朝日新聞3月1日(日)朝刊社会面の下欄に、とある窃盗事件の記事が掲載されていて一瞬目を奪われた。
この記事によると、2月28日の深夜、大阪・北新地の路上を歩いていたホステスの女性が、後ろから近づいてきたバイクの男に手提げバックをひったくられた、とのことである。
ここまで読んだ分にはよくあるひったくり窃盗事件のパターンであるが、今回私がこの記事に目を奪われたのは、ひったくられたバックの中に入っていた現金の「金額」の程が尋常ではないためだ。
バックの中には女性の1ヶ月(約20日分)の給与340万円が入った封筒と、約5万円入りの財布が入っていたそうなのだ!
この女性は大阪北新地の高級クラブに勤務し、同僚や客と一緒に2次会の店に移動中だったとのことである。 (340万円の現金を持って、2次会に行くのはやめましょうかね…)
昨年来の世界的な経済危機のあおりで、職を失ったり、ワークシェア等で給料を減額される人々が世界中に溢れている中、この記事の高級クラブのホステスは今尚月収300万円余りを手中にしていたとはちょっと驚きである。
月収340万円と言うと、年収にすると4000万円を超える。これはおそらく大企業の社長よりも多額の給与であろう。 (お金がある所にはあるものだなあ…)
昔、何度か高級クラブへ飲みに連れて行ってもらったことがある。 高級クラブでのホステス経験のある女性とお付き合いがあった時期もある。
ある時、東京六本木の高級クラブへその店の常連の男性に連れて行ってもらった。
そこにいた一人のホステスの女性がちょうど当時の私と同じ30歳代半ばとのことで同席して下さり、語り合った。 その女性は相当の知性の持ち主という印象があるのだが、当時30歳代半ばにして大学院生だった私を羨ましがり、多少酔っ払いながら修士論文の研究内容等を話す私の話をつまらなそうな顔一つもせずに十分に聞いて下さったものだ。
人のつまらない話を聞かされること自体、忍耐力を要するものだ。しかも酔っ払い相手に、この女性はその力量を十分に備えていたことに脱帽したものである。
夜の世界のホステスもピンキリで、“高級クラブ”のホステスともなると誰でもなれるという訳ではなく、美貌はもちろんのこと、知性や品格やしたたかさが要求されるということは知る人ぞ知る話だ。
そしてホステス経験者の知人の話により、その舞台裏は表面の豪華さ華麗さからは想像もつかないようなドロドロした厳しい世界であるという実話も、私は昔耳にしている。(テレビドラマ等でも高級クラブ内部の女性同士の“ごたごた惨劇”はよく描かれているため、既に見聞されている方も多いことであろう。)
“同伴ノルマ”をこなすための営業活動や、“ヘルプ”と言われる補助ホステスの勧誘や給与支払い、こういった諸業務をオフの時間にこなす力量も要求されるのは当然であるようだ。また、日々の衣裳代や美容代の出費も膨大であるのに加えて、ホステス同士のトップ争いの熾烈さや、客との各種トラブル……
これらすべてをひっくるめた給与が、300万円余りの月収につながっているという計算だ。
「夜の蝶」とて、その適性や力量なくして多額の給与を手にする事は不可能なことは明白である。 結局は、どのような世界であれ厳しい自然淘汰の現状なのだ。大抵は短期間でギブアップしたり適性や力量がなくて諦めたりして、その場を去っていくのであろう。
この私も一時期、銀座の高級クラブのホステスなんぞに憧れたことが無きにしもあらずだが、いや~~、そんな力量は元よりなかったと今では実感だね。
月収340万円は、諦めよう……
この記事によると、2月28日の深夜、大阪・北新地の路上を歩いていたホステスの女性が、後ろから近づいてきたバイクの男に手提げバックをひったくられた、とのことである。
ここまで読んだ分にはよくあるひったくり窃盗事件のパターンであるが、今回私がこの記事に目を奪われたのは、ひったくられたバックの中に入っていた現金の「金額」の程が尋常ではないためだ。
バックの中には女性の1ヶ月(約20日分)の給与340万円が入った封筒と、約5万円入りの財布が入っていたそうなのだ!
この女性は大阪北新地の高級クラブに勤務し、同僚や客と一緒に2次会の店に移動中だったとのことである。 (340万円の現金を持って、2次会に行くのはやめましょうかね…)
昨年来の世界的な経済危機のあおりで、職を失ったり、ワークシェア等で給料を減額される人々が世界中に溢れている中、この記事の高級クラブのホステスは今尚月収300万円余りを手中にしていたとはちょっと驚きである。
月収340万円と言うと、年収にすると4000万円を超える。これはおそらく大企業の社長よりも多額の給与であろう。 (お金がある所にはあるものだなあ…)
昔、何度か高級クラブへ飲みに連れて行ってもらったことがある。 高級クラブでのホステス経験のある女性とお付き合いがあった時期もある。
ある時、東京六本木の高級クラブへその店の常連の男性に連れて行ってもらった。
そこにいた一人のホステスの女性がちょうど当時の私と同じ30歳代半ばとのことで同席して下さり、語り合った。 その女性は相当の知性の持ち主という印象があるのだが、当時30歳代半ばにして大学院生だった私を羨ましがり、多少酔っ払いながら修士論文の研究内容等を話す私の話をつまらなそうな顔一つもせずに十分に聞いて下さったものだ。
人のつまらない話を聞かされること自体、忍耐力を要するものだ。しかも酔っ払い相手に、この女性はその力量を十分に備えていたことに脱帽したものである。
夜の世界のホステスもピンキリで、“高級クラブ”のホステスともなると誰でもなれるという訳ではなく、美貌はもちろんのこと、知性や品格やしたたかさが要求されるということは知る人ぞ知る話だ。
そしてホステス経験者の知人の話により、その舞台裏は表面の豪華さ華麗さからは想像もつかないようなドロドロした厳しい世界であるという実話も、私は昔耳にしている。(テレビドラマ等でも高級クラブ内部の女性同士の“ごたごた惨劇”はよく描かれているため、既に見聞されている方も多いことであろう。)
“同伴ノルマ”をこなすための営業活動や、“ヘルプ”と言われる補助ホステスの勧誘や給与支払い、こういった諸業務をオフの時間にこなす力量も要求されるのは当然であるようだ。また、日々の衣裳代や美容代の出費も膨大であるのに加えて、ホステス同士のトップ争いの熾烈さや、客との各種トラブル……
これらすべてをひっくるめた給与が、300万円余りの月収につながっているという計算だ。
「夜の蝶」とて、その適性や力量なくして多額の給与を手にする事は不可能なことは明白である。 結局は、どのような世界であれ厳しい自然淘汰の現状なのだ。大抵は短期間でギブアップしたり適性や力量がなくて諦めたりして、その場を去っていくのであろう。
この私も一時期、銀座の高級クラブのホステスなんぞに憧れたことが無きにしもあらずだが、いや~~、そんな力量は元よりなかったと今では実感だね。
月収340万円は、諦めよう……