華道家元池坊では「枯れた花にも華がある」といいます。枯れた花にも美を見出し、その花が育った環境を想像し、草木の風情を理解することを大切にしているそうです。
日本学術会議in京都のシンポジウム「いけばな~日本の知恵の世界発信~」の対談の中で、池坊次期家元の池坊専好さんに教えていただきました。専好さんは池坊の歴史上、初の女性家元です。
日本のいけばなは、西洋のフラワーアレンジメントとは異なり、花や枝を左右非対称に生ける特徴があり、余白の美や枯れていく美しさまでも表現するそうです。想定外の事実を受け止め、そこから新たな価値を見出すという科学と通じるところがあるとして、シンポジウムに組み込まれました。
日本学術会議副会長の渡辺美代子さんが聞き役となり、対談は進みました。専好さんは、池坊では木は後ろ、草は前に生けることで自然の縮図を現わすといいます。いけばなが最終的に目指すのは社会の縮図だそうです。それだからこそ、枯れた花にも華があるとみるのです。
いけばなの精神には、とんと疎い私にはよくわからない話ですが、「枯れた花にも華がある」という考え方には共感できます。
それとは別に、対談していた約40分間、専好さんのスカートの膝がきちんとついたままだったことに「正座の世界」で育った姿を感じました。
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