原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

地方マラソン大会開催のあり方と「地方創生」の未来

2016年02月25日 | 時事論評
 (写真は、少し古くなるが昨年秋 2015.11.8 地元自治体開催のロードレースに出場した折にプロが撮影してくれた私の写真。 当日あいにくの冷たい大雨に見舞われ、私自身全身ビショビショならば、整備されていないトラックが泥水ぬかるみ状態のゴールを、最後の力を振り絞って駆け抜けた事が今となっては懐かしい思い出だ。)


 2月28日の東京マラソン開催まで、後3日と迫っているようだ。

 50の手習い(と言うよりも単に一人で勝手に走る練習をしているだけの話だが)にて、遅蒔きながらもランニング趣味に目覚めている私だ。
 日々の練習の集大成の意味合いと自己記録確認目的で、年に2度春と秋に一般ランニング大会“5㎞女子の部”にエントリーして出場するようになってから、既に5年の年月が流れている。


 そんな私だが、決して東京マラソンにエントリーしようとは思わない。
 と言うのも、そもそも“5㎞レース”の部がない故だ。

 それよりも何よりも、一般庶民ランナーが東京マラソンに出場するためには大きなハードルを越えねばならいのが現実だ。
 以下に、そのエントリー条件の一部を紹介しよう。
  
1. マラソン:大会当日満19歳以上(36,500人)
(1) 一般
6時間40分以内に完走できる者
※障害を持つ方で単独走行が困難な場合は、伴走者1人をつけてください。(盲導犬の伴走は不可とします)。
(2) 準エリート
「RUN as ONE - Tokyo Marathon 2016」により推薦された者
(3) エリート
※申込みは12月から行います。 2015年度日本陸上競技連盟登録競技者で、別途定める参加基準に達する者
・招待選手 日本陸上競技連盟が推薦する国内・国外の者
(4) 車いす(一般)
レース仕様車で2時間10分以内に完走できる者
(5) 車いす(エリート)
※申込みは12月から行います。 2015年度日本パラ陸上競技連盟登録者かつ2016年IPC登録予定者で、大会当日にIPC ATHLETICS国際クラス(T53・T54)を所持している者。 なおかつ IPC公認大会で、男子1時間50分以内、女子2時間以内の記録を有する者
・招待選手(日本パラ陸上競技連盟が推薦する国内・国外の者)

2. 10km(500人)
(1) ジュニア&ユース
大会当日満16歳から満18歳までの1時間30分以内に完走できる者
(1997年3月1日以降、2000年2月28日までに生まれた者) ※東京都が東日本大震災復興支援を目的として企画する事業に参加する者を含みます。
(2) 視覚障害者(大会当日満16歳以上/盲導犬の伴走は不可)
1時間30分以内に完走できる者 ※単独走行が困難な場合は、伴走者1人をつけてください。
(3) 知的障害者(大会当日満16歳以上)
1時間30分以内に完走できる者  ※伴走者1人を必ずつけてください。
(4) 移植者(大会当日満16歳以上)
1時間30分以内に完走できる者 ※移植者の対象は、臓器移植者、骨髄移植者に限ります。
(5) 車いす
(大会当日満16歳以上/健常者の参加は不可) レース仕様車で35分以内に完走できる者

参加料
マラソン :国内 10,800円、海外 12,800円
10km :国内5,600円、海外6,700円
※事務手数料、消費税込み

 (以上、東京マラソン公式サイトよりごく一部を引用。)


 ここから私論に入ろう。

 大都会東京で何故大規模マラソン大会を実施せねばならないのかが、私としてはそもそも大きな疑問だ。
 この大会開催を企画したのは石原慎太郎元都知事が東京都を牛耳っていた時代の事と記憶しているが、ランニング趣味がある私としては当時より開催反対派だった。
 開催当日には長時間に渡り道路交通が規制されざるを得ない。 都内の大動脈とも言える主要道路を一時閉鎖して、一般市民に多大な迷惑をかけてまでそれを実行すると宣言した石原氏の無神経の程を問いたい思いだった。 (その傍若無人の図太さが、安倍政権による2020東京五輪強引開催に繋がったものと、五輪開催反対派の私など考えている。

 もちろん、日本の首都東京に於いて開催される「東京マラソン」の意味合いは元々“地方創生”にはなかった事実は明らかだ。
 そうだとすれば現在国内都道府県各所にて開催されているマラソン大会にその場を譲っては如何かと、私など考えるのだが。  何も首都東京で首都機能を麻痺させてまでも大規模マラソン大会を開催せずとて、今となっては地方がその開催を担ってくれるであろうと私は解釈している。


 私事に入らせていただこう。

 そんな思考がある私は、今年の春エントリーするマラソン大会を「地方」にて開催する大会に的を絞り検索した。

 そうしたところ、私なりの嗜好で良き大会を発見したのだ!
 それは、2016年5月22日開催の「小豆島オリーブマラソン大会」である。
 ちょうど開催時期である5月下旬頃に郷里に一人暮らしの実母を訪ねる予定でいたのだ。 少し早めに東京を出発して小豆島に立ち寄りマラソン大会に出場し、小豆島を観光後、フェリーにて我が郷里に渡る手筈を整えようとした。
 そして早速ネットにて小豆島旅行を検索したところ、な、な、なんと! その日程では私が欲するホテルの予約は不能とのことだ。
 直ぐにその事態の背景が理解できた。 要するに5月22日「小豆島オリーブマラソン大会」開催のため、小豆島内の観光施設はマラソン参加者でごった返しているとの事なのだろう。
 (参考のため、「小豆島オリーブマラソン大会」出場者総数は数千人規模との事だ。)

 いやはや、小豆島の人口が如何程かは存じ上げないものの、年に一度のマラソン大会出場のため、その一時は島外からの訪問客で島中が満杯となる実態を思い知った私だ…
 更に、小豆島マラソン大会関連の映像をネットで検索するに、島への唯一の交通手段である連絡船内がマラソン開催期間“ゲロ混み状態”であることを確認した私は、すぐさま小豆島マラソン大会への出場を断念した… 
 (小豆島へは空いている時に観光申し上げたい思いが山々ですので、何卒小豆島の皆様、お許し下さいますように…)


 そんな私は、「地方創生」のあり方に関して思う事がある。

 地方過疎地に於いては、とにもかくにも人を集めねば経済効果が達成不能な事実は十分理解可能だ。
 ところが、その「人の集め方」を地方に住む人達こそが熟考し直すべき時代背景ではなかろうか?

 「阿波踊り」で著名な我が郷里にも共通しているのだが、お盆の一時に集中して人を集めるとの手段では、もはや「地方創生」など叶う訳もないであろう。
 
 かと言って、ヘボい「イルミネーション」などで人を集めようとて既に陳腐感があり限界があろう、とのエッセイを既に私は綴り公開している。 (2013.12.30公開「原左都子エッセイ集」バックナンバー 「イルミネーションだけが地域観光起こしでもなかろうに…」 をよろしければご覧下さい。)


 遠い昔の40年程前に地方を捨て去り上京した後首都圏暮らしが長く、しかも今後郷里の過疎地になど舞い戻る意思がまったくない私が勝手な見解を述べたとて、郷里に住む人々の反感を煽るだけなのだろう。
 それを承知の上で綴り公開した、今回のエッセイだが…

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