原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

STAP検証は血税ではなく関係研究者の自腹で実施するべき

2014年04月08日 | 時事論評
 (写真は、朝日新聞4月5日に掲載された漫画「地球防衛家のヒトビト」より転載したもの)


 早速、冒頭の漫画が不明瞭で見辛いため、その内容を以下に紹介しよう。
  「結局STAP細胞はホントにあったのかなー」
  「1年かけて探すみたいだね…」
  「しかし本当に見つかったらスバラシイことなんだから、このオレもひと肌脱ぐぞ!!」
    (電柱に 「探しています!STAP細胞!! みつけた方連絡下さい」の貼り紙)
  「そーゆーこっちゃないだろ…」
 

 早速原左都子の私論だが、結局今回の理研によるSTAP細胞騒動とは「そーゆーこっちゃ!」と言いたくなるレベルの茶番劇である。

 ここはとりあえず、「STAP細胞みーつけた!」 なる言いだしっぺである小保方康子氏を中心に、それに同意した共同研究者、及び論文内容に関し十分な検証もせずして論文を科学誌「ネイチャー」に発表する事を認めた理化学研究所幹部こそが、“自腹で”その茶番劇の尻拭いをするべきであろう。

 そう考えていたところ、昨日理研より発表された「STAP細胞検証」内容とは以下の通りである。
 理化学研究所(以下『理研』と略すが)の小保方晴子研究ユニットリーダーらが発表した新しい万能細胞「STAP細胞」の論文問題で、理研は4月7日東京都内で記者会見を開き、STAP細胞が実在するかを検証する実験について説明した。 論文の共著者で検証実験を担当する理研の丹羽仁史プロジェクトリーダーが初めて会見し、「共著者の一人として、このような事態になったことを心からおわびする。今後は一切の予断なく検証実験を進める」と述べた。
 検証期間は1年間。 論文に記載されたリンパ球からのSTAP細胞作製だけでなく、他の細胞からSTAP細胞を作って追跡する方法も検証する。再現できた場合は詳しい作製法を公表し、第三者の検証に委ねる。 論文に疑義が指摘された後の3月5日に詳細な作製法を公表したが、第三者が再現に成功したとの報告はない。  丹羽氏は「手順を一から十まで検証できていない」と述べ、自分で全てを確認していないことを認めた。3月の作製法公表については「情報が足りず再現がうまくいかないという状況は見逃せなかった」と釈明。小保方氏によるSTAP細胞の作製は、論文発表後の2月に3回見たと述べた。
 (以上、ネット上より一部を引用。)

 ところが原左都子が今朝方ネット上で見た情報によれば、上記の理研にての「STAP細胞検証」作業に1300万円の費用が計上されるのだとの事だ。(私の記憶に頼っているため不正確である場合お詫びするが。)
 理研と言えば、独立行政法人の位置付けにある。 ということは、STAP細胞検証の費用とは国民の血税から支出されるとの事なのか?!?

 とんでもない話だ。 一研究者の捏造による研究発表を検証する作業に何故国家の税金がつぎ込まれなければならないのだ!?!
 ここは是非とも、「捏造論文」を作成し世間を騒がせた本人及び共同研究者、更にはそれを認め一時平然としていた理研幹部の“自腹を切って!”検証作業に臨んで欲しいものだ。


 それにしても…。

 STAP細胞「みーつけた!」の言いだしっぺである小保方氏は、「STAP細胞検証」を実施するとの理研幹部連中を敵に回し、明日(4月9日)午後記者会見を開き「論文は捏造ではない」との趣旨の反論射撃を展開するそうだ。
 
 原左都子の私論だが、もし貴方が真実の基礎研究者としての自負があるのならば、そんな事で無駄に理研幹部及びメディアないしは世間と闘い、疲れ果てている暇があるのかと心配申し上げる。
 そんな事よりも、「STAP細胞は自分が世界で一番最初の発見者!」との心意気の下、直ぐにでも何処かの実験場所を見つけて自らその検証作業を再開してはどうなのか?
 それにはお金がかかるよねえ。 だからこそ、貴方は今までぬくぬくと“捏造実験”を認めてくれた理研に今後も依存したいのではなかろうか? だからこそ今回メディアにしゃしゃり出て、理研幹部と闘うつもりなのだろうが…
 それでも、残念ながら貴方には既に勝ち目はないと私は結論付けているのだが…


 と言うのも、小保方晴子氏の「論文捏造不祥事」は既に早稲田大学博士論文調査にまで発展してしまっている。
 小保方氏が所属していた早稲田大学先進理工学研究科で学位を取得した複数の著者の博士論文に不正の疑いが指摘されていることを受け、同研究科の全ての博士論文約280本について、研究不正の有無を調べる方針を決めたそうだ。 早稲田大学は調査結果を踏まえ、学位の取り消しを検討するとのことだ。

 ここで私事を述べるが、過去に於いて私も大学院で修士論文を提出しその審査に合格して修士号を取得している。
 私が所属していた大学院は公立大学だったため、そもそも大学院生がごく少数だった。 学院生数よりも教授陣が多いとの恵まれた環境の下、論文審査も実に厳しかった事を鮮明に記憶している。
 第一次、第二次審査共に、学生一人に付き3名の教授陣が審査に当たってくれた。 書類審査の後面談審査も実施され、教授陣3名の目前で論文内容に関する詳細部分の質問を受け、それに口頭にて即答する能力も試された。 無事論文審査に合格し「経営法学修士」をゲット出来た暁には、大きな物事を成し遂げ我が人生最大の関門を通過し得た喜びに満たされたものだ。

 片や私立大学やマンモス国立大学大学院では、教授陣よりもずっと多数の大学院生を抱えているとの事情を心得ている。
 そんなマンモス大学の場で実際に大学院論文審査を経験した人物の話によると、「審査が実にいい加減で、論文を適当に体裁よく書いて出しさえすれば大抵は二次審査にて温情で合格できる」なる裏話も一昔前に聞いたことがある。 

 話題を小保方氏のSTAP細胞騒動に戻すが、氏の早稲田大学博士課程における論文審査の現状とは如何なるものだったのだろう。
 小保方氏が所属していた早稲田大学先進理工学研究科とは、上記報道によれば2007年に新設されたばかりとの事だ。 設立わずか7年足らずの研究科にして一体如何なる教授陣を学内に迎え入れるに相成ったのだろうか???
 小保方氏の博士論文の場合、その内容のほとんどが海外英文文献そのままのコピー、しかも捏造写真入り… そんな小保方氏の博士論文を認めた早稲田大学大学院側の責任も多大であろう。


 最後に原左都子の私論だが、とにかく小保方氏は今回は一旦捏造を認めては如何か。

 その上で反復になるが、貴方が「自分こそがSTAP細胞の先駆者」なる絶対的自負が今尚あるのならば、国税がつぎ込まれる理研ではなく、捏造を犯した貴方を迎え入れてくれる研究室を自力で探し求めるといいだろう。
 それに巡り合えずとも、何らかの手段で是非とも「STAP細胞」がこの世に実在することを「言いだしっぺ」である“貴方”こそがご自身が今後培う経済力と能力で、何十年後であろうと突き止めて欲しい思いの私であるぞ。