原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

醜男が美女を連れているのはよく見かけるが…

2018年10月28日 | 恋愛・男女関係
 いや、近年はそうとは言えないかも。
 意外や意外、逆パターンも珍しく無くなった時代かもしれない。


と言うのも、確実に世相は多様化・進化している。
「美男」「美女」「醜男」「ブス」と一言で言ってみたところで、人の好みは実に千差万別だ。  
 加えて、一昔前と比較して“外見的要因”のみで人の魅力を判定するとの愚かな時代でも無くなっている。 外見だけの魅力など、実際3日で飽きるものだ。
 では、人は相手の何に惹かれるのかと言えば。
 それは相手人物が織りなす人柄であり何気なく漂う雰囲気(昔の言葉を使うと“フィーリング”というやつか??)であり、会話力であり、はたまた二人の「相性」でもあろう。

 と言う訳で、今に至っては誰と誰がくっつこうが他人の知った事でもなく、まさに多種多様なカップルがこの世で連れ合っていることであろう。


 さて今回もまた、エッセイのテーマを朝日新聞“悩みのるつぼ”より拝借しよう。

 昨日2018.10.27“悩みのるつぼ” 相談は70代女性からの「波立つハンサムな夫との老後」だった。
 早速、相談内容を要約して以下に紹介しよう。

 70代夫婦の二人暮らしだが。 私の生き甲斐は畑で、真っ黒になりながら働いている。 夫は理系高学歴で退職後も自主勉業に励み、健康にも気遣って近くの公園で朝5時にラジオ体操に参加している。
 私は不細工だが、夫は今も昔もハンサムだといわれている。 夫自身も女好きな方だと思う。 クラス会に行き、気に入った人に文通を申し込んだ事もある。 2年程前からはラジオ体操で出会った独身女性の話をよくするようになった。 感情をあまり出さない夫が鼻歌まで歌い、忘れていた青春を取り戻したようで、最初は微笑ましく思っていた。
 ところが先日、夫と外食をしている時その女性が現れ、「一緒に食べない?」と話しかけてきてビックリ! スーパーで会った際にも夫にタッチしてくるなど、私と夫が一緒にいるとエキサイトする様子だ。 さらには「近くまで来たから」と直接家にまでやって来たのだ!  私が嫌がると、夫は「嫉妬深いバーサンだ。 嫌なら彼女に直接言えばいい。」と言う。
 静かで順調だった老後の生活が波立っている。 この状況をどう考えればよいか、アドバイスをお願いしたい。
 (以上、“悩みのるつぼ” 相談より要約引用したもの。)


 一旦、私見に入ろう。

 この相談者である70代女性は、そもそも人が良過ぎるのではあるまいか?
 片や、(女性曰くハンサムだとの)夫側は、(そのハンサム度合いを私が知るすべもないが)、意外や意外女性経験がさほどなく、要するに“プレイボーイタイプ” では無さそうだ。 しかも相談女性である女房に一存して来た一生を物語るかの相談内容と、私は推測する。

 いやはや、男女の出会いのルーツとは他人には分かりにくいものだが、このご夫婦が一体全体如何なる状況下で知り合ったのかの想像が全く付かない。  ただ、それがどうであろうが、私はこのご夫婦が出合って以降大した波風も無く、両者間で上手く機能して来ているような印象を受ける。

 もう一人の登場人物である、ラジオ体操にて“ハンサム夫”が知り合ったとの独身女性に関してだが。
 この人物に関しては、おそらくその“ハンサム夫”に対し確かに恋心を抱いているのであろう。
 さて、このハンサム男が如何なる女性と添い遂げているのか、もしも自分が「勝っているなら」自分にもチャンスがあるかもしれない、との愚かな発想に基づき虎視眈々と狙った上でのストーカー行動とも想像が付く。  そして探りを入れてみると相手妻は不細工、これは私に勝ち目があるかも! と現在密かに勘違いの勝利感を抱いているやもしれない。
 ただ、長年連れ添った老夫婦の仲を裂くのは、そう甘くはないねえ。 独身女性側に離婚経験でもあればその想像も付くだろうが、どうやら根からの独身のようだ。 
 私の判断では、元々この勝負は相談女性の勝利であろう。


 我がエッセイ集(特に初期頃)内で、過去に於いて複数回「不倫」に関する私論を述べている。
 その内容を反復するのは避けるが、要するに「不倫とは“陰で隠れて”コソコソやるものだ! 不倫中の自分と相手が不幸のどん底に落ちるのは勝手だが、決して家族を不幸に落とし入れるな!!」 との結論を導いている。
 
 その観点から上記相談を分析するに、相談者の“ハンサム夫”氏は、今後も相談女性と添い遂げるつもりである事には間違いないだろう。 学際色はありそうだが、そもそも女性経験少なき多少愚かな亭主のようで、浮気(?)相手女性の操り方をまったく心得ていないところが大きな問題ではあるが…。

 むしろ一番困るのは、ラジオ体操現場で“ハンサム夫”と知り合った挙句、その後当該夫と妻を“ストーカー”している危険性もある独身女性だ。
 まさにこの行為、ストーカーと私は捉える。
 今後もさらにエスカレートするならば、相談女性は警察に被害届を提出するとよかろう。


 今回の“悩みのるつぼ”回答者は評論家の岡田斗司夫氏だが。 
 その相談回答が、我が上記回答と交錯する部分もありそうだが。
 それを敢えて非公開とするのには、原左都子なりの理由がある。

 長年連れ添った夫婦間での感情とは、それが相手の「不倫・浮気」行為に対するものだとしても。
 岡田氏が指摘されている「嫉妬」なる言葉とはまったく別モノと私は感じるのだ。

 要するに長年連れ添った夫婦間を繋ぐ糧とは「嫉妬」などとの低レベルでは言い表せない、もっと普遍的な感情によるものではなかろうか?! 
 たとえば、夫婦とはそもそも「同志」との感覚もあるのだが…??

 いえいえ私の場合晩婚のため、婚姻後たかだかさほどの年月が経過していない立場にしての戯言に過ぎないが……。