原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

痛くない生き方

2021年02月20日 | 医学・医療・介護
(写真は、昨日の朝日新聞朝刊より転載したもの。)


 今回の我がエッセイ表題は、上記映画のタイトルをパクったものです。
 内容に関しては、さほど関連が無いかも知れません。


 一昨日の木曜日より、またもや高齢者施設に暮す義母の“大騒動”に巻き込まれてしまっている…
 
 木曜日の朝の事だったが、義母から電話があった。
 亭主が対応したものの、案の定「何が言いたいのか分からない程にまとまりがないのに加え、義母がこちらの声が全く聞き取れないため会話になりゃしない。」と嘆きつつ。
 亭主は現在足腰を痛めているのだが、「今日の午後、義母の病院付添いを〇子(私のこと)にお願いしたい。」と言ってくるではないか!

 「ちょっと待ってよ! そんな認知症状がある相手の話を鵜呑みにして安請け合いしちゃダメだよ! まずは義母の状況を施設に確認しなきゃ。 本当に病院受診せねばならない状態なのか分かったもんじゃ無いでしょ!」
 と反論しつつ、私から施設へ確認の電話を入れた。

 そうしたところ、やはり“急いで病院へ連れて行かねばならない状態”ではなさそうだ。
 どうやら昨夜自室で転び、右背中を打ったらしい。 直後に看護師氏に義母自らが相談に行き、看護師氏がシップを貼るとの対応をして下さったようだ。
 要するに、今すぐに病院へ駆けつける必要無しと看護師氏が判断したとのことだろう。
 私からの電話に対応して下さった施設のケアマネジャー氏も、その出来事を把握しており、「今朝もお義母さんは私の所へ一人で歩いて来られ、寝返りしたら背中が痛い旨を訴えられましたが。 “寝返り時に痛い”以外は普通に生活されていて、骨折している等の心配はなさそうです。 とりあえず週末施設で様子を見て、何か問題がありそうでしたら月曜日にこちらから電話致します。」とのご回答だった。


 その後も義母から立て続けに我が家に電話が掛かってくる。
 内容は決まりきっていて、「痛いから早く病院へ行きたい!」ばかりを訴えてくる。
 今朝も義母から電話があり、「今日整形外科へ行きたい!」の一本調子だ。

 さすがに亭主も苛々しつつ、「月曜日まで施設で様子を見るように」と指導したようだが、その返答が気に入らない義母が「施設で相談する!」と言って電話が切れたようだ。
 
 その後、施設より電話が無いと言うことは、おそらく義母の容体は大したことがないのであろう。


 以前より繰り返し記載しているが。

 我が義母とは、元々“医療依存派”だ。
 何処かに痛みや不快感が出ると、必ずや「お医者様に診てもらわねばならない」と信じて疑っておらず、それを実行に移している。
 一人で病院へ行ける能力があった頃には、私も(本人の好きにすればよい)と考え放っておいた。
 ただ私の診断だと義母には何らの致命的病状は無く、おそらく長生きする人だろうと読んでいたら、まさにその通りだ。 (今年90歳を迎えるが、認知症と難聴以外には未だ特段の致命的疾患が一切無い。)

 加えて、「私は早く死にたいの」とニコニコと言うのが相変わらずの義母の口癖だ。 
 これ、まさに聞かされる側にもなって欲しい。 義母としては、「何を言っているんですか。お義母さんには皆が長生きして欲しいと思っていますよ」との返答を期待しての発言なのだろうが…
 (またか… 不言実行でお願いしたいものだよ!)と思うのが、実際世話係を担当している人間の本音であろう。 それが分からないかなあ… )と返って嫌気がさすものだ。😩 


 確かに、人間何歳になろうが「痛み」とは痛いものだ。
 それは私とて日々実感しつつ暮している。

 要するに認知症状ある義母にとっては、「あすは回復しているだろうか」なる考察が既に失われているのであろう。
 “現在痛い、イコール、直ぐに病院へ行かなきゃ!” との方程式にがんじがらめにならざるを得ない脳内構造なのだろう。

 人間誰しも、「痛くない生き方」をしたいのが当然であり。

 義母に関しても、義母の意向(「尊厳死協会」に自ら入会している)に従って常に提言しているのは。
 「その意向はもちろん尊重しますが、痛みは辛いのでそれは取り除いてもらいましょうね。」
 この我が提言に十分に同意してくれている義母だが。

 義母が認知症故に、現在発生する“少しの痛み”に少しも耐えられなくなっているとすれば。

 来る“死に際”に際しても、大騒ぎをしでかす予感があるのだが…
 

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