかも、現在に於いてはこのマンション大規模修繕事業が、おそらく国家と建設業者との癒着により法制度化され、何年間に1度の割合で強制実施している事実を私は把握している。 
 それでも、私としては国家と民間企業との癒着体勢にどうしても素直に従う訳には行かない!  当初はあくまでも「管理組合」の決定に反発したのだが、マンション住民の総意である「管理組合」の工事着工の決定にいつまでも反発していたのでは、先々この集合住宅内で暮らしにくくなる事が歴然だ。
 痛恨の念であったが、最終的には管理組合の“工事着工”合意に同意せざるを得なかった。


 そうして、9月から12月までのスケジュールで、我が住居であるマンション物件の大規模修繕工事が開始した。
 未だ残暑が厳しかった9月の工事着工当初は、その工事騒音を聞かされるだけで、工事反対派だった私は居てもたってもいられない程の不快感を感じざるを得なかった。 
 ところが今回の工事に関して「反対派」が居住している事実を周知しているマンション建設会社が、住民に留意するとの粋な計らいをするでないか。  「ご意見をいつでも承ります」なるポストを設け、修繕中の不都合・不具合や不平不満に関して事細かに対応する体制を整えた様子だ。 これに私も幾度となく意見書を投稿した。 建設会社側はそれに忠実に応えたと評価出来よう。 (ただ、費用対効果に対する考察は当然ながらまだ先の課題だ!)


 それはともかく、実際に修繕工事現場で作業している作業員氏達のプロ技の程は物凄いのだ!
 
 例えば、冒頭写真に掲げた「足場解体工事」に関する “原左都子詳細レポート”をここで紹介しよう。

 右側の青年が手作業にて足場を少しづつ解体しながら、左側にいる青年に解体した部品を運び、それをロープで階下に降ろす作業を実施している写真だ。 元々、足場とはマンション物件に固定されている。 ところが解体作業に際してはその固定部分が最初に取り外される運命にある。 そうした場合、特に上階の足場は風がなくとも作業員の重みでゆらゆら揺れるのは必然だ。 しかも解体作業に於いてまず両側の手摺から取り外されていく。 そうなると右側の青年は、結果として幅30㎝程の揺れる床面にて重そうな“床面”を取り外すなる、とてつもなく危険な作業に挑むしかない運命に晒されるのだ!

 更に驚かされるのは、解体する順番を一つでも間違えたものなら取り返しがつかなくなるとの切羽詰まった状況にもかかわらず…
 私の目に映る作業員氏達とは、過去に於いて高校教員をしていた時期に出会った高校生達とさほど年齢が変わらないようなあどけない外見風貌でもある。 にもかかわらず、青年達の仕事ぶりとはまさに“プロ技”なのだ。
 一つの手順も間違えず、体力勝負で、しかも短時間内に危険度が高い解体作業をスピーディにやり遂げた作業員氏達に大きな拍手を贈りたい。 
 

 まさに、この種の究極“プロ技”を間近で目の当たりにすると、自分自身の“無力さ”ばかりが浮き彫りになり自己嫌悪に陥ると言うものだ。

 にもかかわらず、世の中には未だ意味不明の“職業ピラミッド階級”が存在するのが現実であろう。

 職業ピラミッド頂点に君臨し、自分こそが世を牛耳っていると自覚している恥知らず人種どもも、たまにはピラミット底辺(?)にいる職業人達の働きの素晴らしさを見学してみるとよい。

 必ずやその高度プロ技に感動し、自分の能力の無さを恥じ反省させられる事であろう。

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