新聞記者は「権力へのウォッチドッグ」といわれます。権力を監視し、その問題点を批判するのが仕事です。だが、ややもすると、反権力で固まり、批判のための批判になりかねない危うさがあります。
とはいえ、権力への問題点を洗い出した記事は大きく扱われます。市有地を不法占拠していた住民の意見を取り上げ、行政を批判した記事を書いた先輩の男性に「不法占拠が問題なのでは」と疑問を呈したら「行政はいくらたたいてもいいんだ」と言われ、驚いたことがあります。
「普通の人の感覚」を大事にしている私は、こうした「何でも批判派」に相容れず、記者活動に低迷していたことがあります。
大阪府知事選で保守系現職を担当した時、支持する経済団体の代表が「君のような普通の人の感覚を大事にする記者が必要なんだ」と言ってくれました。
その人の名前も忘れたし、その後に会ったこともありませんが、「普通でいいんだ」と心強く思ったことを忘れません。
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