介護や支援を必要とする人たちの、原因を調べると、5人に1人が骨折・転倒・関節疾患です(厚生労働省の国民生活基礎調査 2008年)。脳血管疾患(脳卒中)と同じ割合で、原因別ではトップで、認知症より多いのです。高齢者が転倒すると、大腿骨頸部骨折や大腿骨幹部骨折などを起こし、そのまま寝たきり生活に入る人も少なくありません。そこで、当院では、転び方の指導もします。転びそうになって手をついて支えようとすると、お年寄りでは手首の骨折や捻挫を引き起こします。踏ん張ろうとして横倒しになり、大腿骨頭をコンクリートの地面に打ち付けるような事態になると、大腿骨頸部骨折、大腿骨幹部骨折に直結しかねません。そこで、転びそうになり、とてももたないな、と思ったら、後ろのめりなら滑るように体全体で転んでください。前のめりならば、体を横に倒すようにして、こちらも体全体で転んでください。こう呼びかけている。足腰が衰えているお年寄りは、後ろのめりに倒れるケースが多いので、マットで実演をして、大けがをしない転び方を見てもらっている。
80歳近い男性の患者さんが「施術してもらって帰宅する途中、自分のサンダルを自分で踏みつけて転んでしまった。うまく体全体で転んだので、左ひじにすり傷をしただけで済んだ」と言って、左ひじの赤くすりむけた傷を見せました。この患者さんは左の股関節にボルトを入れているので、左脚が不自由です。一人では立てないので、道行く人に声をかけて起こしてもらったそうです。13日から17日まで、当院はお盆休み。東京で妹と二人で生活している、90歳の父の世話をしに、実家に帰ります。
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