団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

どうにもならないことは人生の棚の上にのせます

2018-12-18 09:33:33 | 健康・病気

新聞社時代に一緒に働いたNさん(74)が主演した音楽劇「ムーンライト」が京都市の西文化会館ウエスティホールで開かれたので、先輩・同僚の3人と一緒に見て来ました。Nさんは網膜色素変性症で定年後の60代から両目が見えにくくなり、今では全く見ることができないといいます。

そんなNさんが大学生時代、ピアノに親しみ、ベートーヴェンのピアノ曲「月光」の第一楽章が弾けるようになりました。新聞記者の仕事が忙しくなり、娘のために購入したピアノの前に座ることもなくなりました。

それが、定年後、時間に余裕ができたことから、ピアノの先生による個人レッスンを始めました。クラッシック音楽の思いは広がり、ヴァイオリンの個人レッスンも受けています。

ピアノ教室をテーマにした舞台を考えていた演出家の村川拓也さんが知人を通じて、Nさんのことを知り、Nさんを主演にした音楽劇を提案しました。好奇心いっぱいのNさんは「演出家がどんな脚本を書き、舞台をつくっていくのかに関心がわき、引き受けることにした」といいます。

ホールには約110人の観客が訪れました。若い人たちがほとんどでした。劇は村川さんのインタビューをNさんが答えるかたちで進み、小学生から中年までの女性の計4人がバイエルからNさんの思い出の曲を弾きました。舞台のスクリーンにはNさんの思い出の写真が次々と投影されました。

Nさんは大学に入った20歳のとき、大学病院で網膜色素変性症として診断され「やがて失明する。点字を早く覚えた方がよい」といわれました。がっくり落ち込み、生きる希望を一時失いました。苦しんでいるうちに「やがて、はいつ来るかわからない。それなら、網膜色素変性症のことは棚の上に上げて、やりたいことをやろう」と思いました。幸い、定年まで記者の仕事には大きな支障がなかったそうです。

病状についてNさんは「今は目の前が真っ白になり何も見えません。雲海に入ったり、猛吹雪の中にいたりしている状態です」。目がほとんど見えなくなったとき、点字を習得し、音声パソコンの打ち方、白状の使い方をマスターしました。

どうにもならないことは、私も棚の上に上げ、そうした事態になったときに考えるようにして、残りの人生を歩むことにします。

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