70代半ばの男性の趣味は読書です。横になりながら右手で頬杖をついて本を読んでいたのですが、その夜から頸の右側が痛くなりました。
そのうち頸が回りにくくなり、右手も90度ぐらいしか上がらなくなりました。右肩が痛いため、後ろ手に組むことができません。
男性を触診しますと、頭を支える一番大きな筋肉、胸鎖乳突筋を軽く押しますと、激痛を訴えます。頸を支える後頭下筋を触りますと、「イタッ」と叫びます。頸を大きく動かす際、頸椎の7番が支点となるのですが、頸椎7番の周辺の筋肉にも張りと痛みがあります。
「横になりながら頬杖をついて本を読むことはよくあるのですか」と尋ねますと、「横になって読むことが最近は多い」といいます。
「体の痛みの原因の三分の一は姿勢です。残りの三分の一が筋力の低下です。高齢になれば、30分も同じ姿勢が続けば、痛みが出てきます。それが不自然な姿勢ならば、痛みはもっと早く、もっと強く現れます」
「高齢者になれば、筋力の低下も大きく出てきます。とりわけ、サルコペニア(筋肉減弱症)の壁とされる75歳を超えると、その傾向はさらに激しくなります」
筋硬結ができた問題筋の胸鎖乳突筋、後頭下筋、僧帽筋上部線維から上腕三頭筋・橈骨筋・母指球、小胸筋、大胸筋などをリリースしました。
右手は頭の上まで上がるようになり、両手を後ろ手に組むことができるようになりました。「不自然な姿勢は強い痛みを起こします。横になって頬杖をついて本を読むことはやめてください」と説明しました。
そのうえで「お風呂に入って筋肉が軟らかくなり、血流が良くなったときに、これらの筋肉を揉みほぐすと痛みは軽くなります」と伝えました。
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